ルイス・ハミルトンは、FIA(国際自動車連盟)がF1ベルギーGPで見せた慎重すぎる対応に不満を示し、前戦シルバーストンでの論争的なスタート手順への「過剰反応」が今回の長時間の遅延につながったと指摘した。決勝が行われたスパ・フランコルシャンは、激しい雨に見舞われ、視界不良とコンディションの悪化によってレース開始が1時間以上も遅延。だが、これに対して複数のドライバーが、FIAの対応の遅さを批判しており、その中には7度のワールドチャンピオンであるハミルトンも含まれていた。
予選では不調に終わったものの、ハミルトンはピットレーンスタートから7位まで追い上げる力強い走りを披露。それでもレース後、彼はスタート遅延に対する不満をあらわにした。「明らかにレースの開始は遅すぎたと思う」とハミルトンはモータースポーツ関連メディアに語った。「僕はずっと『もう行ける、もう始められる』って言ってたんだ。なのに、彼らは何度も何度も周回を重ねた」「たぶん前戦の反省から過剰に反応してしまったんだと思う。あのときは『再スタートが早すぎる、視界が悪すぎる』って僕たちは言った。でも今回は、それとは逆に振れすぎた。ローリングスタートにする必要はなかったよ」この「前戦」とは、イギリスGPのことを指す。あのレースではセーフティカー先導のフォーメーションラップ後、FIAが比較的早い段階でレースを開始し、多くのドライバーが不満を抱いていた。今週末は逆に、フェルスタッペンが「今後クラシックなウェットレースは二度と見られないだろう」と発言するなど、スタート判断の慎重すぎる姿勢が議論を呼んでいた。ハミルトンもこの意見に同意する。「僕のマシンもウェット用にセットアップしてあったしね。完全に乾くまで待たれちゃった」と彼は続けた。「スタンディングスタートも可能だった」さらにハミルトンは、あのコンディションでもスタンディングスタート(静止状態からの発進)が可能だったと主張する。「うん、絶対できたよ。特に最後のほうなんかね」「ほとんどドライラインができてたし、スプレーの熱ささえ感じた。間違いなくやれたと思う」彼はまた、スパでのFIAの慎重な判断はシルバーストンでの出来事に加え、先頭集団のドライバーたちの意見も影響していると分析している。「これはシルバーストンに対する反応だったんだよ。僕たちは前回『再スタートはすべきじゃなかった』って話し合った」「それで今回は“視界が悪い”という情報が入った途端、FIAは慎重になりすぎた。でも、前回よりはマシだった。きっと念には念を入れたんだろうけど、結果的に“本物のウェットレース”を楽しめなかったのは残念だ」「でも不思議なのは、今年のスパではスプレーがまるで霧の中を走っているみたいだった。これをどうにかしないといけないと思う」
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