FIAは10日(金)、F1ロシアGPの開催地ソチで記者会見を開き、F1日本GPで発生したジュール・ビアンキの事故の詳細を公表した。会見には、FIA会長のジャン・トッド、レースディレクターのチャーリー・ホワイティング、チーフメディカルオフィサーのジャン・シャルル・ピエット、メディカルレスキューコーディネーターのイアン・ロバーツが参加し、事故に関する質問と、事故発生後にFIAが取った手順についての質問に応じた。
会見では、鈴鹿サーキットのターン7から撮影されたCCTVのビデオ映像が流され、1周前のエイドリアン・スーティル(ザウバー)の事故、それを受けて出動した回収車に衝突したジュール・ビアンキの事故そのものが映し出された。チャーリー・ホワイティングは、悪化するコンディションの中で、エイドリアン・スーティルとジュール・ビアンキがどのようにしてマシンのコントロールを失ったのかを映像を用いて説明した。 「(ターン7に)乾き気味のラインがあった。ただし、雨脚が強まっていたため、乾き気味の走行ラインにわずかな水が忍び寄っている。これらのマシンは、その場所で若干ワイドに膨らみ、エイドリアンのケースはそこを通ってコントロールを失っていることがわかるだろう。彼はわずかに水が溜まった部分に触れただけ、この時、彼はジュール・ジュールの後方にいる。この時点で彼はわずかにコース上の水がある部分に触れてコントロールを失い、スピンした」 1周後の映像ではジュール・ビアンキがコントロールを失って回収車に衝突する場面が映し出された。「ジュールが(スーティルと)同様の状態だったことがわかるはずだ。彼も同じくわずかな水に触れたが、エイドリアンとは違ってスピンをしていない。彼はいったん修正して、わずかに異なる軌道でコースオフをしている」また、チャーリー・ホワイティングは、ダブルイエローフラッグが振られる中、他車よりもスローダウンしているマシンもあったと示しながら、将来的に対応を変更する可能性も示唆した。「多くのマシンがダブルイエローフラッグ区間を通過した。それほど減速しなかったマシンもあれば、かなり減速しているマシンもある。彼が、他者に比べてどれだけ減速していたかについての詳細を突き詰める必要はないと思う。データは十分にあり、彼は減速していた。しかし、それは程度の問題だ」 さらに、チャーリー・ホワイティングは、FIAとしてこれ以上の対応はできなかったと感じていると述べた。「当然、コース上でのアクシデントはしっかりと対応されている。マーシャルたちの対応についても、セーフティカーとメディカルカーは現場に直ちに到着しており、救出車両も適切に導入され、救急車もコースに入った」「サーキットであれ以上に優れた対応はできなかった。適切な手順であり、我々はあのような状況下で何をすべきか正確に理解している」関連:【動画】 ジュール・ビアンキ、クラッシュの瞬間