ジョージ・ラッセルは、メルセデスF1から代役参戦した2020年のF1サヒールGPで優勝していたら、それは“あまりにおとぎ話”だったと考えており、悲痛な結果をポジティブに捉えていると語る。今シーズン、バルテリ・ボッタスに代わってメルセデスF1に移籍するジョージ・ラッセルは、2020年のF1サヒールGPで新型コロナウイルスに感染したルイス・ハミルトンの代役として1戦だけメルセデスF1から出場している。
土壇場の決断によって準備の時間がなく、ルイス・ハミルトンのために作られたコックピットに合わせるためにサイズの小さいシューズを履いて臨んだジョージ・ラッセルだが、予選では2番グリッドを獲得し、メルセデスF1のタイヤ交換ミスとその後のスローパンクチャーによって勝利のチャンスを逃すまでレースの優勝候補だった。F1サヒールGPのレース週末を振り返ったジョージ・ラッセルは、その失望から貴重な教訓を得ることができたと考えている。「僕は可能な限り完全なドライバーになりたいと思っている。20年後を振り返って 『信じられないくらい強力なキャリアだった。すべての結果には理由があり、それが僕をより強力なドライバーにした』と言いたい」とジョージ・ラッセルはCrash.netに語った。「バーレーンでのレースは、あの勝利を失うことで、僕はより強いドライバーになったと信じている。ある意味、勝っていたらあまりにおとぎ話だっただろうし、それが実現していても、その成果を評価していなかっただろう」ジョージ・ラッセルは、ウィリアムズF1で下位グリッドで3年間過ごしたことで、失望にうまく対処する方法を学んだと感じている。たとえば、2020年のF1エミリア・ロマーニャGPで初ポイント獲得を目前にして単独クラッシュを喫している。「メルセデスの経験だけでなく、他の経験もある。失望に対処し、それから立ち直ることは人生の一部であり、競技スポーツの一部だ」とジョージ・ラッセルは説明した。「チャンピオンシップは1つのレースでの勝ち負けではなく、シーズンを通して勝つものだ。常に失望するレース週末はあるし、失敗し、成功する。しかし、そうでない場合は、そういった失望から立ち直り、残りのレースのために自分自身と自分のチームに折り合いをつけるだけだ」「それらの失望を受け入れ、そこから学び、そして、同じようにそこから進んで行くだけだ」そういった学習プロセスの結果として、ジョージ・ラッセルは今、瞬間的な成功を楽しむよりもはるかに強い立場にあると信じている。「人々はキャリアを通して、人生を通して、そういった失望に直面したとき、彼らはそれに対処するのに苦労し、おそらくすぐに立ち直ることができないと思う」とジョージ・ラッセルは語る。「だからこそ、僕は何度もこのポジションにいて、回復力を高めてくれたことに感謝している。あのレース(2022年F1サヒールGP)で優勝したかったけど、それが自分のキャリアで覚えていてほしいことではない」