フェラーリF1 バスールが語る終盤戦変更の影響「開発に回せる資金が増える」
フェラーリF1代表のフレデリック・バスールは、2026年シーズン終盤のカレンダーが変更された場合、コストキャップの面でチームの開発に思わぬ恩恵をもたらす可能性があると説明した。

イランを巡る紛争の影響により、カタールGPとアブダビGPが予定通り開催できるかは依然として不透明となっている。

F1のステファノ・ドメニカリCEOは、中東で予定されている最後の2戦について9月中旬をめどに最終判断を下す方針を示しており、中止となった場合にはイモラでの欧州代替戦が候補に挙がっている。

中東2戦の開催可否で変わるPU運用
シーズン終盤のカレンダー変更は、各チームのパワーユニット(PU)運用にも影響を及ぼす。残りのレース数が確定しなければ、各コンポーネントをどのように割り振るかという計画を立てにくくなるためだ。

ただし、バスールはフェラーリについては十分な余裕があり、大きな問題にはならないとの見方を示している。

「エンジンの使用については、残りが10戦なのか12戦なのか分からない状態で何かを組み立てるのは、確かに簡単ではない。ただ、我々にはそれを管理するだけの十分な余裕があると思う。今季ここまで、パワーユニット側ではほとんど問題も起きていない」

一方、残り2戦の開催可否によってフェラーリの最終的な開発計画そのものを変更することはないという。

「開発計画は変わらない。最後の2戦だからだ。最後の2戦に新しいものを持ち込むことはない」

中東遠征の巨額コストを開発費へ転用可能
より大きな影響が予想されるのがコストキャップだ。

カタールとアブダビで2戦を開催するためには、マシンや機材、人員を中東へ輸送する巨額のロジスティクス費用が必要になる。一方、欧州での代替開催となれば、その費用の一部を節約し、別の用途へ振り向けられる可能性がある。

「コストキャップについては、もう少し難しいポイントになるかもしれない。アブダビとカタールへ行って2レースを戦うための費用は莫大だからだ」

「そこへ行かなければ、その前にその資金を別のところで使うことができる。開発でも、それ以外でもいい。これは我々だけではなく、グリッドのほぼすべてのチームに当てはまると思う」

特にコストキャップ上限まで予算を使っているチームにとって、中東遠征がなくなれば、浮いた費用を10月の開発活動などへ振り向けることが可能になる。収益性の高い最後の2戦から得られる収入が支払われるかどうかとは別に、支出面で新たな余地が生まれるためだ。

2026年のコストキャップは2億1500万ドル。上限付近まで予算を投入しているチームであれば、カタールGPとアブダビGPの遠征費が不要になった分だけ、開発やその他の活動へ予算を再配分できる。

一方、予算規模がコストキャップを大きく下回るハースにとっては、この仕組みの恩恵は相対的に小さく、むしろ上限まで予算を使うライバルが開発費を増やせることで不利になる可能性がある。アルピーヌについても、予算が上限に達しているかは明確ではない。

9月末が物流面での決断期限
ただし、カレンダー変更を決めるタイミングには限界がある。

中東ラウンドを実施する場合、各チームは事前に大量の機材を現地へ送り出す必要があり、開催直前まで判断を先送りすることはできない。

「どこかの時点で決断しなければならない。ただ、物流上の理由から、全体として9月末までには決める必要があると思う。中東へ機材を送らなければならないので、それ以上先延ばしすることはできない」

バスールは、9月末までに決定されれば、その後のシーズンを組み立てる時間としては十分だと考えている。

「9月以降の最後の6戦、あるいは7戦を管理するには十分早い時期だと思う」

フェラーリがモンツァで重視する「完璧な仕事」
シーズン終盤のカレンダーが不透明ななか、フェラーリはホームレースとなるF1イタリアGPをモンツァで迎える。

バスールは、そこで結果を左右するのはマシンが本来持っている純粋な速さだけではなく、週末を通じてその性能をどこまで引き出せるかだと強調した。

「我々はベストを尽くす。今季ここまで、予想していなかった結果を得られたこともあれば、もっと良い結果を期待していたのに、より苦しんだこともあった」

前戦オランダGPでは、フェラーリだけでなく上位勢全体にとって、わずかなミスや週末の組み立ての違いが最終順位を大きく左右することが改めて示されたとバスールは考えている。

「純粋なポテンシャルよりも、実行面で得られるものの方がはるかに大きいと思う。オランダGPから得た最大の教訓は、勝ちたい、トップに立ちたいのであれば、完璧な仕事をしなければならないということだ」

その例としてバスールが挙げたのが、メルセデスのジョージ・ラッセルだった。

「これは我々だけではなく、ジョージにも当てはまる。彼はスプリントでは優勝したが、決勝では3位で、我々の後ろの5位で終わるところまでそれほど遠くなかった」

「実行がうまくいくか、うまくいかないかによって、1位から6位まで動く余地がある。トップ6全員に当てはまるし、マックス(フェルスタッペン)を含めればトップ7だ」

モンツァでフェラーリが問われるのは、SF-26の絶対的な性能だけではない。僅差で争う上位勢のなかで、セットアップ、予選、戦略、ピット作業まで含めた週末全体をどれだけミスなくまとめられるかが、ホームGPでの結果を大きく左右することになる。

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カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ