WEC富士6時間:トヨタが劇的な母国優勝 平川亮がアルピーヌを0.591秒差で抑える
FIA世界耐久選手権(WEC)の富士6時間レースで、トヨタが終盤の戦略勝負を制して劇的な母国優勝を飾った。8号車トヨタTR010ハイブリッドを駆る平川亮が、アルピーヌのビクター・マルタンスをわずか0.591秒差で抑え切った。
レースの大半ではアルピーヌが優勢に進め、1-2フィニッシュも視野に入れていた。しかし、残り1時間を切って発生した大クラッシュとセーフティカーが流れを一変。トヨタは最後のピットストップで大胆な戦略を採用し、6番手から一気に首位へ浮上した。
トヨタ8号車が終盤の戦略勝負で首位浮上
平川亮、ブレンドン・ハートレー、セバスチャン・ブエミがドライブする8号車トヨタTR010ハイブリッドは、4回目にして最後となったセーフティカー後のピットストップで勝負に出た。
きっかけとなったのは、残り58分で発生したガレージ59のマクラーレン720S GT3 Evoの大クラッシュだった。
フィン・ゲールジッツは、スタート/フィニッシュストレートでハート・オブ・レーシング・チームのアストンマーティン・ヴァンテージGT3 Evoを駆るマッティア・ドルディと並走中に接触。マクラーレンは左側のバリアに正面から激突した。
ゲールジッツは自力でマシンを降りた一方、ドルディのアストンマーティンは左リアタイヤが剥離。事故処理には長い時間を要した。
ピットレーンがオープンすると、ほぼ全車が一斉にピットイン。このタイミングで8号車トヨタと15号車BMW MハイブリッドV8は、トラックポジションを優先するため給油量を抑える戦略を選択した。仮想エネルギータンクへの充填率はトヨタが72%、BMWが76%だった。
この戦略によって、8号車トヨタは6番手から一気にトップへ浮上した。
マルタンスが猛追 平川亮との一騎打ちへ
一方、それまでトップを走っていた36号車アルピーヌA424のビクター・マルタンスは5番手まで後退した。
残り20分でレースが再開されると、マルタンスは猛追を開始。009号車アストンマーティン・ヴァルキリーのマルコ・ソーレンセン、さらにシャルル・ミレッシが駆る姉妹車35号車アルピーヌを次々と攻略し、3番手まで順位を戻した。
15号車BMWのドリス・ヴァントールを抜くのには苦戦したものの、マルタンスはターン14という珍しい場所でオーバーテイクに成功。しかし、その時点で首位の平川亮には2.6秒のリードがあった。
そこから両者はLMGT3車両をかわしながら激しい追走劇を展開。トラフィックの中で平川亮のリードは急速に縮まり、勝負は最終盤までもつれ込んだ。
それでもクリアエアに入ると平川亮はペースを維持。マルタンスを最後まで抑え込み、わずか0.591秒差でチェッカーフラッグを受けた。

トヨタが2023年以来の富士制覇
これにより平川亮、ブレンドン・ハートレー、セバスチャン・ブエミの8号車トヨタが優勝。トヨタにとって富士での勝利は2023年以来となり、2026年シーズン3勝目を母国で飾った。
ジュール・グーノンとビクター・マルタンスの36号車アルピーヌは、レースの大半を支配しながらも2位。最後はわずか0.591秒届かなかった。
3位にはドリス・ヴァントール、ケビン・マグヌッセン、ラファエレ・マルチェッロの15号車BMWが入り、表彰台を獲得した。
レース中盤にトップを走る場面もあったシャルル・ミレッシとフェルディナント・ハプスブルクの35号車アルピーヌは4位。ジャック・エイトケン、セバスチャン・ブルデー、アール・バンバーが組むキャデラック・ハーツ・チームJOTAの38号車が5位に入った。
終盤までアルピーヌ優勢と思われた富士6時間だったが、最後のセーフティカーを利用したトヨタの戦略が勝敗を決定。平川亮がマルタンスの猛追を退け、トヨタに劇的なホームレース勝利をもたらした。











