ニコラ・ツォロフ F1昇格へ重要な一歩 レーシングブルズでVCARB02をテスト

レッドブルの育成ドライバーとして評価を高めているツォロフにとって、近年型F1マシンを本格的に走らせるのは今回が初めてとなる。
2027年のドライバーラインナップを巡る判断が今後本格化するなか、レーシングブルズにとってもツォロフの適応力を直接確認する重要な機会となる。
8月27日にイモラで2025年型VCARB02をドライブ
ツォロフのテストは、レーシングブルズが今季最後のフィルミングデーを実施する8月27日にイモラで行われる。
リアム・ローソンとアービッド・リンドブラッドは2026年型VCARB03を使用してフィルミングを行い、2人の合計走行距離はプロモーションイベントに関する規定によって200kmに制限される。
一方、ツォロフはTPC(Testing of Previous Cars=旧型車テスト)の規定を利用し、2025年型VCARB02を走らせる。
2026年にTPC規則が改定されたことで、前年型であっても旧世代の技術規則に基づくマシンであれば使用できるようになった。これまでは原則として少なくとも2年前のマシンを使用する必要があったが、2026年の大幅なレギュレーション変更によってVCARB02もTPC対象車となる。
ツォロフはこれまでF1マシンを運転した経験自体はある。2025年6月にはソフィアでレッドブルRB7を走らせ、2026年夏のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードではRB8をドライブした。ただし、いずれもデモ走行であり、今回のイモラテストはF1昇格を見据えた本格的な評価走行という意味で大きく異なる。
FP1出走に必要な走行距離を確保
レーシングブルズCEOのピーター・バイエルは7月、ツォロフにTPCテストの機会を与える計画を明かしていた。
「現在、彼にTPCテストをさせることを検討している。金曜のフリー走行に出るためのライセンスが必要だからだ」
「まだ必要な走行距離が少し足りない。だから秋に向けて計画している」
今回のテストには、単にツォロフの速さを評価するだけでなく、将来的なF1フリー走行出場に必要な経験を積ませる目的もある。
現時点でツォロフはF1参戦に必要なFIAスーパーライセンスを取得していない。現在の3年間の対象期間で保有するスーパーライセンスポイントは25点で、すべて2025年のFIA F3選手権でランキング2位となったことで獲得したものだ。
2026年のF2選手権をトップ5以内で終えれば、F1参戦に必要なポイント数を満たすことができる。現在選手権をリードしていることを考えれば、スーパーライセンス取得は現実的な目標となっている。
2027年レーシングブルズ昇格説にはバイエルが慎重
今夏には、一部メディアがツォロフについて2027年のレーシングブルズのシートを事実上約束されていると報じた。
しかし、レーシングブルズ側はこの見方を否定している。2027年のドライバーラインナップについて正式な協議はまだ行われておらず、決定には程遠いという。
バイエルは当時、ツォロフの昇格説について「単なる噂だ」と語っていた。
「彼は素晴らしい仕事をしているし、とてつもない才能の持ち主だ。当然、我々も注目している」
「ただ、まだ7レースを終えただけだ。リアムとアービッドも同じように素晴らしい仕事をしている。だから現時点では、まだ検討する段階にすら入っていない」
ツォロフの評価が急速に高まっている一方で、レーシングブルズには簡単に空席が生まれる状況ではない。
ローソンはF1フル参戦2年目でドライバーズランキング9位につけ、トップ4チーム以外では事実上最高位を争っている。ルーキーのリンドブラッドもランキング11位につけ、ローソンに迫るパフォーマンスを披露している。
さらにレッドブル・レーシングでは、アイザック・ハジャーがマックス・フェルスタッペンとともに残留する可能性が高い。そのため、ツォロフが2027年にF1へ昇格するための明確な空席は現状では見えていない。

アラン・パーメイン「次の候補と言っていい」
レーシングブルズのチーム代表アラン・パーメインも、ベルギーGPでツォロフへの高い評価を隠さなかった。
「彼は信じられないほど良い仕事をしている」
「シルバーストンで素晴らしい週末を過ごして、今はF2選手権をリードしていると思う。だから『我々のレーダーに入っている』という程度では控えめすぎる。次の候補と言っていいと思う」
ただし、F1昇格の時期については決まっていない。
「それがいつになるのかは、正直分からない。現時点で我々がそれを考えていないというのも正しくない。彼はそこで自分の仕事をしていて、我々も自分たちの仕事をしている」
「今年後半に彼をレーシングブルズに上げるのか、上げるとすればいつなのかについて、いずれ判断することになると思う」
ツォロフ「チャンスをもらえれば適応できる」
ツォロフ自身は、2027年に向けた具体的な話はまだ何も伝えられていないとしている。それでもF1マシンに乗る機会を得た場合、すぐに適応できる自信があると語った。
「自分がやっていることでは、常に自分が一番だと信じたいものだし、今年はそれを証明しようとしている」
「ここまで自分がやってきたことを考えれば、チャンスをもらえたらうまく適応できると思う。そのチャンスをつかむために最大限努力するつもりだし、全体的に自信はある」
今回のイモラでの走行は、ツォロフにとってF1昇格への単なる経験以上の意味を持つ。レーシングブルズは近年型F1マシンでの速さだけでなく、タイヤ管理やエンジニアへのフィードバック、長いランでの安定性などを実際のデータから確認できる。
F2タイトル争いで結果を残してスーパーライセンスの条件を満たし、さらにVCARB02で能力を示すことができれば、ツォロフはレッドブル育成プログラムにおける次のF1昇格候補としてさらに存在感を強めることになる。2027年に空席が生まれるかどうかは別の問題だが、8月27日のイモラテストは、そのチャンスを待つための重要な一歩となる。
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