フランコ・コラピント F1でレースをする777人目のドライバー

2003年5月27日に首都ブエノスアイレス近郊のピラールで生まれたコラピントは、レーシングカートでキャリアを積み始め、2018年のユース夏季オリンピックのカート競技で金メダルを獲得した。その後、スペインF4に参戦。ヨーロッパでの本格的な初年度にタイトルを獲得し、2020年初頭にはニュージーランドの伝統的な「冬場の体力維持」シリーズであるトヨタ・レーシング・シリーズに参戦し、リアム・ローソンや角田裕毅といったライバルたちと戦い、1勝、8回の表彰台、ランキング3位という成績を収めた。2022年にはコラピントはFIA F3に参戦し、2シーズンを過ごして4勝を挙げた後、ウィリアムズの支援を受けてFIA F2にステップアップし、2023年初頭にアカデミーに参加した。MPモータースポーツチームの一員としてF2にフル参戦した最初のシーズンでは、イモラのスプリントレースで1勝を挙げ、スペインとオーストリアのメインラウンドでも表彰台に上った。スパでの最終レースでリタイアを喫し、96ポイントでF2シーズンを6位で終えた。コラピントは以前にもウィリアムズのF1マシンをドライブした経験があり、2023年のアブダビテスト後にデビューし、2024年のイギリスGPで週末のレースデビューを果たした。シルバーストーンではサージェントのマシンを駆ったが、今回、正式に彼の後任となった。アルゼンチン出身のF1ドライバーF1世界選手権には25人のアルゼンチン人ドライバーが参戦しているが、その多くは地元のレースにしか参加したことのないローカルレーサーだった。F1がアルゼンチンでレースを行ったのは、1998年にミハエル・シューマッハが4年間のカレンダー復帰の最終レースで優勝して以来である。しかし、アルゼンチンは象徴的なドライバーを輩出している。ファン・マヌエル・ファンジオは、1951年から1957年の間に5度の世界選手権を制し、破られることのない史上最高記録を樹立した、F1界の「倒すべき男」であった。51回のレースで24勝を挙げ、勝率は47.06％であった。これに対し、ルイス・ハミルトンの勝率は30.26％、マックス・フェルスタッペンは30.50％である。ファンジオに続き、同じくウィリアムズでレースをしたカルロス・ロイテマンが現れた。1981年にはラスベガスでの最終戦でネルソン・ピケが滑り込みでタイトルを獲得するまでは、ロイテマンがタイトルを獲得するはずであった。12勝を挙げたレーシング・ワンでのキャリアを政治家に転身する目論見で、1982年のフォークランド紛争が勃発する前に、ロイテマンは早々に引退した。その他の著名なアルゼンチン人ドライバーとしては、1951年のイギリスGPでフェラーリに初のグランプリ世界選手権をもたらしたホセ・フロイラン・ゴンザレスや、1954年のドイツGPのプラクティス中にニュルブルクリンクで命を落とした、インディ500以外のグランプリ世界選手権で初の死亡事故となったドライバー、オノフレ・マリモンなどがいる。また、コラピントは、ブラジル人のピエトロ・フィッティパルディが2020年のバーレーンでの事故の後、最終2レースでハースのロマン・グロージャンの代役を務めて以来、南米出身者として初めてF1でレースに出場したドライバーでもある。