メルセデスのジョージ・ラッセルは、シンガポールGPで見事なポールポジションを獲得した後、「どうやってこのパフォーマンスを引き出せたのか分からない」と驚きを隠さなかった。イギリス人ドライバーのラッセルは、マリーナ・ベイ・ストリート・サーキットで自身初のポールを記録。2回のアタックで十分なタイムを叩き出し、マックス・フェルスタッペンに0.2秒未満の差で競り勝った。チームメイトのキミ・アントネッリも4位につけ、メルセデスにとって好調な1日となった。
ラッセルにとってはFP2でウォールにヒットした後の見事な立て直しとなり、これまで高温環境で苦戦してきたチームの傾向を考えると、驚きの結果だった。「どのサーキットでポールを取れる可能性があるかって考えたら、正直ここは下から数えて3番目くらいだったと思う」とラッセルは語った。「どうやってこのパフォーマンスを見つけたのか分からない。みんな少し驚いてると思う。特にマクラーレンがここでは速いだろうと予想していたけど、そうならなかった。でも僕としてはもちろん、この結果を喜んで受け取るよ」今季ラッセルがポールを取ったのはこれで2回目。前回はモントリオールで、そのときは今季唯一の勝利も挙げている。そのときもフェルスタッペンを抑えて勝利しており、今回も日曜の決勝で隣に並ぶフェルスタッペンを相手にすることになるが、ラッセルは勝利を保証できるとは考えていない。「シンガポールはこれまで僕にとってあまり優しくない場所だった。ほとんどの場合、自分自身のミスが原因なんだけどね」と語る。「このポールポジションで浮かれすぎるつもりはない。もちろんスタートとしてはベストな場所だし、ポール側のグリップも良い。ターン1までリードを保てると信じたいけど、隣のこの男(フェルスタッペン)はスタートが得意で、インにねじ込んでくることもあるから注意しておくよ」一方、キミ・アントネッリは前戦に続き2戦連続でトップ4スタートを決めた。予選全体を通して好調な走りを見せたものの、Q1とQ2ではそれぞれトラフィックとトラックリミットの影響でタイムを記録できなかった。「Q1はまたしてもトラフィックがひどくて、結局1回しかアタックできなかった」とアントネッリは語った。「でも感触はすごく良かった。Q1でもQ2でも手応えがあったし、Q3では少なくともフロントローに行けると思っていた。でもオーバードライブしすぎて、少しプッシュしすぎてしまったんだ」「かなりタイムを失ってしまったのは残念。今日はポテンシャルが高かっただけに、悔しい結果だ」