昨年、レース中のクラッシュで両脚を失ったビリー・モンガーが、オウルトン・パークで開催された英国F3選手権でレース復帰し、3位表彰台を獲得した。現在18歳のビリー・モンガーは昨年4月、ドニントン・パークで行われた英国F4選手権のレースで、静止していた別のマシンに激突。両脚の切断を余儀なくされた。
事故後、ルイス・ハミルトンやジェンソン・バトン、ニコ・ロズベルグを始めとするF1ドライバーを含め、モータースポーツ界がサポートを表明。クラウドファウンディングで寄付が募られ、85万ポンド(約1億3000万円)の支援金がビリー・モンガーに贈られた。その後、ビリー・モンガーは、レース復帰を目指してF3チームのカーリンと数週間にわたってテストを実施。右手側のパドルでアクセル、左手側のパドルでシフトチェンジ、片方の義足を使ってブレーキを踏むことができるよう特別に改良されたマシンで英国F3選手権の開幕戦でレース復帰した。予選ではポールポジションから0.548秒差の5番グリッドを獲得。決勝ではオープニングラップでポールシッターのクレマン・ノボラック(Carlin)とクリッシュナ・マハディック(Double R Racing)が接触。3番手に浮上したビリー・モンガーはポジションを守りきり、F3デビュー戦で見事3位表彰台を獲得した。「復帰戦で表彰台に上がることになるよと言われても、嘘だと言い返していただろうね」とビリー・モンガーはコメント。「僕たちには依然としてやらなければならない作業がたくさんあったし、実際にそのプロセスを進めていた」ビリー・モンガーは、ほぼ1年走っていなかったのでレースの最初の数周は“非常に激しい恐怖を感じていた”と認める。「コースに出ていくたびにどんどん良くなっていったし、そこが一番も興奮している部分かもしれない。走るたびにコントロールがついたクルマを快適に感じている」「シーズンの最初で予選5番手になれて、こんなに早い段階で3位になれたことで、シーズン終盤にむけて本当に自信に満ち溢れているし、全てのレースで表彰台を狙えるかもしれない」ビリー・モンガーは、英国F3の開幕戦しか出場が決まっていないが、残りのシーズンも戦いたいと語った。「タイトルに挑みたいし、フルシーズンを戦いたい。このチームで走りたい」とビリー・モンガーはコメント。「その時点まで自分にできることは、出来る限り自分自身をプッシュして、今の自分のようにできるだけ多くのことを学ぶことだ。すぐにレースウィナーになれたが、素晴らしいだろうね」