ハースF1 イタリアGPで後半戦の命運握る大型アップデート投入「中団争いに戻る」

ハースはマシン製造をイタリアのダラーラに委託し、フェラーリの本拠地マラネロにも設計拠点を置く。
そのためイタリアGPはチームにとって“ホームレース”に近い意味を持つ一戦でもあり、エステバン・オコン、オリバー・ベアマン、小松礼雄チーム代表はいずれも、新パーツから最大限のパフォーマンスを引き出すことを最優先課題に挙げている。
モンツァ仕様だけではない「包括的アップデート」
モンツァはF1カレンダーの中でも最高速度が最も高いサーキットのひとつであり、各チームは通常、ドラッグを抑えた低ダウンフォース仕様を投入する。
しかし、今回ハースが用意する変更は単なるモンツァ専用の空力仕様にとどまらない。オコンは「中団のライバルたちのレベルに戻る」ことを狙った包括的なアップデートだと説明している。
フェラーリ製パワーユニットがストレートで相対的に苦戦していることは懸念材料となるものの、オコンは新しいパッケージへの期待を隠さない。
「チーム全体がいくつかの理由から、このレースをかなり前から楽しみにしていた」
「まず、僕たちにはイタリアに設計オフィスがある。現地のチームと一緒に仕事をする素晴らしい機会だし、彼らにとっても、自分たちが懸命に取り組んできたものが実際にコースを走るところを見ることができる」
「そして2つ目に、モンツァには包括的なアップデートを持ち込む。中団のライバルたちのレベルに僕たちを戻すことを狙ったものだ」
オコンはハンガリーGPとオランダGPではVF-26に比較的好感触を得ていたとし、その流れを新パッケージにつなげたいと語る。
「ブダペストとザントフォールトは、僕自身としてはポジティブだった。マシンの中で快適に感じられていたし、僕たちが持っていたパッケージから本当に最大限を引き出せたと思う」
「だから、その流れを続けたい。初日からアップデートの性能を最大限に引き出して、ポイント争いに戻りたい」
ベアマン「大きなパフォーマンス向上を期待している」
オリバー・ベアマンにとっても、モンツァはザントフォールトでの失望を払拭する重要な週末となる。ハースはオランダGPで2台とも完走できず、結果を残すことができなかった。
「レースを完走できなかったときは、当然すぐにマシンへ戻って、もう一度仕事を始めたくなる」
ベアマンも今回のアップデートには大きな期待を寄せている。
「でも今週末に走るのが楽しみなのはそれだけじゃない。僕たちはアップデートを持ち込むし、それによってマシンに大きなパフォーマンス向上が加わることを期待している」
「今シーズンのヨーロッパでの戦いは僕たちにとって厳しかった。だから、ここを終えるときには残りのシーズンに向けて楽観的な気持ちになっていたい」
フェラーリ・ドライバー・アカデミー出身のベアマンにとって、モンツァそのものにも特別な意味がある。
「『スピードの神殿』は僕のお気に入りのサーキットのひとつだ。パラボリカやアスカリを走っていると、文字通り歴史の中を走っているように感じる」
「コースの外ではティフォシが信じられないような雰囲気を作ってくれる。フェラーリ・ドライバー・アカデミーの一員として、その愛情の一部を感じられる僕は本当に幸運だと思う」

小松礼雄「フリー走行を最大限に活用することが重要」
小松礼雄チーム代表も、モンツァで新たなアップデートパッケージを投入することを認めている。
一方で、新パーツを装着すれば即座に速くなるわけではない。限られたフリー走行の中でデータを集め、実際に狙い通り機能しているのかを評価し、セットアップを最適化する作業が重要になる。
「イタリアGPは、マラネロに設計オフィスを置いている私たちにとって、いつも特別なイベントです」
「多くの仲間をモンツァに迎えて、彼らが毎日取り組んでいる仕事が何につながっているのかを実際に体験してもらえますし、本当に特別な雰囲気を楽しんでもらうこともできます」
ハースにとって前戦ザントフォールトは、運営面では一定の収穫があったものの、純粋なパフォーマンスという面では満足できるものではなかった。
「ザントフォールトでのフラストレーションの残る週末を完全に過去のものにしたいという気持ちでイタリアに向かいます」
「オペレーション面では確かにポジティブな部分もありましたが、最終的にはVF-26からもっとパフォーマンスを引き出す必要がありました」
「今週末はマシンにもうひとつアップデートパッケージを持ち込みます。そのため、フリー走行の時間を最大限に活用し、データを徹底的に評価して、中団でさらに前進するための努力を続けることが改めて重要になります」
2025年終盤の再現を狙うハース
ハースが今回のアップデートに期待を寄せる背景には、前年の経験もある。チームは2025年もシーズン後半までマシン開発を継続し、終盤戦に入ってからパフォーマンスを引き上げることに成功した。
小松礼雄は、2026年も同様に開発を止めず、残りのシーズンでVF-26の競争力を高め続けることが目標だと強調する。
「シーズン後半のレースは速いペースで次々と続きます。それは素晴らしいことですが、間違いなくチャレンジでもあります」
「昨年は、シーズンがかなり進んだ段階でもパフォーマンスを見つけ続けられることを示しました。今年もそれが一貫した目標です」
ハースにとってモンツァは、単なる低ダウンフォース仕様への変更を試す週末ではない。今回投入する大型アップデートが狙い通り機能し、中団勢との差を縮められるかどうかは、残る2026年シーズンの戦い方そのものを左右する可能性がある。
まずは金曜日のフリー走行で新パッケージを正確に理解し、そのポテンシャルを引き出せるか。ハースにとってイタリアGPは、後半戦の巻き返しに向けた重要な分岐点となる。
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