2022年 MotoGP 第3戦アルゼンチンGPが、4月1日(金)~4月3日(日)までの2日間の日程(※)で、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの北西約1,200kmに位置する、アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンドで行われる。過去2年はコロナ禍の中で大会が中止となり、今年は3年ぶり、7回目の開催となる。テルマス・デ・リオ・オンドは、サンティアゴ・デル・エステロ州の州都サンティアゴ・デル・エステロから約65kmに位置し、温泉地として知られている。また、このサーキットからはアンデス山脈の雄大な景色を望むことができる。
アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンドが完成したのは2008年。その後、2013年に大幅な改修が行われ、同年8月には初の世界選手権となる世界ツーリングカー選手権(WTCC)が開催され、翌14年にロードレース世界選手権がこのサーキットで初めて開催された。テルマス・デ・リオ・オンドは人口2万5,000人の小さな街だが、アルゼンチンGPには大勢のファンが詰めかけ、この国の一大イベントの一つに成長し、地元の経済発展に寄与してきた。サーキットのスタンドの収容人数は約6万人。3日間合計で16万人以上を集める大会に成長し、レースウイークを通じて、常に満員のファンがスタンドを埋める大会となった。3年ぶりとなる今年は、前売りの販売も好調で、19年大会をしのぐファンが集まることが予想される。アルゼンチンGPのスタートは、ブエノスアイレス郊外のアウトドローモ・オスカル・ガルベスで1961年に初めて開催され、1999年まで断続的に計10回開催された。14年にテルマス・デ・リオ・オンドに舞台を移してから今年で7回目となり、アルゼンチンGPは通算17回目の開催となる。アウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンドは、ほぼ平坦な土地に作られた一周4.806kmのコース。メインストレートが1.076kmと長く、中高速コーナーが続くシンプルなレイアウトとなっている。同サーキットでは、過去6大会でHonda勢が4勝。マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が14年、16年、19年、カル・クラッチロー(当時LCR Honda CASTROL)が18年に優勝している。また、Honda勢が優勝できなかった15年と17年もカル・クラッチロー(ともに3位)が表彰台に立っており、同サーキットでHondaはすばらしい結果を残してきた。3年ぶりの大会となる今年は、過去3勝を挙げているマルク・マルケスが、残念ながら、前戦インドネシアGPの朝のウォームアップ走行で転倒した影響で今大会を欠場する。マルク・マルケスは、昨年のシーズン終盤戦、オフロードトレーニング中の転倒で視力障害が発生し2戦に欠場、シーズンオフは治療に努めた。今年は開幕戦カタールGPで5位。第2戦インドネシアGPでは今季初優勝が期待されたが、タイヤのパフォーマンスをうまく引き出せず、朝のウォームアップで転倒を喫し、再び、物が二重に見える症状が出たことから今大会の欠場を決めた。代役としてテストライダーのステファン・ブラドルが出場する。ブラドルは、20年から21年シーズンに掛けて、マルク・マルケスの代役として多くの大会に出場し重要な仕事をこなしてきた。さらに、20年のポルトガルGPでは7位、フランスGPで8位とテストライダーとは思えないすばらしい結果を残している。3年ぶりの開催となるテルマス・デ・リオ・オンドは、16年以来となるが、初開催となった14年にはLCR Honda MotoGPから出場し5位、16年には7位という結果を残している。今大会もマルク・マルケスの代役として大きな仕事が期待される。Hondaに移籍して初のアルゼンチンGPとなるポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、今季2度目の表彰台と初優勝を目指す。アルゼンチンGPでは、過去6大会に出場し、16年の6位をベストに確実にポイント獲得を果たしてきた。今年はウインターテストから好調で、開幕戦カタールGPでは3位表彰台を獲得、第2戦インドネシアGPでは雨のレースで12位に終わった。インドネシアGPは、ドライコンディションとなったフリー走行、予選ではタイヤのパフォーマンスを引き出せず苦戦。決勝はウエットコンディションとなり、15番手(予選16番手)という厳しいグリッドから厳しい戦いを強いられた。テルマス・デ・リオ・オンドは、Hondaと相性のいいサーキット。前戦インドネシアGPは、ウインターテストの好結果を決勝に反映できなかったが、今大会は念願の初優勝が期待される。18年からMotoGPクラスに参戦する中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、テルマス・デ・リオ・オンドで3回目の大会を迎える。デビューした18年は13位だったが、19年はそれまでの自身ベストリザルトとなる7位でフィニッシュ。過去2年はコロナ禍で走れなかったが、「好きなコース」とコメントする同地での大会で念願の初表彰台を目指す。今季は開幕戦カタールGPで10位。第2戦インドネシアGPはウエットレースに苦戦して19位という結果だったが、今大会の巻き返しに期待。MotoGPクラスで3年目のシーズンを迎えるアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、同サーキットをRC213Vで走るのは初めてとなる。初開催となった14年はMoto3クラスで2位表彰台を獲得。Moto2クラスではチャンピオンを獲得した19年に3位表彰台に立っている。アレックス・マルケスは、開幕戦カタールGPは転倒リタイア、雨となった第2戦インドネシアGPは13位という結果だった。序盤の2戦は、ウインターテストの好走を結果につなげることができなかったが、テルマス・デ・リオ・オンドは得意とするサーキットの一つだけに、今季初表彰台、初優勝を目指す。※第3戦アルゼンチンGPは、4月1日(金)に、テルマス・デ・リオ・オンドで開幕したが、前戦インドネシアGPからの機材を搭載したカーゴ便2機が機体故障のために予定通り現地に到着できず、初日のフリー走行がキャンセルとなった。グランプリを運営統括するドルナ・スポーツは、その遅れを取り戻すために全力を尽くした。当初は開幕前日の3月31日(木)に、機体故障で遅れていたカーゴ便が到着する予定だったが、最終的に4月1日深夜にテルマス・デ・リオ・オンドに近いトゥクマン空港に到着することとなり、1日に予定されていたフリー走行はすべてキャンセルとなりった。Repsol Honda TeamとLCR Hondaの両チームは予定通りに機材が到着したが、マシンやパーツが到着していないチームの準備を終えるのを待つ形で、今大会は土曜日、日曜日の2日制となった。4月2日(土)は、MotoGP、Moto2、Moto3クラスともに2度のフリー走行と予選Q1、Q2が行われる。4月3日(日)は通常通り、ウォームアップと決勝レースが行われる。また、大会前に新型コロナウイルスのPCR検査で陽性となり、今大会の欠場が発表されていたLCR Honda IDEMITSUの中上貴晶は、3月31日の再検査で...
全文を読む