ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、F1ロシアGPの金曜記者会見に出席。イタリア2連戦でレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが見舞われたPUトラブルの根本的な原因は特定されており、二度と起こらないよう対策を施していると語った。マックス・フェルスタッペンは両方のレースでPUのパワーロスが原因でリタイアを喫していた。9戦中3戦のリタイアはすべてホンダF1のPU絡みの問題であり、信頼性問題の解決が急務となっていた。
ホンダF1の田辺豊治は、F1トスカーナGP後に分析を行い、問題の根本的な原因を特定し、対策を施してあると語る。「詳細についてはあまり触れませんが、非常に複雑な問題であり、その問題に関連する多くのパラメーターがありました」と田辺豊治はコメント。「レース後、データを分析しましたし、特にレース直後には何が起こったかを理解しようと務めました。我々は問題の根本的な原因を特定し、このレースでは問題を解決するために対策を適用しました。二度と起こらないはずです」PUトラブルはアルファタウリのマシンには発生していなかった。「いいえ。非常に稀な状況でした。F1を始めてから初めてのものです」と田辺豊治はコメント。また、F1ベルギーGPの予選ではレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンに“デプロイ切れ”が発生していた。同様の問題はF1トスカーナGPでアルファタウリ・ホンダF1のピエール・ガスリーにも発生している。F1イタリアGP以降、いわゆる予選モードが廃止となり、予選と決勝で単一のICEモードを使用することが義務付けられた。そのため、MGU-Hのデプロイメントの配分が予選では重要になってくる。その点に関して田辺豊治は「アプリケーションがわずかに異なるために発生したものですし、ラップのエネルギー使用量を最大化しています」と説明する。「つまり、フィニッシュライン後もエネルギーが残っていると、パフォーマンスを失うことになるので、エネルギーの使い方を最大化しています。ラップの条件がわずかに異なっていましたが、それが両方のマシンで発生したことです」F1ロシアGPからレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー、ダニール・クビアトに新たなICE、ターボチャージャー、MGU-HとMGU-Kを投入。これは年間のPU使用計画に沿ったもので、ホンダF1はムジェロでのトラブルなどとの関連性はないとしている。F1ロシアGPの金曜フリー走行では4台のマシンが走った133周を周回。レースウイークに必要な多くのデータを収集している。