シャルル・ルクレールは、日曜のF1イギリスGPについて「最初の1周から最後までずっと苦しんだ」と述べ、14位という結果に終わったこの一戦を「キャリアで最も難しいレースのひとつ」と振り返った。フェラーリはF1イギリスGPの週末を好調にスタートさせ、ルイス・ハミルトンがFP1でトップ、シャルル・ルクレールが最終プラクティスで最速を記録するなど、シルバーストンでの勝利も見えるかに思われた。しかし、期待された予選では両ドライバーがQ3で小さなミスを犯し、結果的に3列目スタートに留まった。
チームはドライコンディションでの決勝を望んでいたが、実際のレースは変化する天候の中で行われ、フェラーリのパフォーマンスは失速。特にルクレールにとっては、数々のコースオフや元チームメイトのカルロス・サインツJr.との接触もあり、最終的には完走者中19位と厳しい結果に終わった。「今日は全くペースがなかった。その理由を突き止めてから家に帰りたい。何が起きていたのか、理解するために全力を尽くす」とルクレールは語り、困惑と失望をあらわにした。ルクレールは優勝したランド・ノリスから84秒遅れてフィニッシュ。このギャップは、レース中に複数回導入されたセーフティカーの影響を考えると、数字以上に深刻なものだった。平均して1周あたりマクラーレンより1秒遅れのペースだったと見られている。チームメイトのハミルトンも「ウェットでのSF-25は信じられないほど運転しづらい」と評しており、フェラーリの苦戦は明白だった。また、ルクレールは戦略判断ミスについても自身の責任を認めた。フォーメーションラップの後、ジョージ・ラッセルに続いてピットインし、ドライタイヤに交換したが、これは完全な裏目となった。「この決断には満足していないけど、僕の判断だった。第1・第2セクターはスリック向きだったけど、第3セクターは濡れていた。でもそれは分かっていたし、もっと早く乾くと思っていた。結果的にそうはならなかった。同じミスをしたドライバーは何人かいたけどね」と説明した。この日の気温は低く、風も弱かったため、路面が予想よりも乾くのが遅く、インターミディエイト勢の方が終始高いグリップを得る展開となった。さらに序盤の2度のバーチャルセーフティカー(VSC)により、ドライタイヤ勢はタイヤの温度を保てず、グリップを大きく失ってしまった。ルクレールは「キャリアで最も難しいレースだったかもしれない」とし、「最初の1周目から最後までずっとクルマをコース上に留めるのに苦しんでいた」と語った。「原因がどこにあるのか分からない。もちろんこれからデータを確認するつもりだ。自分なりに思い当たる部分もある。おそらく、いま僕が選んでいるセットアップがかなり極端なもので、それが影響しているのかもしれない」「でも、セットアップだけでここまで変わるとは信じがたい。もっと何か別の要因があると思うし、それをちゃんと調べないといけない」次戦のベルギーGPに向けてどう立て直すのかと問われると、ルクレールは「まずは今日起きたことを分析して理解することだ」と述べ、「本当にめちゃくちゃ苦しんだ」と繰り返した。ルクレールにとっては苦い週末となったが、彼はすでに原因究明に向けてファクトリーでの分析作業に取り組む姿勢を見せている。フェラーリにとっても、SF-25のパフォーマンスの浮き沈みを克服するための試練が続いている。
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