マクラーレン・ホンダの2017年の舞台裏を追いかけたドキュメンタリー「GRAND PRIX Driver」では、2017年のF1プレシーズンテストでのフェルナンド・アロンソ離脱の危機やマクラーレンが崩壊寸前の状況であったことが赤裸々に伝えられている。マイケル・ダグラスがナレーションを務め、BAFTAの受賞者であるマニシュ・パンディが制作を手掛けた「GRAND PRIX Driver」はAmazon Primeビデオで2018年2月9日から配信開始される。
全4回にわたるドキュメンタリーでは、マクラーレン・ホンダの2017年の厳しいシーズンが克明に記録され、特にホンダのF1パワーユニットにトラブルが多発したバルセロナのプレシーズンテストでの危機的な状況が伝えられている。実際、バルセロナのプレシーズンテストが、マクラーレンがホンダとの決別を決意した瞬間であることが後に語られている。テスト後、マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエとCOOのジョナサン・ニールとの会話は、マクラーレンの状況がいかに危機的だったかを物語っている。エリック・ブーリエは、夕食の場でフェルナンド・アロンソが離脱を宣言していると語った。「彼は『じゃあね』と言うだろう。彼は残らない。彼は残らないと100%確信している。テストを終えフェルナンドはかなり怒っている」とエリック・ブーリエは語っている。「彼はレースに対する自分の立場を再考していえると明言している。このような1年をもう一年過ごすつもりはないとね」「現時点での私の一番の懸念はチームが崩壊することではない。F1チームを作っていくには数年かかるが、6ヵ月で死ぬことができる」ジョナサン・ニールは、チームスタッフのブリーフィングで、初テストでのホンダのパフォーマンスを“ショック”だと語っている。「一戦を越えてしまった。我々は終わった。何が起こるかを信じるという実験は終わった」「我々は新しい道、新しいプランを見つける必要がある。マクラーレンは今シーズンにうまくいくことはない」「本当に酷い(s***)エンジンだ」カメラは、マクラーレンのウォーキングのファクトリーにも潜入。マシン開発の遅れや、ホンダのエンジンの搭載がMCL32にとっていかに厄介なものであるかなど、直面していた課題が強調されている」フェルナンド・アロンソがホンダのエンジンをいかに受け入れがたいと思っているかはバルセロナテストでの無線やチームとの会話で明らかになっている。「このような走行はあまりに危険だ。リアのバランスは酷い。ドライバビリティはまったく駄目だ。このようなテストはやっていけない」「本当に酷いエンジンだ。酷いパワーユニットだ」マニシュ・パンディは、事態が悪化するマクラーレンにアクセスできたことは特権だったと語る。「マクラーレンの歴史で最も難しいシーズンだったことは秘密ではない。彼らが我々にドアを閉めることは簡単なことだったはずだ」とマニシュ・パンディはコメント。「だが、チームはPrimeのメンバーが、現在のF1の驚異的な複雑さ、全ての競技者が陥ることであることを理解してくれると信頼していた。偉大なチャンピオンだけが再び立ち上がり、戦い、勝つということ、そして、マクラーレンとホンダが偉大なチャンピオンであるということをね」