小林可夢偉が、エンジントラブルによりリタイアとなったF1マレーシアGPを振り返った。これで小林可夢偉は3戦連続のリタイア。消化不良のレースが続いている。「セパンはGP2で勝ったこともあるし、よく知っているコースです。中高速コーナーもあるし、路面のバンプも少ないので、金曜日に走り始めたクルマの状態はメルボルンより感触がよかったんです。去年に比べるとエアロが効くコーナーでは、ずいぶんとタイムは上がっていました」
ザウバーは、前戦オーストリラアGPからマクラーレンが採用するFダクトのコンセプトをテストしている。マレーシアGPでも改良型のシステムをテストしたが、レースでの採用は見送った。「今回も新しいリヤウイングシステムを試したんですが、データとしてもそこそこいいところが見えていた。だから土曜日も使ったんですけれど、予選前のフリー走行でちょっと安定してなかったので、安全策をとって予選からは使うのをやめました。あれは見た目や機能以上にすごく複雑なシステムなんですね」「雨の予選はうまく状況を活かせたなと思います。Q3に残れたことはよかったんですけど、もうちょっと順位を上げられるチャンスがあったかなとも思ってます。雨のせいで路面の水の量が増えたり減ったりする状況だと、タイヤチョイスが一番大事で、あとはどのタイミングでタイムを出すかだけなんで、ドライバーとしてはその時のために準備をして、いつでもタイムを出せるようにしておかないといけない。そのあたりは、去年のブラジルGPで経験して悔しい思いをしたので、今回しっかりと活かせてよかったです」「Q3では赤旗中断の後、コースインするときにインターミディエイトも準備してもらっていました。エンジニアとどうしようか相談して、とにかくコースインして入ってこなかったら、そのままウェットで行くというプランでした。実際コースに出てみると、ウエットでも何とかなるだろうと思って走りきったら、最終的にはインターミディエイトの方が速かった」「ただラップとしては失敗もしていないし、ウエットタイヤの限界まで走ったのでかなり自分としては頑張ったと思います。今後また同じような予選になった時は、もう少し余裕を持って、タイヤと路面の状況を考えていきたいですね。クルマのドライの時のパフォーマンスを考えれば、トップ10に入れたのは悪くない結果だったので、そのあたりもポジティブに受け止めています」予選9番グリッドからソフトタイヤでスタートした可夢偉。オープニングラップで順位を落とすも、ポイントを狙えるポジションでレースを進めていた。「決勝レースのスタートは悪くはなかった。目の前に止まっていたバリチェロもうまくよけたんですけど、1コーナーから2コーナーはタイトで、あんまり行き場がないけど、行かないとポジションが落ちるし、という状態でした。スタートの時に履くタイヤは、僕自身はソフトでもハードでもどちらでいけると思っていたんですけど、周りはみんなソフトで来るだろうと思って、ソフトタイヤを選びました」しかし、その後マシンは突然白煙を吐き、小林可夢偉はコース脇にマシンを止めた。「レースを開始してから1時間ほどで雨がくるという予報もあったんですが、それは気にしていませんでした。エンジンは突然止まりました。9周目に入るまでなんの予兆もなかったし、残念な結果になってしまいました」「でも次の中国GPに向けてチームは必ず直してくれると信じていますし、僕もきちんと準備をしていいレースをしたいと思います」
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