2026年F1シーズンのパワーユニット勢力図に新たな見方が浮上している。複数の海外メディアが報じたFIAのADUO(追加開発・アップグレード機会)評価によれば、レッドブル・フォードが現時点で最も高性能な内燃エンジンを搭載していると判断されたという。さらにアストンマーティンのランス・ストロールは、ホンダ製パワーユニットの不足分について「20~30キロワット」と発言。これまで広く語られてきた「約100馬力不足」という見方とは大きく異なる数字を明かした。
FIAのADUO評価でレッドブル・フォードが基準にADUOは、新レギュレーション初年度にメーカー間の性能差が固定化されることを防ぐために導入された制度だ。FIAは開幕から5戦分のデータを分析し、性能面で不利なメーカーに追加開発の機会を与える仕組みを採用している。まだFIAによる公式発表は行われていないものの、各メーカーにはすでに結果が通知されたと報じられている。その評価では、レッドブル・フォードが最も高性能な内燃エンジンを持つメーカーと判断されたという。さらにメルセデスが基準値から2%超の差で続き、フェラーリ、アウディ、ホンダが4%以上の差を持つグループに分類されたと伝えられている。この結果により、レッドブル・フォードは性能向上を目的としたエンジン改良が認められない一方で、メルセデスには1回、フェラーリ、アウディ、ホンダには2回の性能改善機会が与えられる見通しとなった。ADUOは内燃エンジンのみを評価今回の評価で重要なのは、ADUOが内燃エンジン部分のみを対象としている点だ。MGU-K、バッテリー、エネルギーマネジメント、回生効率などの電動システムは評価対象外となっている。そのため、レッドブル・フォードが最も強力な内燃エンジンを持っているとしても、パワーユニット全体で見た場合に最も競争力が高いとは限らない。実際には電動システムの性能が総合力を大きく左右するため、メルセデスが依然として最も完成度の高いパッケージを持っている可能性もある。ストロールが明かした「20~30キロワット不足」こうした中、ランス・ストロールの発言は大きな注目を集めている。ストロールはモナコGP週末にmotor.esを含むメディアの取材に応じ、ホンダPUについて次のように語った。「トップチームに対して20~30キロワットを取り戻さなければならない」20~30キロワットは馬力換算でおよそ27~40馬力に相当する。これまでパドックでは、ホンダPUはトップ勢から約100馬力遅れているとの見方が広がっていた。しかしストロールの発言が事実ならば、内燃エンジン単体の差はその半分以下ということになる。ホンダの課題は電動システムかホンダはプレシーズン段階から、最大の課題は電動側にあることを認めてきた。そのため現在の性能不足は、内燃エンジンそのものではなく、MGU-Kやバッテリー、エネルギー回生・展開システムに起因している可能性が高い。今回のADUO評価でもホンダは追加開発の対象となったが、実際にどこまで性能改善が認められるのかは今後のFIA判断次第となる。またADUOでは開発回数だけでなく、ベンチテスト時間の追加枠や予算上限の特例措置も与えられる。特に電動システムの改善余地が大きいとみられるホンダにとっては、これらの優遇措置がシーズン後半の巻き返しにつながる可能性がある。現時点でFIAはADUO評価結果を公式発表していない。しかし複数の報道が事実であれば、2026年F1のエンジン勢力図は、これまで考えられていたものとは大きく異なる姿を見せ始めている【関連】・F1:FIA内部通知でレッドブルがベンチマーク認定か ADUO判定に波紋
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