カルロス・サインツ(ウィリアムズ)は、サンパウロGPのスプリント予選でまさかの最下位20番手に沈み、「人生で最悪のエグゼキューション(実行)だった」と無線で嘆いた。セッションを通じてチームの判断とタイヤマネジメントがかみ合わず、ほとんど有効なアタックラップを記録できなかったという。サインツは走行後、「とにかく、良い予選じゃなかった」と振り返った。「最初のランはトラフィックとタイヤの温度問題でかなり乱れていた」
2回目のランでは状況をさらに悪化させてしまい、ほとんど2周も走れなかったんだ。だから結局、この予選を終えてもクルマの限界もパフォーマンスも分からずじまいだった」この日サインツは体調不良で木曜メディアデーを欠席していたが、体調は影響していなかったと強調した。「確かに100%の体調じゃないけど、FP1のペースを見れば、もし必要なら速いラップを出せたはずだよ。でも結局、自分たちの手で速いラップを走れない状況を作ってしまった。だから何ができたのか分からないんだ」サンパウロでは土曜午前に雨が予報されており、午後には雷雨の可能性もある。スプリントと本予選では風も強まり、ドライバーたちはコンディション対応が重要になる見通しだ。スプリント予選ではランド・ノリス(マクラーレン)がポールポジションを獲得し、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が2番手、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が3番手につけた。サインツは現在ドライバーズランキング11位(38ポイント)で、シーズン残り4戦となった。ウィリアムズの戦略混乱とサインツの不満スプリントフォーマットではタイヤ温度の最適化が難しく、短時間で判断を下さなければならない。ウィリアムズはこの日、アタック順やタイヤ準備のタイミングを誤り、サインツは2度の走行機会を生かせなかった。本人が「人生で最悪の実行」と評したように、チームオペレーションの迷走が結果を左右した格好だ。今後への影響と課題ウィリアムズにとって、残り4戦は来季体制を見据えた重要な局面だ。チームメイトのアレクサンダー・アルボンも一貫した結果を出せておらず、両ドライバーがポイント圏内で存在感を示すことが課題となる。サインツ自身は体調を整えたうえで、決勝と残りラウンドでの巻き返しを狙う構えだ。