トヨタ エステバン・オコンのWEC加入説を完全否定「2027年のラインアップは100%埋まっている」
ハースF1を2026年限りで離れることが決まったエステバン・オコンについて、トヨタが2027年のFIA世界耐久選手権(WEC)で起用するとの噂を明確に否定した。トヨタのアドバイザーを務めるアレクサンダー・ブルツは「噂には何の根拠もない」と述べ、来季のドライバーラインアップはすでに完全に固まっていると説明した。
オコンは今季限りでハースF1を離脱することが正式に決定。アストンマーティンもフェルナンド・アロンソとランス・ストロールの2027年残留を発表しており、F1での選択肢が限られるなか、ハースと技術提携関係にあるトヨタを通じてWECへ転向する可能性が取り沙汰されていた。
しかし、ブルツはFormel1.deのYouTubeチャンネルで、その可能性を明確に否定した。
「そうではない。噂には何の根拠もない」
ブルツによると、トヨタはル・マン24時間レースを含むWECプログラムについて、かなり先を見据えてドライバー体制を構築しており、現在の6人を変更する計画はないという。
トヨタが重視する6人の「調和」
現在トヨタは、7号車をマイク・コンウェイ、ニック・デ・フリーズ、小林可夢偉、8号車をセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮がドライブしている。
ブルツは、WECでは速さだけでドライバーを入れ替えられるわけではないと説明。1台を3人で共有する耐久レースでは、それぞれが能力を最大限に発揮できる関係を築くまでに時間が必要だと強調した。
「3人の強い個性を持ったドライバーを1台に乗せれば、互いを受け入れ、適切なセットアップや仕事の進め方を見つけるまでには時間がかかる」
「重要なのは、チーム内で互いに競い合うのではなく、互いの力を引き出せるところまで持っていくことだ」
そして、その関係性こそがトヨタのWEC活動における強みのひとつだとブルツは語る。
「それがトヨタの強みのひとつだ。我々にはチームとしての構造と文化がある。それを一夜にして変えることはできない」
「2012年から築いてきた文化を危険にさらす」
ブルツはさらに、現在のドライバーたちとは長期契約を結んでいることに加え、外部から新たなドライバーを加えることによって、長年築いてきたチーム内のバランスが崩れる可能性を指摘した。
「まず、我々には長期契約がある。そして外部から別のドライバーを連れてきて、簡単にラインアップへ組み込めるわけではない」
「そんなことをすれば、2012年から我々が築き、育ててきた文化そのものを危険にさらすことになる」
「その文化を維持することは、アドバイザーとして、そしてドライバーたちと密接に仕事をする立場として、私の重要な仕事のひとつだ」
そのうえでブルツは、2027年について決定的な言葉を口にした。
「どう見ても契約は長期だ。来年のラインアップは100%埋まっている」

平川亮がF1移籍なら状況に変化も
一方で、トヨタの2027年WEC体制にはひとつ不確定要素もある。平川亮が、オコンの後任としてハースF1の候補に挙がっているためだ。
Motorsport.comによれば、平川がハースへ移籍した場合、トヨタは育成ドライバーのエステバン・マッソンをハイパーカーへ昇格させることを検討している。トヨタのテクニカルディレクター、デビッド・フルーリーも、平川の後任としてマッソンを起用することは「論理的な選択」になるとの見方を示している。
つまり、仮に平川がWECを離れることになったとしても、その空席をオコンで埋めるという構想ではなく、トヨタ内部からマッソンを昇格させることが基本線となっている。
ハース離脱後の去就が注目されるオコンだが、少なくとも現時点でトヨタのWECプログラムが2027年の新天地になる可能性は、トヨタ側から明確に否定された形だ。











