トロロッソ・ホンダのダニール・クビアトが、久々の表彰台となったF1ドイツGPについて振り返った。F1ドイツGPの開幕前、ホンダF1はダニール・クビアトは2015年のハンガリーGPで彼が初めてF1の表彰台に登壇した時の話を聞いていた。もちろん、そのときはレースであのような素晴らしい結果が出る前のことだ。
ダニール・クビアトは「それが目標だし、僕の求めている結果です。そのために、僕は辛抱強く戦い続けるし、懸命に仕事にとりくんでいます。その努力が実ることを願っているよ」と答えていた。それから数日が経ち、ハンガロリンクのパドックで、クビアトに改めて話を聞いた。ドイツでの発言については、プロとしての意識以上のものがあったと語る。「僕はこんなことになると思っていなかったし、冗談を言ったんだよ!…というのは嘘です。でも、これだけは言いたかったんです。『僕らは必死に働いているんだ』と。表彰台に上りたいと思ってはいたけど、Toro Rossoはこの11年間、ずっと懸命に働いているのに、それを達成できていませんでした。2006年にチームが発足して14年。僕はその歴史の足跡を残せたことをとてもうれしく思っています。チームの全員が喜ぶのを目にすることは、とてもすばらしいことでしたし、かけがえのないことでした。」F1ハンガリーGPではダニール・クビアトは、表彰台に立った喜びに浸り続けるのではなく、新たな戦いに目を向けていた。「長い人生を考えればあれは一瞬のことだから、あまり聞かないでほしいな。貪欲にならずに、日々を生きる。この一瞬を楽しみたいんです。僕らはすでにハンガリーにいるし、ここでだれがなにを起こすのか、分からないでしょう?雨が降れば、僕らにも常にチャンスが巡ってくるけれど、僕らは常に表彰台候補というわけではありません。Red Bullならそうでしょうけど。それにしても、僕らはチャンスをよくつかめたと思います。マシンも、パワーユニットもレースで非常に競争力を持っていたので、それはすばらしいことでした」しかし、そんな彼にとっても、2015年に経験した最初の表彰台は、まさに特別だったと言える。当時、レッドブルlに所属していたクビアトは、金曜日のフリー走行をトップ3で終える。しかし、予選7番手となったことで、彼がこのレースでトロフィーを獲得できるとは思われなくなっていた。「確か、あのときは金曜日に力強い走りができていました。しかし、予選でなにかがかみ合わず、マシンにも満足していませんでした。予選でいくつかミスをして、4番手のダニエル(リカルド)に対してわずかな差で7番手になりました。当時、彼よりも速いことが普通だった僕にとって、満足いく結果ではありませんでした。土曜日こそそう思わされましたが、日曜日のレースはすばらしいものになりました」ドイツGPのように、すばらしいレースを展開しながらも、クビアトのレースウイークは、このときも順調なものではなかった。好スタートを切って、ポジションを上げても、レースの見通しはよくなかった。「僕が今再びその状況に置かれたら、優勝を目指して戦ったと思います。初めての表彰台がかかっているならなおさらです。あのレースは、特に序盤は難しい展開を強いられました。第2スティントはとてもよかったのですが、タイヤにフラットスポットを作って早めのピットインをしなくてはならず、レースに大きく影響を与えてしまいました」「5番手、6番手ぐらいを走っていたとき、いくつかアクシデントが起きて、セーフティカーが出動しました。このとき、僕のレースは息を吹き返したのです」「ニコ(ヒュルケンベルグ)がフロントウイングを失ったとき、僕は彼のすぐ後ろにいました。ニコをオーバーテイクできるぐらい近いところにいましたが、彼はストレートでとても速かったのです。その年、パワーユニットの性能差は非常に大きなものでした。メルセデス勢はストレートを飛ぶように加速するので、それを追い抜くというのは非常に困難でした」「セーフティカーの後のスティントも、かなりいいものでした。ルイス(ハミルトン)やバルテッリ(ボッタス)をオーバーテイクできたのです。最高に決まったと思える瞬間でした。あのときは、ファイナルラップの間に多くのことが頭を駆け巡りました。それを経験した今なら、前を走っていたセバスチャン(ベッテル)に追いつこうと、もっと挑戦できたでしょう」フィニッシュ時のベッテルとの差は約5秒(その後クビアトがトラックリミット違反のペナルティーを受けたためリザルト上は15秒)。クビアトは、ここまで上位に近づけるとは思いもしなかったと振り返る。「セーフティカーが入るまで、僕は表彰台争いからかけ離れていました。セーフティカーが入った瞬間、レースがカチッとかみ合ったんです。相手のマシンとの距離が縮まり、プッシュしようとか、攻めてみようというやる気が生まれました。近づく相手だけを見据えて、攻め続けました。とても楽しい時間でしたね」「ある意味、この瞬間のために何年も努力を続けていたように感じました。でも、それは人生の1ページに過ぎず、また次の目標に目を向けなくてはなりません。今度は勝ちたくなってくるんです。最初に表彰台に上ったときは、こんなものなんだなとクールな感情でしたね」「フィニッシュラインを越えた瞬間、自分の成し遂げたことについて考えると、とても素晴らしいと思えたし、大きな安心感がありました。」初めての表彰台、レース後の動きはいつもと異なる。しかし、クビアトは、逃した目標、すなわち優勝できなかったことが、少しだけ緊張を楽にしてくれたと話す。「テレビでよく見る表彰台の光景はほんの一部のことです。当事者としては素晴らしい気分に浸ることができます。改めて自分の成し遂げたことを振り返り、ホッとしたような気持になりました」「でも、セバスチャン(ベッテル)が持つ最年少表彰台記録を、数週間の差で逃したのには、少しだけがっかりしました。記録については知っていたし、目標でもありました。達成したかったのですが、ほんの数週間だけ遅かったんです」ダニール・クビアトは、失敗をよく分析し、考えることがあると語る。それは、絶えず改善のために努力するというホンダの哲学にも通じるものがある。彼は、ホッケンハイムでの表彰台は、ハンガリーで経験した初めての表彰台のときよりも人間的に丸くなった結果だと考えている。「あの頃にくらべると、精神的に少しタフなったと...
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