メルセデスF1 セパン初日は今季屈指の苦戦 ラッセル「それでもポール争いは可能」
メルセデスF1は、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われたF1バーレーンGP初日を、今季でも「最も厳しい金曜日のひとつ」と評した。大型アップデートを投入したものの、タイヤのオーバーヒートとデグラデーションに苦しみ、期待どおりのスタートとはならなかった。
それでもジョージ・ラッセルは、新パーツによるダウンフォース向上を感じていると説明。現状ではマックス・フェルスタッペンが速いと認めながらも、セットアップを改善できればポールポジション争いに加われる可能性を否定していない。
ラッセル FP1で2番手もFP2は7番手
メルセデスは今回、フロアエッジ、サイドポッド、リアディフューザーなどを変更したアップデートパッケージを投入した。
FP1ではラッセルが2番手に入り、まずまずの滑り出しを見せた。ただしトップのフェルスタッペンとは約0.4秒の差があった。
FP2では状況がさらに厳しくなり、ラッセルは7番手、アンドレア・キミ・アントネッリは8番手に後退した。ただし、両者ともソフトタイヤでのアタックをまとめ切れておらず、順位だけでは実際の競争力を判断しにくい部分もある。
ラッセルはFP2で当初ミディアムタイヤを使用し、その後ソフトに交換。最初の2セクターでは速さを見せたものの、最終コーナーでワイドになり、ボラードの内側を通過できなかったためアタックを断念し、そのままピットレーンを通過することになった。
アントネッリもソフトタイヤでコースを外れ、トラックリミット違反によってラップタイムを抹消された。
フェルスタッペンの速さを警戒
ラッセルは初日の勢力図について、レッドブルとマクラーレンを警戒している。
「現時点ではフェルスタッペンがとても速そうだし、マクラーレンのレースペースもかなり速かった。でも、何が起こるかは分からない」
「このサーキットを走るのは本当に素晴らしい経験だった。僕はここを走ったことがなかったし、本当に象徴的な場所だから、すごくよかった」
一方で、セパン特有の厳しいコンディションによってタイヤの扱いが難しくなっていると説明した。
「でも、このコンディションでは全員にとってタイヤのデグラデーションがものすごく大きい。マシンも普段とはかなり違うウインドウで走っている」
「チームとして、まだマシンを必要なところまで持っていけていないと思う。セットアップをいくつか調整する必要がある。今は少しペースが足りていない」
大型アップデートの効果は「感じている」
メルセデスにとって気になるのは、単発のラップタイムだけではなくタイヤの摩耗だ。
FP1ではラッセルと担当エンジニアの無線から、メルセデスのデグラデーションがレッドブルなどより大きいことを示唆するやり取りもあった。
そのため、ラッセルは今回投入されたアップデートそのものの効果を正確に評価するのは難しいと語った。
「いくつかのコーナーでは(追加された)ダウンフォースを感じている。でも、これほどタイヤのオーバーヒートとデグラデーションが大きいと、それがすべてを上回ってしまう」
「だから、一晩でそこを理解する必要がある。これはアップデートそのものというよりセットアップの問題だと思う。そこから進めていきたい」

メルセデス「今季最も厳しい金曜日のひとつ」
メルセデスの副チーム代表ブラッドリー・ロードも、FP2で2台合わせて56周を走行したものの、初日は簡単ではなかったと認めた。
「おそらく今季ここまでで最も厳しい金曜日のひとつだった。競争力の構図は、先週末のバクーというより、例えばハンガリーのような状況にかなり近い」
ただし、アップデートに対するドライバーの感触そのものはポジティブだという。
「アップデートについてのドライバーからのフィードバックはポジティブだ。高速コーナーなどでは、より大きなダウンフォースを感じている」
「今回のアップデートによって、マシンが最も快適に機能するところで走らせられているかを確認しなければならない。今晩は大量のデータを調べ、すべてを正しい方向へ持っていけているか確認する作業が待っている」
一方、今週末は旧仕様へ戻す選択肢がないことも明かした。
「同時に、今週末ここでアップデートを元に戻す機会はない。だから、今あるものを最大限に活用する必要がある」
ロングランではフェルスタッペンが一歩リード
ロードはロングランについて、フェルスタッペンが初日の基準になっていたとの見方を示した。
「ロングランは全体的に非常に接近している。おそらくフェルスタッペンがFP1とFP2の両方で、異なるタイヤを使いながら最も優れていた」
「ただ、そのすぐ後ろは非常に僅差の戦いになっている。我々もその集団の中にいるし、いくつか改善できれば、そこから一歩前進できる」
メルセデスにとって、今回のアップデートは高速域で狙いどおりの効果を示している一方、セパンの高温下で発生する激しいタイヤのオーバーヒートとデグラデーションが、その効果を覆い隠している状況だ。
予選に向けて鍵となるのは、新パッケージに適したセットアップを一晩で見つけ、タイヤを適切なウインドウに収められるかどうか。ラッセルはフェルスタッペンの速さを認めながらも、2戦連続のポールポジション獲得をまだ諦めてはいない。











