2017年、F1マシンはワイド化され速くなったが、オーバーテイク数は前年比47%減と過去数年で最も少なかった。しかし、FIAのレースディレクターを務めるチャーリー・ホワイティングは、オーバーテイク減少の本当の理由はレギュレーション変更やF1マシンではなく、3強チームが1年を通してその他のチームと比較して群を抜いて良い仕事をしたためだと考えている。
チャーリー・ホワイティングは「メルセデス、フェラーリ、レッドブルをビッグ3チームに呼ぶとすれば、今年の最大の問題は明らかに彼らにある。彼らは残りよりも群を抜いて速かった」と New York Times にコメント。「理想を言えば、彼らのすべてがミッドフィールドと同じくらい接戦であることが望ましい。タイムで言えば、コンマ1秒が3グリッドの差になるようなね」「我々は常にフォース・インディア、ルノーなどの接戦を目にしている。レースが悪いとは思わない。とにかく他チームよりもはるかに良い仕事をしているチームがいるということだ。それはF1では真新しいことではない」「接戦が問題だとは思わないし、クルマが問題だとは思わない。我々は多くの接戦を目にしてきたが、ドライバーは今年のクルマはついていくのが少し難しかったと言っている。我々は多くのホイール・トゥ・ホイールのレースを目にしてきた。その事実を見失ってはいけない」F1ドライバーは、幅が広くなったフロントウィングとリアウィング、太いタイヤ、ダウンフォースとグリップが増加した新世代のクルマでのドライビングとレース、特により高いGがかかるコーナリングを楽しんでいる。チャーリー・ホワイティングは、新しいルールの目的は達成されたと考えている。「ルールの調整はOKだ。これはしばらくぶりの最大の変化であり、設定されていた目標はかなり達成されている。その目的とは、身体的にクルマを走らせることをよりチャレンジングにし、見た目を良くし、最速のクルマにするというものだった」「現在のマシンは高速コーナーで6Gで引っ張られるなど、非常に身体的に厳しくなっている。それはかなり良いことだと言える。ドライバーはそれらを運転することをとても気にいているし、見た目も大分良くなっている」「達成するために設定した全てのことは、トラックの種類に応じて様々な角度で行われてきた。ある程度は避けられないことだと思うが、その点で言えば全てのチェックボックスがチェックされたと感じている」