ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は、レッドブル・レーシングの初戦で表彰台を獲得できたことは少しはプレッシャーが和らいだが、まだ縮めなければならない“明確”なパフォーマンスギャップがあると語る。2015年にマクラーレンのパートナーとしてF1復帰を果たしたホンダだが、その後の3シーズンで表彰台を獲得できずにパートナーシップは崩壊。だが、昨年はレッドブルのジュニアチームであるトロロッソと組み、ミッドフィールドでじっくりとパフォーマンス改善させた。
今年からパートナーシップを組んだレッドブル・レーシングとの初戦となったF1オーストラリアGPでは、マックス・フェルスタッペンが3位表彰台を獲得。ホンダにとって2008年のF1イギリスGP以来、2015年のF1の復帰以降では初となる表彰台をもたらした。レッドブル・ホンダがこれほど早くに結果を出せたことは重要なことと質問された田辺豊治は「そう思います。少しプレッシャーが和らぎました」とコメント。「そして、それは開発を進めていくためのさらなるモティベーションにもなります。良い結果だと思います」マックス・フェルスタッペンは、コース上でフェラーリのセバスチャン・ベッテルをオーバーテイクして3位に浮上し、終了間際にはメルセデスのルイス・ハミルトンにプレッシャーをかけた。田辺豊治は“テレビで見てくれている人にとっては良い結果”だったと認めつつも、メルセデスとフェラーリはまだエンジンパフォーマンスで優位性を保持しており、ホンダとして改善を続けていかなければならないと語る。実際、レースで優勝したメルセデスのバルテリ・ボッタスとマックス・フェルスタッペンとの差は20秒以上開いていた。「バルセロナテストからデータを得ることができましたし、ここでもいくつか得ることができました」と田辺豊治はコメント。「トップチームとの間にはまだ明確なギャップがあります。表彰台を獲得したことによって目標や期待が変えるわけではありません」開幕戦では、ホンダのF1パワーユニットを搭載するマシンの4台すべてが完走を果たし、トロロッソ・ホンダのダニール・クビアトが10位入賞でポイントを獲得している。レッドブル・ホンダはフェラーリに30秒以上の差をつけてフィニッシュしたが、田辺豊治はまだ今後の展開は“五分五分”だと語る。「バルセロナ(プレシーズンテスト)でのフェラーリのパフォーマンスについて考える必要があります。彼らは非常に強かったですからね」と田辺豊治はコメント。「このトラックでは我々の方がフェラーリよりも速かったです。再びバルセロナにいくときにフェラーリがまだ強いかどうかはわかりません」「マシン特性、ドライバー、そして、トラック特性の組み合わせだと思います。現在、我々のパフォーマンスがどの位置にいるかを言うのは簡単ではありません。異なる場所では異なるポジションにいるかもしれません」「ですが、全体的にリザルトとレースペースという点では励みになっています」