元フェラーリ育成マヤ・ウィーグ苦境 F1アカデミー卒業後「レース予定がない」
フェラーリの育成ドライバーとしてF1アカデミーでタイトルを争ったマヤ・ウィーグが、わずか1年でレース参戦の機会を失う厳しい状況に直面している。

昨季までF1アカデミーのフロントランナーとして活躍したウィーグは、今季に向けて準備していた計画が開幕直前に崩壊したことを明かした。現在は今後出場するレースが決まっておらず、「キャリアで最も厳しい1年」と現在の心境を語っている。

F1アカデミーでタイトル争いも一転
オランダのライセンスで参戦するウィーグは、かつてフェラーリ・ドライバー・アカデミーに所属。2025年のF1アカデミーではフェラーリのカラーを背負い、3勝を挙げてランキング2位となった。

表彰台争いを続けていた当時から、まだ1年も経っていない。しかし現在の状況は大きく異なる。

ウィーグは自身のSNSで、これまで表には出してこなかった苦境について明かした。

「これをどう書けばいいのか、本当に分からない。シーズンを通してポジティブな部分を見せようとしてきたけど、実際には今年は間違いなく私のキャリアで最も厳しい1年になっている」

「1年前、私はチャンピオンシップを争っていて、勝利を挙げ、ほぼ毎週末のように表彰台に立っていた。それから1年も経たないうちに、こんな状況になるなんて思ってもいなかった」

開幕直前に「素晴らしい計画」が崩壊
ウィーグによれば、2026年に向けて当初は明確なレースプログラムが用意されていた。しかし、シーズン開始直前になって計画そのものが消滅したという。

「今シーズンに向けては素晴らしい計画があった。でも、シーズンが始まる少し前に、私にはどうすることもできない理由ですべてが崩れてしまった」

「その時点では別のプランを組み立てるにはあまりにも遅かったし、自分ひとりでレースに出る機会を確保するのは本当に難しかった」

モータースポーツでは、実績だけで翌年のシートが保証されるわけではない。カテゴリーをステップアップするほど参戦予算やメーカー、チームとの関係が重要になり、F1アカデミー卒業後のキャリア形成も大きな課題となる。

ウィーグはベルギーの耐久シリーズ「Belcar」で3レースに出場する機会を得た。ART RacingからGTカーでデビューし、初戦で表彰台を獲得している。

「Belcarで3レースに出場できたのは幸運だったし、その機会を与えてくれたART Racingには本当に感謝している。GTカーでのデビュー戦では表彰台にも上がることができた」

しかし、その数少ない参戦機会も続かなかった。

「でも、出場する予定だったゾルダー24時間もなくなってしまった。だから今のところ、これから出場するレースは何もない」

マヤ・ウィーグ(F1アカデミー)

F1アカデミー卒業生で分かれる進路
ウィーグの苦境は、F1アカデミー卒業後のキャリアが一様ではないことも浮き彫りにしている。

F1アカデミー王者のドリアーヌ・ピンは、メルセデスF1の開発ドライバーを務めるほか、プジョーのハイパーカー開発ドライバー、フォーミュラEのシトロエンでも開発ドライバーを担当。2026年にはル・マン24時間レースにも出場するなど、耐久レースを含めて活動の場を広げている。

また、2024年王者のアビー・プリングは、フォーミュラEの日産でルーキー兼シミュレータードライバーを務めながらGB3に参戦。今季はすでに1勝を挙げ、ランキング7位につけている。

一方、ウィーグはフェラーリの育成プログラムを離れた後も、現在F1アカデミーでフェラーリ代表を務めるアルバ・ラーセンのメンターとして活動してきた。だが、自身が求めているのはサーキットの外から後輩を支えることだけではない。

「見ていたいんじゃない。レースがしたい」
レースから離れる時間が増えたことで得たものもあるとしながら、ウィーグはドライバーとして走り続けたいという思いを強調した。

「今年はものすごく多くのことを学んだし、人間としても大きく成長した。でも、私は見ていたいんじゃない。レースがしたい」

「最高レベルの舞台で再びコースに戻って、自分に本当は何ができるのかを示したい」

「それが残りの人生でやりたいこと。もう一度マシンに乗るために、毎日努力している」

ウィーグにとって特に受け入れがたいのは、F1アカデミーを含め、これまで積み重ねてきた結果が次のチャンスにつながらなかったことだ。

「モータースポーツは厳しい世界。これまで何年も積み上げてきた結果が、何かにつながると思っていたんだと思う」

それでも、復帰への希望を失ったわけではない。

「厳しい時期を支えてくれているみんなに感謝している。身近な人たちは、ひとつの扉が閉じれば別の扉が開くとずっと言ってくれている。私はそれを信じることにしている」

F1アカデミーで勝利を重ね、フェラーリの有望株として将来を期待されたウィーグ。それでも次のシートを確保できない現状は、若手ドライバーがカテゴリー卒業後に直面するモータースポーツの厳しい現実を示している。再びレースに戻るための「次の扉」を開けることができるか、23歳のウィーグにとって重要な時期が続く。

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カテゴリー: F1 / F1アカデミー / スクーデリア・フェラーリ