FIAがロシア・ベラルーシへの制裁を緩和 国旗・国歌の使用を再び許可
FIA(国際自動車連盟)は、ロシアとベラルーシのドライバー、チーム、競技役員に対して2022年から課してきた制限を一部解除した。今後、FIA管轄の国際モータースポーツ競技では、両国の国旗や国歌を含む国家シンボルの使用が再び認められる。

今回の変更は、8月3日に開催されたFIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)で決定されたもの。ウクライナ侵攻を受けて導入されていた政治的中立に関する誓約への署名義務も撤廃された。

一方、ロシアとベラルーシでFIA国際競技を開催することについては、引き続き禁止される。

FIAが2022年導入の制限を一部解除
FIAは2022年、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシアおよびベラルーシのドライバー、チーム、競技役員が国際大会に参加する際の条件を導入した。

これまで両国の関係者は、FIA国際競技への参加自体は認められていたものの、自国を代表する形で出場することはできず、国旗や国歌などの国家シンボルも使用できなかった。また、政治的中立を約束する文書への署名も参加条件とされていた。

しかし、8月3日のWMSCでこれらの措置が見直され、その後FIA法務部門から変更内容が正式に通知された。

新たな方針では、ロシアとベラルーシのドライバー、チーム、競技役員は、政治的中立に関する誓約書へ署名することなくFIA国際競技に参加できる。

さらに、これまで禁止されていた国旗や国歌をはじめとする国家シンボルの使用も認められる。

ただし、参加については「適用されるすべての国際法、国内法、地域法を遵守すること」が条件になるとしている。

ロシアでのF1開催禁止は継続
今回の決定は、ロシアとベラルーシに対するFIAの制限を全面的に撤廃するものではない。

両国でFIA国際競技を開催することについては、引き続き禁止措置が維持される。そのため、現時点でF1ロシアGPがカレンダーに復帰することはできない。

F1ロシアGPは2014年からソチ・オートドロームで開催されていたが、最後のレースとなったのは2021年。終盤に雨が降る波乱の展開となったレースでは、ルイス・ハミルトンが優勝し、マックス・フェルスタッペンが2位、カルロス・サインツJr.が3位に入った。

2022年大会は当初カレンダーに組み込まれていたものの、ウクライナ侵攻を受けて中止。その後、F1はロシアGPのプロモーターとの契約を解除した。

したがって、今回のFIAによる規制緩和が直ちにF1ロシアGP復活につながるわけではない。

ウクライナ情勢次第では再び制限導入も
FIAは今回の決定を下す一方で、ウクライナで続く戦争の状況を引き続き注意深く見守るとしている。

今後の情勢によって必要と判断した場合には、ロシアおよびベラルーシの関係者に対する措置や制限を再び導入する可能性も残している。

今回の方針変更によってFIAは、ロシアとベラルーシの選手や関係者について、開催地としての制限を維持しながら、国際競技への参加条件を大幅に緩和する形となった。

一方、二輪モータースポーツを統括するFIM(国際モーターサイクリズム連盟)は異なる対応を続けており、ロシアとベラルーシのライダーや関係者を国際競技から引き続き除外している。

FIAの今回の決定により、2022年から続いてきたロシアとベラルーシに対するモータースポーツ上の制限は大きな転換点を迎えた。ただし、国際競技の開催禁止は維持されており、F1を含めたロシアでの国際モータースポーツ復活については、依然として別の問題として扱われる。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟) / F1ロシアGP