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メルセデスF1が今季最大級のアップデート投入 W17の弱点解消へ7カ所改良

メルセデスF1が今季最大級のアップデート投入 W17の弱点解消へ7カ所改良

メルセデスF1は、今週末にセパン・インターナショナル・サーキットで開催されるF1バーレーンGPに、7項目に及ぶ大規模アップデートを投入した。W17にとっては、5月のカナダGP以来、4カ月以上ぶりとなる最大規模の改良パッケージとなる。

今回のアップデートは単なるサーキット適応ではない。W17がこれまで抱えてきた数少ない明確な弱点である、低速コーナー出口でのダウンフォースとトラクション不足を改善することが大きな狙いだ。新しいサイドポッドと大幅に手が加えられたフロアの組み合わせにより、ドラッグを増加させることなく約4%のダウンフォース向上が見込まれているという。

W17のサイドポッドとフロアを大幅改良

今回のアップデートで中心となるのが、サイドポッド周辺とフロアだ。

サイドポッドの形状は大きく変更され、後方に向かって傾斜するストレートなランプ形状を採用。サイドポッド後端のボディワークはリアタイヤ手前で縁石の高さ付近まで大きく落とし込まれている。

コックピット付近に設けられた冷却用ルーバーの角度にも新しいサイドポッド形状が表れており、セパンやシンガポールのような高温環境に対応した仕様では、その違いがさらに明確になっている。

エンジンカバー付近に配置された後方のルーバーを見ると、リアセクションが従来より大幅に絞り込まれていることも分かる。

このボディワークの角度には、気流を表面から剥離させることなくリアアクスル方向へ導く狙いがある。外側の形状変更だけでなく、サイドポッド内部のエアフローも全面的に見直されているという。

フロアについても、フロアボード、リーディングエッジ、コーナー、ボディに変更が加えられた。特にディフューザーのスロート周辺が大幅に再設計され、出口部分における圧力分布を変化させている。

さらにマシン後部ではリアサスペンションにも変更が入り、ブレーキドラム周辺のウイングレットも最適化された。

ドラッグを増やさずダウンフォース約4%向上

新しいサイドポッド形状とフロアを組み合わせた効果によって、W17はドラッグを増加させることなく、約4%という大幅なダウンフォース向上を実現するとみられている。

ただし、今回の変更はW17の空力コンセプトそのものを変更するものではない。これまでの基本コンセプトを維持しながら、純粋なパフォーマンスをさらに引き出すためのアップデートという位置づけだ。

狙いのひとつとなっているのが、低速コーナー出口での挙動だ。W17は今季、パワーユニットの強さだけでなくマシン全体の優れたバランスを武器に成功を収めてきたが、低速域からの立ち上がりにおけるダウンフォースとトラクション不足は数少ない明確な弱点とされてきた。

今回のアップデートによってダイナミックバランスを改善し、その弱点を補うことが期待されている。

2本の長いストレートに加えて高速コーナーが連続するセパンは、新パッケージの効果を確認するには適した舞台となる。メルセデスのエンジニアは、W17の設計初期段階からこの時期の開発投入をターゲットとしていたとされる。

カナダGP以来となる大規模アップデート

合計7項目に及ぶ今回のパッケージは、5月のカナダGP以来、メルセデスがW17に投入した最も大規模なアップデートとなる。

今季はフェラーリ、マクラーレン、レッドブル・レーシングが継続的に大型アップデートを投入してきた一方、メルセデスは開発予算を慎重に配分してきた。

オランダGP後には、チーム代表のトト・ヴォルフが「マシンに開発を投入するための資金がない」と説明し、シーズンを通じてアップデートを「均等に振り分けようとしている」と語っていた。

そのメルセデスが、タイトル争いが最終局面へ向かうタイミングで、温存していた大規模な開発パッケージを投入した格好だ。

メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ

アントネッリが66ポイント差で首位

F1バーレーンGPを前に、アンドレア・キミ・アントネッリはジョージ・ラッセルに66ポイント差をつけてドライバーズ選手権首位に立っている。

メルセデス勢以外で最上位につけるのはフェラーリのルイス・ハミルトンだが、アントネッリとの差は103ポイントまで広がっている。

コンストラクターズ選手権でもメルセデスはフェラーリに160ポイント差をつけて首位。さらにディフェンディングチャンピオンのマクラーレンはフェラーリから72ポイント後方となっている。

ライバル勢のアップデートは小規模

一方、メルセデスのライバル勢もマレーシアに新パーツを持ち込んでいるが、その規模は比較的小さい。

マクラーレンは、高温多湿となるセパンで要求される冷却性能に対応するため、新しいエンジンカバーを投入。レッドブル・レーシングはフロアを変更し、フェラーリはマシン後部のディフューザー・ウイングレット周辺に局所的な改良を施した。

中団勢では、レーシングブルズがフロントウイングとリアウイングの双方を変更。ハースはリアインパクトストラクチャーをアップデートしている。

アルピーヌは、週末を通じて気温30度以上が予想されるコンディションに対応するため、フロントブレーキドラムの出口部分をトリミングし、ブレーキ冷却性能を高めた。

一方、ウィリアムズ、アストンマーティン、アウディ、キャデラックは、新しいパーツを申告していない。

カナダGP以来となる大規模な改良を投入したメルセデス。単にタイトル争いを守り切るためだけではなく、W17に残されていた低速コーナー出口という弱点を狙い撃ちしたアップデートとなる。ドラッグを増やさず約4%のダウンフォース向上を狙う新パッケージが、セパンでどこまで効果を発揮するかが注目される。

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メルセデスF1が今季最大級のアップデート投入 W17の弱点解消へ7カ所改良 メルセデスW17の新サイドポッドとフロアをセパンで確認

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