レッドブル・レーシングの角田裕毅を巡る2026年以降の去就問題で、チーム内部に意見の食い違いが生じているとの報道が浮上した。アドバイザーのヘルムート・マルコはアイザック・ハジャーを強く推す一方で、チーム代表ローラン・メキースは「決定は白紙」と強調している。アゼルバイジャンGPで6位入賞を果たした角田裕毅は評価を高めつつあるが、ライバルであるレーシングブルズ勢が前を走る状況も続いており、残留の可能性は不透明なまま。
首脳陣の対立説が浮上する中、角田裕毅のF1キャリアは重要な分岐点を迎えている。シーズン開幕時、セルジオ・ペレスの後任を探す際にレッドブルから見送られた角田裕毅が、どう反応するかに誰もが注目していた。経験がはるかに浅いにもかかわらず、レッドブルはリアム・ローソンを昇格させたが、彼がマックス・フェルスタッペンのチームメイトとしての要求に苦戦したため、わずか2レースでその決定を覆した。こうして、F1グリッドで迎える5年目のシーズン序盤に、角田裕毅はついに鈴鹿で母国グランプリにおいてレッドブルデビューを果たした。しかし、その後数カ月は角田裕毅にとって厳しいものとなり、角田裕毅のF1での将来が危ういとの示唆も出ている。アゼルバイジャンGPでの6位フィニッシュは、リアム・ローソンが5位、アイザック・ハジャーが数週間前のザントフォールトで初表彰台を獲得した直後だっただけに、絶好のタイミングであり大きな意味を持った。角田裕毅とリアム・ローソンがレーシングブルズのシートを争っているとの憶測もあり、アービッド・リンドブラッドが今冬にF2からステップアップする可能性も取り沙汰されている。しかし現在、来年以降のフェルスタッペンのチームメイトについては、レッドブル代表ローラン・メキースとアドバイザーのヘルムート・マルコの間で計画が異なるようだ。ローラン・メキース「角田裕毅の決定は“完全に白紙”」 ヘルムート・マルコはアイザック・ハジャーを推す記者マット・マジェンディーは、バクー後にポッドキャスト「The Inside Track」で角田裕毅の難題について議論した。「彼はP5を取れていたかもしれないし、取るべきだったかもしれない。P6には満足しているだろう。しかしレースを振り返れば、P5で終えるべきだった可能性がある」と彼は説明。「とはいえ週末を終えてみれば、P6という素晴らしい結果でまたポイントを獲得した。それは大きいことだ。ただ残念ながら、彼の前にレーシングブルズがいる。それが問題だ」「レーシングブルズが前にいることは完璧な見映えではない。しかし彼らは彼のペースに非常に満足していた。そして面白いのは、マルコが舞台裏でほのめかしていることだ。ハジャーの契約は既に決まっているように思える」「一方でメキースは、まったくそうではない、まだ完全に白紙だと語っている。我々には3つのシートが空いており、検討しているドライバーは誰なのかは周知の通りだ。公式見解としては何も決まっていない、来季に向けて契約はまだ一切結ばれていない、ということだ」バクーでのベストリザルトに対するヘルムート・マルコの反応アゼルバイジャンGPの週末、メキースはマルコが2026年のレーシングブルズのラインアップを担当していることを示唆した。これは以前ならクリスチャン・ホーナーが意見を持っていたであろう事柄だ。職務分担の変化はホーナー退任後のレッドブル内部の変化を浮き彫りにするものであり、マルコの立場が以前より強くなっていることを意味している。もしアイザック・ハジャーがレッドブルで走ることになるなら、角田裕毅が6シーズン目もグリッドに残る唯一の道は、レーシングブルズへの移籍を受け入れることのようだ。マルコはバクーでの角田裕毅の走りに舞台裏で満足しており、角田裕毅はこれまで以上に週末を通じて多くのフィードバックや指導を受けていた。フェルスタッペンの過去のチームメイトたちが直面した苦難は、2026年の新レギュレーション導入により問題にならない可能性もある。しかし、それでも来年に向けてレッドブルがどのドライバーを起用するかという決断が容易になるわけではない。