F1の統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は8日、ジャン・トッドが会長に再選し、3期目の任期を務めることを発表した。在任期間は2021年までとなる。2009年にマックス・モズレーの後任として9代目のFIA会長に就任したジャン・トッド(71歳)は、会長選で対立候補が不在で満場一致で当選が可決された。FIAの規則では4期目の就任は禁止されており、これが会長としての最後の任期となる。
ジャン・トッドは「このような世界中のサポートを得られたことを大変うれしく思う。FIAのメンバークラブ全員のサポートに感謝したい」とコメント。「これはFIAが私の指導の下で進めてきた方向性のバリデーション(妥当性確認)だと思っており、我々が過去8年間にわたって追求してきたプログラムを継続する励みになる」「モータースポーツには常にレギュレーターが必要であり、公正なプレーが求めらる。倫理観と独立した審判員、これはFIAが果たすべき重要な役割であり、将来的にこれからも継続していく」FIAは、ジャン・トッドの最終任期の公約として“イノベーション(技術革新)”“アドボカシー(地球環境問題)”“モビリティとスポーツクラブの強力なネットワークの開発”を3本柱に掲げた。「FIAが改善を続け、モビリティとモータースポーツの発展におけるリーダーとして、世界で公正な立場をとり続けていくにはイノベーションが不可欠だ」とッジャン・トッドは述べた。「これを奨励ために、我々はFIAイノベーション基金の設立を提案する。我々のクラブは各国における最大のコンシューマー団体であり、彼らの8000万人のロードユーザーメンバーがFIAを世界最大のコンシューマー団体のひとつにしている」ジャン・トッドは、世界中の交通安全を推進していくだけでなく、モビリティの改善も重要な焦点に挙げている。「これは重要だ。将来のモビリティはエキサイティングなものだが、多くの課題もある。それを形作っていくことが我々の義務だ」「我々は、自律走行車両の導入、モビリティのコスト増大、先進国における新しいテクノロジーの開発などにより、全ての主要都市における渋滞の増加に対処しなければならない」「我々は、全ての人が受け入れられる成果を確実にするために、これらの開発の方向性に影響を与えていく必要がある」「私の野心は、我々の連盟が可能な限りベストであり続けるために努力を続けていくことだ。より強く、スマートで、より安全、プロフェッショナルで、世界的に尊敬されるものであってほしい」 ジャン・トッドの最後の任期の初年度となる2018年には、F1マシンへのコックピット保護デバイス『Halo』の導入という史上最大級の変化を迎えることになる。また、2021年には新しいF1エンジンレギュレーションの導入が予定されており、FIAとリバティメディアが提案したシンプルな構造で、より大きなエンジンノイズを発生する安価なエンジンはマニュファクチャラーから大きな反発を受けている。また、シャン・トッドが会長に就任して以降提唱してきたコストキャップの実現にむけた動きも進められている。F1会長のチェイス・キャリーは、ジャン・トッドの再選を歓迎するコメントを発表。F1の変革には、FIAとの良好な関係が不可欠だと述べた。「ジャンがFIA会長に再選を果たした事ことを、F1全員を代表して心から祝福する。現在、我々は協力して仕事をしており、彼のリーダーシップと一貫性を高く評価している。今後数カ月、数年間にわたって、建設的かつ有益な関係を築ける事を楽しみにしている」