F1ブラジルGP決勝は、ポールポジションからスタートしたレッドブルのマックス・フェルスタッペンが今季3勝目を挙げ、トロロッソのピエール・ガスリーが2位表彰台。Hondaパワーユニット勢が1991年以来の1-2フィニッシュを果たした。レーススタートでは、フェルスタッペンが抜け出して首位をキープ。アレクサンダー・アルボンとガスリーもスタートポジションを守って5番手と6番手につける。16番手スタートのダニール・クビアトは、ミディアムタイヤでスタートし、追い上げを図った。
21周目、フェルスタッペンは新品のソフトタイヤに交換し、2ストップ作戦を選択する。しかし、このピットアウト時にウイリアムズのマシンが目の前に飛び出し、タイムロスを強いられてしまい、ルイス・ハミルトン(メルセデス)の後ろでコースへ復帰。しかし、すぐにハミルトンに追いついたフェルスタッペンは、直後のターン1でオーバーテイクを決め、先頭を奪い返す。その次の周には、ガスリーがピットインしてミディアムタイヤに交換。中団勢トップの位置を守る。さらにその後、24周目にアルボンがソフトタイヤからミディアムタイヤに交換し、戦略の幅を広げる。クビアトは23周目にソフトタイヤへ交換し、ポジションアップを狙ったが、後方集団は混戦となっており、なかなかパスできずにレースは進んでいく。首位を守りながら迎えた44周目に、フェルスタッペンはミディアムタイヤへ履き替える。この3周後にガスリー、50周目にアルボンが、それぞれソフトタイヤを選択。しかし、その直後にバルテリ・ボッタス(メルセデス)がストップし、コース上にはセーフティカーが出動。レッドブルはフェルスタッペンをピットインさせてソフトタイヤを履かせ、終盤をフレッシュなタイヤで戦う判断をします。一方、2番手にいたハミルトンはコース上に留まったため、一旦は先頭を譲る形となってしまった。このセーフティカー明け直後のリスタート、フェルスタッペンはターン1で再び見事なオーバーテイクを決め、すぐに首位を奪還。さらにはアルボンもセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)をパスして、3番手に浮上する。しかし、その後に、フェラーリ勢がチームメート同士で接触して2台ともにリタイア。コース上には再びセーフティカーが入る。ここで、今度はハミルトンがピットインしてソフトタイヤに交換。Hondaパワーユニット勢はステイアウトを選択し、コース上はフェルスタッペン、アルボン、ガスリーがトップ3に並ぶ。さらには、クビアトも他車のリタイアによって10番手までポジションを上げていた。レースは残り2周で再開されるが、アルボンはリスタートで3番手に浮上したハミルトンに接触されてスピンを喫し、14番手まで順位を落とす。この2人の接触をすり抜け、ガスリーは2番手に浮上。フェルスタッペンは首位を盤石にしてファイナルラップに突入する。ガスリーは最終コーナーでハミルトンに並びかけられるが、全開区間で前に出ると、そのまま譲らずに2位でチェッカーフラッグ。優勝したフェルスタッペンに続き、Hondaパワーユニットの1-2フィニッシュを果たした。クビアトは10位でポイントを獲得。僅差のコンストラクターズ争いを繰り広げるチームに貴重なポイントをもたらした。接触によって後退したアルボンは、14位完走となった。ホンダにとってブラジルでの勝利は、輝かしい歴史を一緒に築いてきたアイルトン・セナが母国初優勝を飾った1991年以来。トロロッソにとって、2位表彰台は2008年の優勝以来の好成績で、故本田宗一郎の誕生日に記念すべきレース結果となった。田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)「アイルトン・セナ選手の母国初優勝となった1991年以来のブラジルGP優勝を果たすことができました。チームの素晴らしい戦略と合わせて、フェルスタッペン選手の本当に果敢かつ冷静なレース展開の判断により勝ち取った勝利だと思います。シーズン終盤での3度目の優勝はまた一つ、私たちに大きな力をくれると思っています。また、初表彰台となったRed Bull Toro Ross Hondaのガスリー選手についてもすべてを出し切り、チームに今年2度目となる表彰台を獲得してくれました。終始力強い走りで、最後はハミルトン選手を振り切っての2位は我々、そして彼にとって大きな自信につながるものだと思います。特に今シーズンは苦しんできただけに、本当におめでとうという思いです。今回は両チームが非常にコンペティティブなマシンを仕上げてくれたことはもちろんですが、我々のパワーユニットもドライバーに力を与えることができたと思っています。今日は次の最終戦、そして来シーズンにつながる非常にいいレースになりました。この結果を今日が誕生日の本田宗一郎さんに捧げます。最後に、表彰台を獲得したマクラーレンにもおめでとうの言葉を送ります」本橋正充(ホンダF1 チーフエンジニア/TORO ROSSO担当)「今日のレースは、最後まであれだけの接戦を制しての2位ということで、感無量です。また、Scuderia Toro Rossoとのシーズン2度目の表彰台獲得ということもあり、特別な想いです。今週は金曜からパワーユニットにトラブルが出ていたりもしましたが、チームやドライバーの協力のおかげでなんとかリカバリーできました。ガスリー選手については昨年のToro Rossoとのプロジェクトスタートから2年間一緒にやってきて、昨年は4位といういい結果を出すことができました。ただ、今年は彼自身、チームの移籍などもあり苦しい時間があったと思います。Toro Rossoに戻ってきてからは徐々に調子を上げてきての今日の結果ですので、本当におめでとう、ありがとうという想いです。いい結果を出すことはできましたが、Hondaとしてはまだまだ高いところを目指さなくてはいけないと思っていますので、ここからも進歩を続けていければと思っています」マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ/優勝)「今日このような形で勝てたことは素晴らしい気分ですし、チームの努力のたまものだと思います。今日はクレイジーなレース展開でいろいろなことがありましたが、僕は常にいいペースで走行でき、大事なところで何度もメルセデスをオーバーテイクすることができました。簡単なレースではなかったですが、チームが適切な戦略を立ててくれました。特に終盤のセーフティカー中のソフトタイヤへのスイッチは今日僕たちが勝つために大きなキーになりました。僕はいつも完璧を目指して仕事をしていますし、チームもいつも完璧なピット戦略とともに戦おうと努力をしていますが、今日はそれが完全にかみ合ったと感じています。昨年の(惜しくも勝利を逃した)レースを思うとよかったという...
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