2020年インディカー・シリーズがいよいよ今週末、テキサス州の1.5マイルオーバルコース、テキサス・モーター・スピードウェイで開幕。佐藤琢磨は11年目のシーズンを戦う。3月にフロリダ州セント・ピーターズバーグで開幕する予定だったインディカー・シリーズは、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が遅れていたが、6月6日(土)、テキサス州のハイバンクを持つオーバルでのナイトレースを無観客で開催する。
2017年のインディ500を含む5回の優勝を挙げてきている佐藤琢磨は、今年もレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングからエントリー。最初のレースとなるテキサスは、昨年ポールポジションを獲得しており、開幕ダッシュを実現すべく準備を進めている。「新しいシーズンが始まることに対して、とても興奮しています」と佐藤琢磨はコメント。「私たちだけでなく、世界中のファンとメディアが長い間待ってたものですからね。インディカーとアメリカ政府、そしてテキサス・モーター・スピードウェイとスポンサーに深く感謝します。今はどのようなビジネスにとっても非常に厳しい時期ですから、ウイルス感染に対しての安全確保もレースウイークエンドではたいへん重要です」「昨年のテキサスではプラクティスから実力を発揮し、短い走行時間の中でレース用のセットアップと予選シミュレーションを行い、ポールを獲ることができました。今年は予選も決勝も1日で行われるので、いろいろな面から非常に難しいレースになることが予想されます。タイヤ戦略も重要ですが、すべての面に注意を払って戦う必要があると思います。自分たちとしては、できる限りの準備をしてレースウイークエンドに臨み、いい結果を手に入れたいです。シーズンをスタートできること自体を喜んでいますが、いいレースが戦えればもっとうれしいです」今シーズンのホンダは、8人の優勝経験者、4人のインディ500王者、そして、2人の元シリーズチャンピオンをそろえ、強力なドライバーラインアップで戦う。2019年シーズンに8勝を挙げたホンダは、インディカー・シリーズにおける8度目のマニュファクチャラーズ・タイトルを2年連続で獲得。ホンダエンジンを使うドライバーたちは、過去2シーズンの34レースで実に19回もの勝利を記録している。アメリカのホンダパフォーマンスデベロップメント(HPD)社長のテッド・クラウスは「2019年、私たちはパートナーであるチームと共に2年連続のマニュファクチャラーズ・チャンピオンシップを獲得しました。このことを大きな誇りと感じています」とコメント。「今シーズン、すでに私たちは医療用人工呼吸器メーカーに対する技術的なサポートでの活動というレースを戦ってきています。同時に、レースにおける仕事を今まで以上に安全に行い、サーキットでの活動を再開する方法を見つけるべく努力してきました。2020年のレースシーズンをスタートさせるのは、すばらしいことです。そして、私たちはレース場で勝つことを目指すとともに、正しい見識をもって通常の生活を再開させることに努めていきたいと考えています」2020年のHPDの目標は、インディ500で優勝し、インディカー・シリーズのタイトルも獲得することです。HPDの全員が、シーズン再開に向けて懸命に準備を進めてきました。タイトル防衛がなされることを楽しみにしています」開幕戦となるジェネシス300では、ホンダドライバーのラインアップはたいへん印象的なものとなる。HI20TTツインターボV6エンジンをダラーラシャーシに搭載して戦う、その筆頭はインディカー・シリーズで5度のタイトル獲得経験を誇り、2008年のインディ500で優勝しているスコット・ディクソン。2017年のインディ500で優勝した佐藤琢磨、2012年のシリーズチャンピオンで2014年にインディ500で優勝したライアン・ハンター-レイ、2016年インディ500ウイナーのアレクサンダー・ロッシ、複数優勝を記録しているグレアム・レイホール、ジェームズ・ヒンチクリフ、マルコ・アンドレッティ、さらには2019年シーズンにルーキーながら2勝を挙げたコルトン・ハータらが参加する。ホンダは1994年からインディカー・シリーズに参戦を続けており、シリーズタイトルを競うエントラントとして、あるいは単独のエンジンサプライヤーとして、インディカー・シリーズの成長に積極的な役割を果たしてきた。マニュファクチャラーズ・タイトルの獲得は、シリーズ最多の8回を記録している。26年間出場し続けてきた北米オープンホイールの最高峰であるインディカー・シリーズでは245勝、2004年以降のインディ500で12勝など、同時期に参戦したほかのメーカーの追随を許さない数字を記録してきている。ホンダは2004年に、バディ・ライスとともにインディ500での初優勝を飾り、2004年と2005年にマニュファクチャラーズ・タイトルを獲得、2006年にはインディカー・シリーズに出場する全マシンにエンジンを供給することとなった。その2006年から2011年までの6年間に渡り、ホンダはインディ500の決勝レースに出場する33台のインディカーすべてにレーシングエンジンを供給したが、その6年間には一つのエンジントラブルも発生しなかった。インディ500の長い歴史の中でエンジンのトラブルがなかったレースは、この時の6回だけとなる。2012年からは、複数の自動車メーカーが競争を繰り広げる状況が続いている。ホンダはその最初の年である2012年にダリオ・フランキッティ、2014年にハンター-レイ、歴史的な100回目の開催だった2016年にロッシが劇的な勝利をインディ500で達成している。そして、2017年には佐藤琢磨が日本人初優勝を記録。複数メーカーが競い合うようになってからもインディ500でさらに4回もの優勝を飾っている。世界に名を轟かせるインディアナポリス・モーター・スピードウェイにおいてホンダは12勝を挙げているが、これはほかの主要自動車メーカーをリードするものだ。予定より2カ月半以上遅れてスタートする2020年のインディカー・シリーズは、開幕を控えて更なるスケジュール変更を行った。12年ぶりの開催が予定されていたバージニア州リッチモンドでのオーバルレース、カナダのトロントでのストリートレースがキャンセルされ、ウィスコンシン州の常設ロードコースが7月に延期された上でダブルヘッダーに変えられた。開幕戦として行われる予定だったセント・ピーターズバーグでのストリートレースが、関係者の努力によって10月下旬に復活。そのレースを最終戦とする全14戦で2020年シーズンは構成される。CS放送のGAORAは、6月7日(日) 8:30から開幕戦テキサス30...