アストンマーティンF1チームのエンジニアリングディレクターであるルカ・フルバットは、ホンダとの2026年F1エンジンプロジェクトは「急速に進展している」と語った。ホンダは2025年にレッドブルとのパワーユニットコラボレーションが終了した後、アストンマーティンとワークス契約を開始し、シルバーストーンに本拠を置くチームは、翌2026年にF1の次の大規模なレギュレーション変更が実施された際に、F1のもうひとつのファクトリーチームとして活動することになる。
アストンマーティンF1チームはホンダとの関係がまだ「始まったばかり」であることを認めつつも、2026年のF1レギュレーション変更を最大限に活用するために急ピッチで作業を進めている。ホンダとレッドブルはこれまで、グリッド上で傑出したパワーユニットを生み出してきた。本田技研工業は2021年末にF1から撤退したが、2026年にHRC主体でF1復帰。アストンマーティンは、3年後にエンジンフォーミュラが変更され、電気エネルギーがより重視され、完全なサステイナブル燃料が使用されるようになったときにも同じことを望むだろう。しかし、アストンマーティンからファクトリーチームへの移行は、現在メルセデスとともに使用しているカスタマーモデルからの脱却という、彼らの進歩における重要な瞬間を告げるものでもある。F1ではOEM(Original Equipment Manufacturing)であることが重視されており、アストンマーティンF1チームはこのレギュレーション変更と多額の投資によって、将来的にタイトルへの挑戦が可能になることを期待している。そして今、アストンマーティンはホンダとのパートナーシップを「加速」させ、共にスタートを切ることを目指すと語っている。「これまではそうではなかったが、ハイブリッドパワーユニットが導入されて以来、F1世界選手権を制したのはワークスチームだけだ」とフルバットはアストンマーティンF1ちーむの公式サイトで説明している。「メルセデスから受け取るものには非常に満足しているが、部分的にマシンのアーキテクチャーに関しては、メルセデスF1チームとメルセデス・ハイパフォーマンス・パワートレインズが主導している」「我々はパワーユニット、ギアボックス、リアエンドの寸法を受け取り、彼らが提供するものを中心にクルマの設計を適応させなければならない」「2026年までには、ホンダのパワーユニットと独自のギアボックスによって、我々は自らの運命をコントロールできるようになるだろう。勝利に向けて次のステップに進みたいのであれば、それをしなければならない」「昨年5月の発表以来、非常にエキサイティングな日々を送っている。発表後すぐにホンダと最初の直接ミーティングを開始し、定期的に意見交換を行っている」「彼らにとってはまだ初期段階にありますが、2026年のエンジンは急速に開発されている。我々はアイデアを交換しており、彼らは信じられないほど前向きな反応を示している」「期限が迫っており、場合によっては動けないため、前進するにつれて協力は加速するだろう」2026年には、F1でのマシンの製造方法が大幅に変更され、空力効率がより重視されるとともに、パワーユニットがより多くの電力を生成し、持続可能な燃料が使用されることになる。レッドブルが長らくメルセデスが担っていた地位を引き継いだ昨シーズンのように、レギュレーションのリセットによってスポーツ界の序列が入れ替わることが多いため、アストンマーティンはその利益を狙うチームのうちの1つとなるだろう。しかし、フルバットは、アストンマーティン・ホンダがその時点でトップに上り詰めるには、依然としてライバルを上回るパフォーマンスを発揮する必要があると警告した。「新しいレギュレーションはすべてエキサイティングで、大きなチャンスだ」とフルバットは語る。「現在のレギュレーションでは、各チームは新しいパワーユニットを補うために空力効率の高いマシンを開発しなければならない」「困難ではあるが、どのチームも同じ状況にある。他の企業よりも良い仕事ができるかどうかは我々次第だ」