フェルナンド・アロンソは、FIA 世界耐久選手権(WEC)の開幕戦スパ6時間の勝利のためにトヨタは“安全なアプローチ”を採ることを決めていたと明かし、内容の濃い開幕戦を経験したことでル・マン24時間レースにむけての準備は整ったと語る。今年、マクラーレンでのF1参戦と並行してトヨタからWECに参戦するフェルナンド・アロンソは、中嶋一貴、セバスチャン・ブエミとともトヨタ・TS050 HYBRIDの8号車を走らせ、開幕戦で自身約5年ぶりとなる勝利を手にした。
最終スティントを担当したフェルナンド・アロンソは、レース終盤のセーティカーによって1分以上あったリードが消え、姉妹車であるトヨタ・TS050 HYBRIDの7号車をドライブするマイク・コンウェイからプレッシャーをかけられることになった。フェルナンド・アロンソは、ギアボックス問題を労わりながら、タイヤのオーバーヒートに苦しむという難しい状況に追い込まれたが、最終的にはマイク・コンウェイに1.4秒差のマージンでトップでチェッカーを受けた。レース後、フェルナンド・アロンソは、姉妹車の7号車が1周遅れでピットレーンからスタートすることを考え、トヨタは8号車に対してレースの大部分で安全なアプローチをとっていたと明かした。「パフォーマンス的に厳しいことはわかっていた。僕たちには良いアドバンテージがあったので、レースではかなりい安全なアプローチをとった。でも、セーフティカーによってそのアドバンテージは消えてしまった」とフェルナンド・アロンソはコメント。「僕たちの安全なアドバンテージは最速ではなかったかもしれないし、最後まで戦わなければならなかった。でも、チームは素晴らしかった。6時間レースは簡単なように思えるかもしれないけど、他のLMP1勢はレース序盤で速かったと思うし、僕たちは1回目のピットストップを彼らより先に実施している。そこにリスクはあった」「6時間で何が起こるかはわからないし、多くのトラッフィックやリスキーな瞬間がたくさんあった。なので、僕たちは完璧なレース運びをしたと思うし、1-2はチームにとって良い結果だ」「長い冬だったし、多くのテスト、シミュレーター作業、分析を行ってきた。チームは、このクルマ、今シーズンのこのチームに多くの作業を費やしてきた」「スパに来て、誰もが1-2を達成するのは簡単だと考えたと思うけど、土曜日に結果を出す必要がある」WECの第1印象について質問されたフェルナンド・アロンソは「間違なくチャレンジングだ」とコメント。「準備、焦点、集中という点でチャレンジングだね」「常に良い状態のままでいなければならない長いレースだ。トラフィック管理、レース自体がどのように展開し、セーフティカーが一瞬で状況をいかに変えてしまうかなど、どんなことにも準備しておく必要がある」「良いテストになったし、ル・マンのための準備はできている」フェルナンド・アロンソは、世界3大レース(F1モナコGP、インディ500、ル・マン24時間レース)での3冠をキャリアの目標に掲げている。これまで3冠を成し遂げたドライバーはグラハム・ヒルしかいない。昨年は、マクラーレン、ホンダ、アンドレッティ・オートスポーツの協力によってインディ500に参戦したアロンソは、エンジン故障によってリタイアしたものの、その週の姿勢と熱意はアメリカで多くのレースファンの心を射止めた。そして、今回のWECデビュー戦でもその走りは評価を高めている。今期のル・マン24時間レースは、6月16~17日に開催される。
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