2028年から自社製パワーユニット投入を目指すキャデラックF1が、F1で勢いを増しているV8エンジン復活論を歓迎していることを明らかにした。2026年から導入された新世代パワーユニットは電動出力への依存度が高く、多くのドライバーからエネルギーマネジメントの複雑さや走行特性への不満が出ている。こうした状況を受け、FIAやF1首脳陣の間では、よりシンプルなエンジン規則への回帰を求める声が強まっている。
キャデラックF1にとって追い風となるV8構想その議論を歓迎しているのが、2026年からF1参戦を開始したキャデラックF1の親会社であるゼネラルモーターズ(GM)だ。GMのマーク・ロイス社長は、デトロイトで開催されたインディカー戦の場で、将来的なV8レギュレーションへの支持を表明した。「我々はV8エンジンの作り方を知っている」「GTPやGTDプロで長い歴史があるし、それらのエンジンはここミシガン州で製造している」「F1でこのような機会が議論されていることを非常に嬉しく思っている」一方でロイスは、現在進行中のF1パワーユニット開発計画に変更はないと強調した。「2028年投入予定の2.4リッターV6ツインターボの開発をさらに進めている」「それが変わるとは思わない。我々はすでに大きな投資を行ってきたし、それは素晴らしいプロジェクトだからだ」キャデラックF1は当初から単なるフェラーリ製パワーユニットのカスタマーチームではなく、将来的にワークスメーカーとなることを条件にF1参戦を認められている。GMはすでにノースカロライナ州にF1エンジン部門を設立し、ベテランエンジニアのラス・オブレネスを責任者に据えている。自社ユニットの供給開始前からエンジンメーカー会議にも参加しており、本格参戦への準備を進めている。そのため、もし将来的によりシンプルなV8規則へ移行すれば、キャデラックF1がフルワークスメーカーとして参入するハードルは大きく下がることになる。ドメニカリが描くF1の未来像V8復活論を強く後押ししているのがF1のステファノ・ドメニカリCEOだ。ドメニカリはフランス紙『レキップ』の取材で、持続可能燃料を活用した内燃機関中心の将来像を語った。「個人的には、グリーン燃料が中心的な役割を果たす未来を思い描いている」「電動部分との現在のバランスを変え、内燃機関を再び主役に戻すことができる」「それこそがモータースポーツの基盤だ」ドメニカリは、こうした方向転換によって現在のマシンが抱える重量問題の解決にもつながると考えている。「マシン全体の重量を大幅に削減する機会になる」「より俊敏でコンパクトなマシンを取り戻し、限界まで攻められるクルマに戻すことができる」さらに、長年のF1ファンからも支持を得られるとの見方を示した。「この進化は、伝統的なファンたちを喜ばせると確信している」2030年頃の大転換は現実味を帯びるかV8復活構想は、以前までは一部関係者の理想論として扱われていた。しかし現在は状況が変わりつつある。FIA会長のモハメド・ビン・スライエムも2030年から2031年頃を目標に、より軽量でシンプルかつ迫力のあるパワーユニットへの回帰を支持している。F1は2026年レギュレーション導入からわずか数か月で、その次の世代のエンジン像を巡る議論を本格化させている。ドメニカリ、FIA、そして新規参入するキャデラックF1までが同じ方向を向き始めたことで、V8復活構想はこれまでになく現実味を帯びつつある。