ランス・ストロール ホンダF1の深刻な出力不足を指摘「エンジンだけで最大2秒失っている」
アストンマーティンF1のランス・ストロールは、ホンダが2026年シーズンに認められた2回のADUO(追加開発・アップグレード機会)をすでに使い切ったことが明らかになるなか、依然としてパワーユニットが最大の弱点になっていると語った。
ホンダは当初、2026年に利用可能な2回のADUOのうち1回のみを使用する方針を示していた。しかし、HRC(ホンダ・レーシング)の渡辺康治社長は、実際にはすでに2回とも使用しており、2回目はF1スペインGPでストロールのマシンに投入されたことを明らかにした。
ホンダは2回のADUOをすでに使用
ホンダは8月のF1オランダGPで最初のADUOを使用し、「スペック2」と呼ばれるパワーユニットを投入した。
しかし、スペック2ではドライバビリティに問題が発生。その対策として、わずか2戦後のF1スペインGPで改良型ターボチャージャーをストロール車に投入し、これが2回目のADUOにあたるという。
渡辺康治は、なぜADUOを1回だけ使用する方針を変更したのかと尋ねられ、次のように説明した。
「2回とも使用しました」
「最初のADUOによるアップグレードをオランダで投入し、その後、スペインGPで2回目のアップデートを組み込んだPUをランス・ストロールのマシンに搭載しました」
「オランダで投入したスペック2のPUにはドライバビリティの問題があったため、スペインGPで改良型ターボを投入しました」
つまり、2回目のADUOは純粋なパフォーマンス向上だけを狙ったものではなく、スペック2で発生した問題への対策という側面もあった。
ストロール「違いはあまり感じない」
しかし、アップデートによる変化について聞かれたストロールの評価は厳しかった。
「それほど変わっていない。僕たちはエンジン側で本当に苦戦している。それは分かっているし、まだやらなければならないことがたくさんある」
さらにストロールは、サーキットによってホンダPUによるラップタイムの損失が1~2秒にも達していると主張した。
「エンジンだけで2秒失っているから難しい。バクーやモンツァのような場所では、エンジンで2秒失っていたら、できることはほとんどない」
「マシン側については、新レギュレーションに向けた開発を他のみんなより遅く始めたことは分かっている。でも、ブダペストでは大きなステップを踏んだ」
「マシン開発については、何をしなければならないのか明確な方向性があると思う。でもエンジンでは、サーキットによって毎週末1~2秒足りていない」
「そこについて僕たちにできることはあまりない。だから、今のところそこが本当に僕たちの弱点だ」
ホンダが投入した改良型ターボによってドライバビリティの問題は改善された可能性がある一方、ストロールの発言からは、それがアストンマーティンの競争力を大きく引き上げるまでには至っていないことがうかがえる。

2027年に向けて「大きな疑問はエンジン」
一方で、ストロールはアストンマーティンのシャシー開発については前向きな見通しを示している。
「マシンはかなり良くなると思う。僕たちには計画があり、いい方向性もある。どうすればマシンにダウンフォースを加えられるのか、何をしなければならないのかは分かっている」
そのうえで、2027年に向けた最大の不確定要素としてホンダPUを挙げた。
「大きな疑問符はエンジンだと思う。2027年の初めに僕たちがどの位置にいるのかは分からない。だから、それは見てみないと分からない」
ただし、現時点でホンダとのパートナーシップを見直す動きがあるわけではないという。
「今は一緒に取り組んで、正しい状態にしようとしている。来年に向けていくつかアイデアもあるから、もっといい位置にいられることを願っている」
ストロールは、ホンダが状況改善に全力を注いでいることも強調した。
「ホンダは全力でプッシュしている。もっとパワーを持ち込むために、できることはすべてやっている。それが実現するかどうかは時間が教えてくれる。まだ疑問符があるし、来年の最初のレースで分かるだろう」
「でも、間違いなく非常に明るい未来があると思う。チームはいい状態にある。ブダペストで大きなアップグレードを投入してマシンを大幅に改善できたし、何をしなければならないのか明確な方向性がある。みんなにとってとてもエキサイティングだと思う」
アストンマーティンはシャシー側で改善の方向性をつかみつつあるものの、ストロールによれば現在の最大のボトルネックは依然としてホンダPUにある。2026年に認められた2回のADUOをすでに使い切ったなか、今後はホンダが2027年に向けてどこまで性能差を縮められるかが大きな焦点となる。











