リアム・ローソンにレッドブルF1残留の可能性はあった? メキースが明かすハジャー続投の舞台裏
アイザック・ハジャーは、負傷から復帰したF1アゼルバイジャンGPを前に、レッドブル・レーシングとの2027年契約を正式に勝ち取った。では、代役として好成績を残したリアム・ローソンに、そのシートを奪う可能性はあったのか。
ハジャーが手首の骨折で3戦を欠場する間、ローソンはレッドブルに復帰し、ザントフォールトで7位、マドリードで6位と結果を残した。しかし、チーム代表のローラン・メキースによれば、その活躍によってハジャーの立場が揺らぐことはなかったという。
実際、レッドブルはハジャーの負傷を長期的な成長過程における一時的な中断にすぎないと考えていた。
ハジャーの負傷欠場でも「大局」は変わらなかった
ハジャーは負傷するまでの11戦で71ポイントを獲得し、モナコでは表彰台を獲得。さらに7戦連続トップ6という好調ぶりを見せていた。
F1公式ポッドキャスト『Beyond the Grid』で、メキースはハジャーが欠場を余儀なくされた当初から、チームが本人に対して長期的な視点を伝えていたと説明した。
「シートを失うことになるのではないか、と考える瞬間は当然あったと思う」
「F1の歴史を振り返れば、数戦欠場したことが、ドライバーがシートを失う決定的なポイントになったケースを何度か見てきた」
「だからこそ、我々は初日から彼と“大局”について話していた。彼はシーズン前半に素晴らしい仕事をしていたし、ガレージを出るたび、レースを重ねるたびに進歩していた」
「我々にとって、あの3戦の欠場は、彼を成長させて将来を見据えることに比べれば、ほとんど意味を持たなかった」
メキースはさらに、ハジャーの欠場について「非常に強力なシーズンの中での小さなつまずき以上のものだと感じたことは一度もなかった」と語っている。
レッドブルはハジャーの復帰を急がせることもなかった。メキースは9月中旬の段階で、回復が100%に近づくまで復帰させず、長期的な回復を最優先すると明言していた。
ローソンの好成績でもハジャー続投は「非常に簡単な決断」
一方、ローソンはレーシングブルズで好調なシーズンを送り、ハジャーの負傷によって再びレッドブルをドライブする機会を得た。
2025年序盤にはわずか2戦でレッドブルのシートを失ったローソンだが、今回はザントフォールトで7位、マドリードで6位に入り、3戦の代役期間で14ポイントを獲得。メキースもそのパフォーマンスを「非常に強力だった」と高く評価していた。
それでも、ハジャーとの2027年契約を見直す考えはなかった。
「非常に簡単な決断だった。我々は皆さんから質問されるたびに、彼の進歩に非常に満足していること、そして彼の成長ぶりに非常に満足していることを明確にしてきた」
「だからこそ、我々はその非常に簡単な決断に向かっていた」
つまり、ローソンが代役としてどれほど結果を残したとしても、それはハジャーの評価とは別の問題だったということになる。
レッドブルは9月23日、ハジャーが2027年もマックス・フェルスタッペンのチームメイトとして残留することを正式発表。負傷で3戦を欠場したにもかかわらず、契約延長に至った。

レッドブルが評価したハジャーの「成長曲線」
メキースが特に強調したのは、ハジャーがすでに見せた速さだけではなく、その成長スピードだった。
「彼は走るたびに本当に進歩してきた。だからチームの中に、来年その成長がどこまで彼を連れていくのか見たくないと思っている人間はいない」
フェルスタッペンとの比較についても、メキースはハジャーのスタート地点を高く評価している。
「マックスとの差という意味で、スタート地点は非常に強力だった。数十分の一秒しか離れていなかった」
「そして、それ以上に重要なのは、この成長曲線が見えていることだ。彼はどんどん近づいている」
メキースは以前から、ハジャーについて現在のレベルを「到達点」と考えるのではなく、さらに成長していくための新たなスタート地点として捉えていると説明していた。
ローソンの3戦にわたるレッドブル復帰は、その評価を高めるには十分なものだった。しかし、ハジャーのシートを奪うためのオーディションではなかった。
レッドブルにとって重要だったのは、ハジャーが負傷前までに示していたパフォーマンスと、その先に期待できる成長だった。ローソンが代役として結果を残してもその評価は変わらず、ハジャーの2027年続投はチームにとって最初から揺らぐことのない「非常に簡単な決断」だった。











