F1アゼルバイジャンGP 予選詳報:ラッセルが0.837秒の大差で圧巻ポール
2026年F1第15戦アゼルバイジャンGPの予選が9月25日(金)、バクー市街地サーキットで行われ、ジョージ・ラッセル(メルセデス)が今季5回目のポールポジションを獲得した。
ラッセルはQ3で走るたびにタイムを縮め、最後は1分42秒526を記録。2番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)に0.837秒という大差をつけた。一方、選手権首位のチームメイト、キミ・アントネッリはQ1でウォールに接触してマシンを損傷。Q2進出タイムを残しながら走行できず、16番手で予選を終える波乱となった。
Q1:アントネッリがウォールに接触 予選続行不能
予選はF2でのアクシデント後のコース確認により、予定からわずかに遅れてスタートした。気温が下がるなか、多くのドライバーがソフトタイヤで2周のウォームアップを行い、タイヤを仕上げてからアタックに入った。
序盤はマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)が1分45秒168をマークしたが、アイザック・ハジャーが0.466秒上回ってトップへ。ルイス・ハミルトンも2番手につけ、上位勢は僅差の戦いとなった。
しかし、残り約8分で大きな波乱が起きる。アントネッリがアタック中にウォールへ接触。フロントタイヤを損傷してターン7付近でマシンを止めた。
アントネッリは「ターンインしたら前のラップよりもフロントがかなり入ってしまって、ウォールに触れてしまった。僕のミスだし、本当に不必要だった。自分自身にすごく腹が立っている」と振り返った。
メルセデスによれば、マシンにはトラックロッドを含むダメージがあり、その場で修復してセッションへ戻ることは不可能だった。それでもアントネッリが記録していたタイムはQ1突破に十分で、形式上はQ2へ進出。ただしQ2を走ることができず、予選16番手が確定した。
終盤にはラッセルが1分44秒台までタイムを縮めてトップへ。フェルスタッペン、ハジャーらが続いた。
一方、大型アップデートを投入したアウディは苦戦。ガブリエル・ボルトレトが17番手、ニコ・ヒュルケンベルグが18番手となり、2台そろってQ1敗退となった。
フェルナンド・アロンソは19番手。セルジオ・ペレス、ランス・ストロール、バルテリ・ボッタスもここで姿を消した。アストンマーティン・ホンダのアロンソとストロールは追加のパワーユニットコンポーネント投入によるグリッド降格も抱えている。
Rewind to Antonelli's moment at Turn 1 that ended his qualifying#F1 #AzerbaijanGP pic.twitter.com/3Nee1nEO7D
— Formula 1 (@F1) September 25, 2026
Q2:ラッセルが速さを示す レーシングブルズ2台が敗退
Q2ではアントネッリを除く15台がコースイン。各車は新品ソフトタイヤを投入し、スリップストリームの使い方も重要な要素となった。
最初の本格的なアタックではランド・ノリスが1分44秒020を記録したが、ルクレール、そしてラッセルが相次いで上回る。ラッセルはルクレールに0.149秒差をつけてトップに立ち、メルセデスの速さを改めて示した。
レッドブル勢ではハジャーが好調だった。Q1から速さを見せていたハジャーはQ2でも3番手まで浮上。一方、フェルスタッペンは一時8番手まで下がる場面もあったが、最終的には危なげなくQ3進出を決めた。
中団ではレーシングブルズが予想外の苦戦を強いられた。リアム・ローソンは最後のアタックをまとめきれず12番手。前日にクラッシュしてマシンが修復されたアービッド・リンドブラッドも15番手に終わり、2台そろってQ2敗退となった。
オリバー・ベアマンは10番手との差わずか0.092秒で11番手。アレクサンダー・アルボンが13番手、エステバン・オコンが14番手となった。
一方、カルロス・サインツJr.は9番手でQ3進出。大型アップデートを投入したウィリアムズにとって、今季初のQ3進出となった。

Q3:マクラーレンが一時1-2 ラッセルが一気に突き放す
トップ10によるQ3では、スリップストリームをどのように利用するかが大きな焦点となった。
最初にタイムを記録したラッセルは1分43秒713。ターン1で小さなロックアップがあり、ターン4でもマシンを修正するなど、完璧なラップではなかった。
その隙にマクラーレン勢が前へ出る。オスカー・ピアストリが1分43秒571でトップに立ち、ノリスが0.1秒差で続いて一時1-2を形成。フェルスタッペンは4番手につけた。
しかし、ラッセルは次のアタックで一気にペースを引き上げる。前方を走るハジャーのスリップストリームも利用しながら1分43秒037を叩き出し、ピアストリに約0.5秒差をつけてトップを奪い返した。
ルクレールが2番手まで浮上したものの、それでもラッセルとの差は約0.4秒。残り時間が少なくなるにつれ、メルセデスの優位が鮮明になっていった。
ラッセルが1分42秒526 圧巻の0.837秒差
そして最後のアタックでラッセルがさらに速さを見せた。
第1セクターで全体ベストを記録すると、第2セクターでも紫のタイムを並べ、フィニッシュラインを通過した瞬間に表示されたタイムは1分42秒526。自身の暫定ポールタイムをさらに0.5秒以上更新した。
ルクレールもハミルトンのトウを利用してタイムを縮めたが1分43秒363。ラッセルとの差は実に0.837秒だった。
ピアストリはルクレールからわずか0.001秒差の1分43秒364で3番手。ハジャーが4番手に入り、復帰戦で2列目グリッドを確保した。
ノリスは最後のアタックでロックアップしてタイム更新を逃し5番手。ハミルトンが6番手、ピエール・ガスリーが7番手となった。
FP3でトップタイムを記録していたフェルスタッペンは最終アタックをまとめきれず8番手。サインツJr.が9番手、フランコ・コラピントが10番手で予選を終えた。

ラッセル「完璧なラップだった」
ラッセルにとっては今季5回目のポールポジション。本人も2番手につけた0.837秒という差に驚きを隠さなかった。
「久しぶりだから、間違いなく気分はいい。F2やF3時代を含めても、たぶん僕のキャリアで最大のポールマージンだと思う」
「正直、ずっと感触は良かった。マックスはとても速かったから、最後に彼に何があったのかは分からない。とにかく完璧なラップだった。ハジャーから少しスリップストリームをもらえて、それで0.1秒か0.2秒くらい得したと思う」
F1 TVの解説を務めた元F1ドライバーのジョリオン・パーマーも、ラッセルの走りを高く評価した。
「息をのむような走りだった。本当にそうだ。彼はとにかく自信に満ちている。これまでのジョージはどこにいたんだ?」
「今週末は本当に一段階上がっている。ジョージは完全に乗れているし、自信がある。この場所ではそれが必要だ。そして彼は見事にそれを示した」
ルクレール「0.8秒差はかなり大きい」
2番手のルクレールは、自身のラップには一定の手応えを感じながらも、ラッセルとの差には驚きを示した。
「正直、かなりいいラップだった。前にルイスがいて、うまくラップをまとめることができた。でもジョージとの差を見ると、僕のラップは十分ではなかったのかもしれない」
「順位という意味では予想していた位置だけど、タイム差という意味では……かなり大きい。僕たちはストレートスピードが強みではない」
3番手のピアストリも、メルセデスには届かなかったと認めた。
「予選では少しペースを見つけることができた。もう一段階引き出せたと思う。ジョージに対してはまったく勝ち目がなかったけど、ここまでの週末には満足しているし、トップ3に戻ってこられたこともうれしい」
アントネッリ16番手から追い上げへ
選手権首位のアントネッリにとっては痛恨の予選となった。
FP1では油圧系トラブルで走行時間を失い、FP2もパワーユニット交換の影響を受けていた。それでもメルセデスのマシン自体には週末を通して高い競争力があり、ラッセルが圧倒的なポールを獲得しただけに、Q1でのミスは大きな代償となった。
「マシンは今週末ずっとすごく強い。ジョージも信じられないくらいうまくやっている。だから明日はできる限り多く順位を取り戻せるように全力を尽くす」
アントネッリは暫定16番グリッドから決勝を迎える。高速ストレートを持つバクーではターン1やターン2が主なオーバーテイクポイントとなるが、モンツァほど追い抜きが容易なコースではない。
ポールのラッセルと16番手のアントネッリ。タイトルを争うメルセデスの2人が大きく明暗を分ける予選となった一方、ルクレール、ピアストリ、ハジャーが上位グリッドを確保。アゼルバイジャンGP決勝は、ラッセルを先頭に異なる4チームがトップ4を占める形でスタートを迎える。

2026年F1アゼルバイジャンGP予選結果
1位 ジョージ・ラッセル(メルセデス) 1:42.526
2位 シャルル・ルクレール(フェラーリ) +0.837
3位 オスカー・ピアストリ(マクラーレン) +0.838
4位 アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング) +0.974
5位 ランド・ノリス(マクラーレン) +1.146
6位 ルイス・ハミルトン(フェラーリ) +1.332
7位 ピエール・ガスリー(アルピーヌ) +1.521
8位 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング) +1.555
9位 カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ) +2.040
10位 フランコ・コラピント(アルピーヌ) +2.437
11位 オリバー・ベアマン(ハース)
12位 リアム・ローソン(レーシングブルズ)
13位 アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)
14位 エステバン・オコン(ハース)
15位 アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)
16位 キミ・アントネッリ(メルセデス)
17位 ガブリエル・ボルトレト(アウディ)
18位 ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)
19位 フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
20位 セルジオ・ペレス(キャデラック)
21位 ランス・ストロール(アストンマーティン)
22位 バルテリ・ボッタス(キャデラック)











