ホンダとレッドブルの2019年のF1パワーユニット供給契約はまだ覚書に合意しただけであり、それはつまり昨年ザウバーとの契約が白紙撤回される前とまだ同じ段階ということになる。先週、レッドブル・レーシングはホンダと2019年から2年間のF1パワーユニット供給契約に合意したことを発表。それは昨年、ザウバーが新体制となって合意をキャンセルしたときと同じフェーズに到達したにすぎず、今後の展開によっては白紙化される可能性も残されている。
ホンダのモータースポーツ部長を務める山本雅史は「我々がまず議論し、レッドブルと決定したのは、我々がパワーユニットを供給するということです」と認める。「契約に関するすべての詳細に関してはここから議論していく予定です。今後数カ月で契約の全ての要素について詳細を詰めていきます」だが、レッドブルとホンダが協力して勝利を目指すという意欲と両者にとって最良の選択肢であるという信念は、今後数カ月で変わる可能性のない根本的な要因となっている。それはホンダとザウバーの合意とは完全に異なることを意味する。当時、モニーシャ・カルテンボーンの突然の解任の後、ザウバーのチーム代表に就任したばかりのフレデリック・バスールは、カルテンボーンがまとめた契約を取り消すことをザウバーのプライオリティに置いた。「そこには違いがあることがわかりました」と山本雅史は語る。「一戦を交えるようなことはありませんでした。議論はありませんでした」ザウバーは、困難な時期を経ての重要な変化を遂げている時期であり、チームがベンチマークを得られるように他のユーザーが使用している確立されたエンジンを望んだ。また、ザウバーはギアボックスを製造しておらず、当時決別が噂されたマクラーレンとギアボックス供給契約をギアボックス契約を結ばなけばならないという不確実な状況にあった。「我々は双方のより良い利益のために一歩踏み出そうと決めました。完了には至りませんでしたし、我々は計画していたことを続けるのは最善の決定ではないと判断しました」と山本雅史はザウバーとの状況を振り返った。当初、レッドブルは今週末のオーストリアGPでホンダへ切り替えるかどうかを決断する計画だったが、現在のサプライヤーであるルノーからの圧力におって決定を前倒した。ルノーが決断を迫り、逆にルノー側からパートナーシップ解消が発表されるような状況に陥ったことで状況は急展開をみせ、先週末のフランスGP前にホンダに決断し、合意を発表するに至った。マクラーレンがホンダのワークスチームだった際は、エンジン供給、財政的なサポート、そしいて、他の技術的なプロジェクトを追求することで合意されていた。レッドブルの契約は、ホンダのワークスチームとして存続するトロロッソとは必ずしも同一ではないが、現在のルノーのカスタマーというステータスからは大きな変化をもたらすことになるが、レッドブル・レーシングのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、ホンダとの契約には商業的な利益と長期的な戦略があると語った。「ルノーに支払っていた金額を支払くことはなくなるが、ダイナモやギアボックス、他のハードウェアを供給している部分に関してはコストがかかる」とクリスチャン・ホーナーはコメント。「純益としてはもちろんポジティブではあるが、我々は継続t系なパフォーマンスを確保するためにチーム内に投資している」「それは我々にとって戦略的に重要なことだ。このパートナーシップの背景にある理論的な根拠は、2020年後にいむけて将来のための正しいパートナーを得ることを視野に入れいている部分も多い」ある噂では、レッドブル・レーシングは2020年にF1に参入するポルシェにチームを売却し、スポンサーとしてF1に関与することを検討しているとされている。そして、姉妹チームのトロロッソに関してはホンダに売却することを目論んでいるとも言われている。