FIAとACO WEC共同運営を2037年まで延長 10年契約で分裂説を一蹴
FIA(国際自動車連盟)とACO(フランス西部自動車クラブ)は、FIA世界耐久選手権(WEC)を共同で運営・プロモーションする契約を10年間延長すると発表した。これにより、両組織のパートナーシップは2037年シーズン終了まで継続される。
今回の長期契約は、モータースポーツ統括団体であるFIAと、ル・マン24時間レースを主催するACOの関係をさらに強化するものだ。直近では両者の関係悪化や将来的な分裂の可能性も報じられていたが、新たな10年契約によってWECの長期的な運営体制が明確になった。
分裂説浮上から一転して10年の長期契約
今回の発表は、ドイツの『Auto Motor und Sport』が数週間前、FIAとACOの間に緊張が生じていると報じたことを受けたものでもある。同メディアは、両組織が2027年にも別々の道を歩む可能性があると伝えていた。
これに対してFIAとACOはすぐに説明を発表。既存の契約が終了するのは報道された2026年末ではなく、2027年シーズン終了後であると指摘していた。
そして今回、新たな契約が正式に発表され、現在の協力関係がさらに10年間延長されることになった。
FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは、今回の合意について次のように語った。
「これは単なる合意ではない。今後何年にもわたってFIA世界耐久選手権の未来を確保する、レースにとって極めて重要な前進だ」
「これは未来のために構築された契約であり、世紀の契約だ。120年以上にわたるFIAとACOの関係をさらに強化し、この選手権が今後10年間に記録的な成長を遂げるための基盤を築くものだ。それによってファン、ドライバー、チーム、メーカーに真の利益をもたらすことになる」
「耐久レースの黄金時代をもたらすことに貢献してきたこの協力関係の一端を担えたことを光栄に思う。ピエール・フィヨン会長と彼のチームとともに仕事を続け、この勢いをさらに発展させ、より強固な未来を築いていくことを楽しみにしている」

ACO「信頼と共通の野心に基づくパートナーシップ」
ACO会長のピエール・フィヨンも、FIAとの長期契約を歓迎した。
「FIAとACOの契約が延長され、2012年のFIA世界耐久選手権創設以来、その中心にあった強力かつ長年にわたる関係がさらに強化されることをうれしく思う」
「このパートナーシップは、信頼、共通の野心、そして耐久レースの発展に対する共通のコミットメントの上に築かれてきた」
「FIAとACOはともに、この選手権の継続的な成功と国際的な成長に向けた強固な基盤を築いてきた。この素晴らしい協力関係の次の章を書いていくことを楽しみにしている。最後に、モハメド・ビン・スライエムFIA会長との間に築くことができた素晴らしい関係に感謝したい」
FIAとACOは共同声明のなかで、今回の契約延長について「パートナーシップを拡大し、商業的成功を推進するという共通の野心を確実なものにする」と説明している。
ハイパーカーのホモロゲーション体制も合理化
新たな契約が発効すると、すべてのレギュレーション策定プロセスはFIAワーキンググループおよびFIA耐久選手権の枠組みのもとで監督され、最終的な決定については世界モータースポーツ評議会(WMSC)が承認することになる。
また、FIAとACOは、新たに合理化されたプロセスのもと、ハイパーカークラスに参戦するすべての車両のホモロゲーションについても共同で監督する。
さらに今回の契約では、FIAのサーキットにおけるブランディングも強化される。パルクフェルメや表彰台、セーフティカーなどでFIAの露出が増えるほか、テレビ中継においてもFIAの存在感がこれまで以上に高められる予定だ。
一時はFIAとACOの関係悪化によってWECの運営体制が変わる可能性まで取り沙汰されたが、今回の10年契約によって両者は2037年まで共同歩調を取ることを明確にした。ハイパーカー時代を迎えてメーカー参戦が活発化するWECにとって、長期的な運営基盤を確保する重要な合意となる。











