元F1ドライバーのジョニー・ハーバートが、角田裕毅のレッドブルでの将来に警鐘を鳴らした。ハーバートは、角田の走りが依然として“全てがかみ合っていない”と指摘し、2026年にはフランスの若手アイザック・ハジャーがフェルスタッペンの新たなチームメイトとして昇格する可能性が高いと見ている。セルジオ・ペレスの解雇以降、レッドブルは安定したセカンドドライバーを見つけられずにいる。リアム・ローソンはわずか2戦でレーシングブルズに戻され、角田裕毅もフェルスタッペンに後れを取る場面が続いた。
ハーバートは「裕毅はまだ完全に噛み合っていない」と述べ、その実力が十分に発揮されていないと分析した。「シンガポールでは接近していた? 確かにそうだ。でもあれはコース特性によるものだろう。彼が次のレベルへ引き上げたとは言い難い。改善はしているけれど、十分ではない。彼について誰も話題にしなくなっている」とハーバートは語った。ハジャーへの注目とレッドブル昇格の可能性ハーバートが「今もっとも話題を集めているのはハジャーだ」と語るように、レーシングブルズのルーキーであるアイザック・ハジャーはその存在感を急速に高めている。彼は初めての舞台でも結果を出し、レッドブル首脳陣からも強い関心を寄せられている。「彼はレーシングブルズでの初年度にして確実に成果を上げている。角田の代わりにレッドブルへ昇格する可能性は十分ある」とハーバートは強調した。ただし、ハーバートは早すぎる昇格には慎重な姿勢を示す。「彼にはもう1年与えてほしい。十分な経験を積む前にビッグチームへ引き上げると、たいていは失敗に終わる。レッドブルは戦略を見直して、彼が精神的にも成熟する時間を与えるべきだ」環境の違いとプレッシャーの大きさハーバートは、ハジャーが現在のレーシングブルズで築いている環境と、トップチームでの重圧の違いを強調した。「レーシングブルズのような小規模チームとレッドブルのようなトップチームでは、期待値がまったく違う。ビッグチームに移ればプレッシャーは何千倍にもなるだろう」ハジャーはその環境の中で急速に成長しており、フェルナンド・アロンソに「怒らないで」と声をかけたエピソードも話題となった。ハーバートは「彼はチーム内でも、マルコやレッドブルからも信頼されている。正しいことをすべてやっているが、焦る必要はない」と評価した。角田裕毅とローソンの厳しい現実角田裕毅とリアム・ローソンは、マックス・フェルスタッペンが数年かけて自らのスタイルに仕上げたRB21という極めて特殊なマシンを扱うことを強いられている。彼らが乗るのは、すでにフェルスタッペン仕様に進化したマシンであり、同じ土俵で比較されるのは酷だ。2026年に投入される新型RB22は一からの開発となり、全ドライバーがゼロベースで挑むことになる。その意味で、ハジャーにとっては理想的な昇格タイミングとなる可能性がある。フォードとの提携で再出発を迎えるレッドブルにとって、若手育成と新時代の布陣づくりは重要なテーマだ。ハーバートは「ハジャーの昇格は時間の問題」とし、角田のレッドブル残留を厳しいと見ている。一方で、角田裕毅の去就については、ホンダの支援を受けるアストンマーティンのリザーブドライバー就任という選択肢も浮上している。分析:角田の評価低下とハジャー昇格の現実味ハーバートの発言は、単なる意見ではなく、今のパドックの空気を正確に映している。角田裕毅は確かに成長しているが、フェルスタッペンという絶対的基準に照らせば“伸び悩み”と見られても仕方がない。一方でハジャーは勢いがあり、マルコやメキースが高く評価しているのも事実だ。2026年の新レギュレーションとフォードとの提携で、レッドブルはチーム構成を再編する絶好の機会を迎える。角田が生き残るには、今後数戦で結果と存在感を示すしかない。それができなければ、“ハジャー昇格”というシナリオが現実となる可能性は高い。Source: BettingLounge