BWTが2027年F1新パートナー探しも「ピンク」が交渉の壁
アルピーヌは2027年F1シーズンからタイトルスポンサーを変更する。現在の主要スポンサーであるBWTに代わってグッチがその座に就くことになり、特徴的なピンクのカラーリングで知られるBWTは、新たなパートナー探しを進めている。
イタリアの高級ブランドであるグッチは、マシンにロゴを大きく掲出するだけでなく、フランスのワークスチームのイメージを大きく変える計画だ。
タイトルスポンサーとして正式なチーム名称とロゴにも組み込まれ、2027年からは「Gucci Racing Alpine Formula One Team」として参戦する。
アルピーヌとのBWT時代が終了へ
これにより、現在のタイトルスポンサーであるBWTがアルピーヌに残る余地は事実上なくなる。
オーストリアの水処理企業BWTは、欧州モータースポーツ界でも有数のスポンサーとして知られている。アンドレアス・ヴァイセンバッハCEOが率いる企業グループは年間10億ユーロを超える売上高を誇り、これまで数多くのカテゴリーでBWTのロゴをマシンに掲出してきた。
特に印象的なのが、ブルーのロゴと鮮やかなピンクを組み合わせたカラーリングだ。
F1ファンにとっては、2019年と2020年のレーシングポイントの「ピンクパンサー」が代表的な存在だろう。その後、レーシングポイントはアストンマーティンとなり、マシンカラーも伝統的なブリティッシュ・レーシング・グリーンへと変更された。
BWTは2022年からアルピーヌと提携。当初は一部のF1グランプリでマシン全体をピンクに染めるカラーリングを採用し、その後はアルピーヌ伝統のブルーとBWTのピンクを組み合わせたデザインが定着した。
しかし、2027年からグッチがタイトルスポンサーに就任することで、アルピーヌとBWTのパートナーシップは終了に向かうことになる。
BWTがF1パドックで新たな提携先を模索
BWT側は巨額のスポンサー料を投じる以上、単なるロゴ掲出だけではなく、チームの主要パートナーとして大きな存在感を示すことを望んでいる。
だが、アルピーヌではそのポジションをグッチが占めることになる。そのためBWTはすでにF1パドックで新たな提携候補を探しているという。
ただし、状況は以前とは大きく異なる。
近年のF1人気の世界的な高まりによって、多くの新規スポンサーが参入。現在、タイトルスポンサーを持たないチームはキャデラックだけだという。
一方、新規参戦チームであるキャデラックは今季、競争力という面ではまだ上位勢との差を縮めている段階にある。テレビ中継でマシンが大きく映る機会も限られており、BWTが求めるスポンサー露出との兼ね合いが課題になる。

「ピンクのマシン」が交渉の障害に
さらにBWTの新パートナー探しを難しくしているのが、同社が重視するピンクのカラーリングだ。
通常、F1チームが資金力のあるスポンサーからの申し出を断るケースは多くない。しかしBWTは、スポンサー契約に際してマシンに特徴的なピンクを大きく取り入れることを求めてきた。
この条件が一部のチームにとって障害になっているという。ほかのスポンサーにとっても、強烈なピンクのカラーリングによって自社ブランドの存在感が薄れる懸念がある。
マクラーレンCEOのザク・ブラウンも数年前、auto motor und sportからBWTとの可能性について質問された際、明確に否定していた。
「どれだけ金を積まれても、我々のマシンをピンクに塗ることはない」
より規模の小さいチームとの交渉も簡単ではない。
ハースは現在も、F1のコスト上限までの資金的なギャップを埋めることのできる大口スポンサーを探している。しかし、チーム側はピンクのカラーリングを採用する考えがないことを明確にしている。
小松礼雄チーム代表は次のように語った。
「来年、我々がピンクで走ることはありません」
チームオーナーのジーン・ハースも以前から、BWTとの契約に伴うピンクのカラーリングには否定的な姿勢を示してきたという。
2027年にピンクのF1マシンは残るのか
現状では、BWTがF1で従来と同規模のタイトルスポンサー契約をすぐに確保するのは難しい状況にある。
そのため当面は、より小規模なスポンサー契約でF1への関与を継続しながら、将来的に主要スポンサーとして参画できる機会を待つことも選択肢になる。
F1チームがスポンサー獲得に苦労していた時代に参入したBWTだが、現在はF1人気の上昇によってチーム側がスポンサーを選べる環境へと変化した。
2027年からアルピーヌのタイトルスポンサーはグッチとなる。BWTは現在、単にロゴを掲出するだけではなく、同社を象徴するピンクのカラーリングまで受け入れる新たなF1パートナーを探している。





