ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は、今後のレースで4基目のパワーユニットを投入してペナルティを受ける可能性は高いと認める。ホンダF1は、第7戦フランスGPで2基目のエンジンを投入したが、第10戦F1イギリスGPではマックス・フェルスタッペンがルイス・ハミルトンとの接触によって大クラッシュ。このクラッシュが原因でエンジンにはクラックが入り、プラクティスでは使えるものの、レースでの使用は不可能な状況となった。
また、F1ハンガリーGPでは、セルジオ・ペレスがバルテリ・ボッタスに追突されて2基目のエンジンを潰している。F1イギリスGPでの接触を境に夏休み前の2レースでは、レッドブル・ホンダの歯車は乱れ、メルセデスが優位に立っているように見えた。シーズンが再開され、ホンダとしてどのように感じたのだろうか。「今回のグランプリは、予選もウェットでトリッキーなコンディションでした。そのなかできちんとポールポジションを獲れたのは大きかったです」と田辺豊治は語る。「また、ガスリー選手も6番手となり、それがポイントにつながりました。そうした中で、今日はレギュレーションに従った中での最善のレースができたと思います。昨日の予選でポールを獲ったことで優勝し、それがポイントにつながりました。これから先もいろいろなところがあると思いましたが、最善をつくしていきたいと思います」3時間にもわたる中断期間中、ホンダはパワーユニット面でどのようなことをしていたのだろうか?「基本的にはパルクフェルメ状態なので何もできません」と田辺豊治は語った。「ただ、いつスタートが切られてもいいように、パワーユニットの温度を見ながらたまに暖機していました。それしかできませんでした」レッドブル・ホンダの問題は、パワーユニットの基数制限だ。クラッシュによってレッドブル・ホンダ勢の2基目のエンジンはレースでは使用できない状態となっている。したがって、どこかで4基目のエンジンを投入してペナルティを受けざるを得ない状況となっている。「4基目を入れて、ペナルティを受けなければならない可能性は高いです。今後、得手、不得手、コンディションなどを含めて、どこでペナルティを受けるのがインパクトが小さいのかを検討していきます。今回はそれを取らずに済みましたが、今後もう一度見直しながらやっていきます」次戦は36年ぶりのF1オランダGP。ザントフォールをパワーユニットが走行するのは初めてとなる。「パワーユニットの観点では、サーキットのデータ、チーム側のシミュレーションの結果などを用いてセッティングを決めて行きます。ただ、実はまだ最終的に整合ができていないので、これから新しいサーキットに向けて十分準備を進めていきたいと思います」と田辺豊治は語った。
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