映画『F1/エフワン』モナコで初披露 現役F1ドライバーやチーム代表が絶賛

6月25日の国際公開と6月27日の北米公開に先駆け、2025年のF1ドライバーたちは劇中で描かれる架空のAPXGPチームの物語を確認するために一堂に会した。
本作はジョセフ・コシンスキーが監督を務め、ジェリー・ブラッカイマーがプロデュース。主演のブラッド・ピットは、かつてF1ドライバーだったソニー・ヘイズ役を演じ、新人ジョシュア・ピアース(演:ダムソン・イドリス)とAPXGPチームでコンビを組むという設定だ。
この作品の撮影は2023年と2024年の複数のF1グランプリで行われたため、現役F1ドライバーたちとの関わりもリアルに描かれている。

「本当にすごかった」ルクレールも感動
この日、ドライバーやチーム代表などF1関係者たちは一足早く完成作品を鑑賞。その描写について、口々に称賛の声をあげた。
フェラーリのシャルル・ルクレールは、「本当にすごかった」と語る。
「正直、どんな内容なのか想像がつかないままシアターに入った。僕たちはこのスポーツのことをよく知っているから、つい細かく分析しようとしてしまうけれど、ストーリー展開がすごく良かったし、映像が本当に美しかった。普段サーキットでは見られないアングルもたくさんあって、とても楽しめたよ」
「最高だった」オコン、ソニーとの接戦を楽しむ
ハースのエステバン・オコンも映画を高く評価し、ピット演じるソニー・ヘイズとの接戦を映像で見られたことを喜んだ。
「正直、最高だった。あれほど臨場感のある映像は見たことがない。車内の感覚が本当に伝わってくるし、ストーリーもすごく面白かった。自分がソニーと何度も接近戦をしているシーンが映っていて楽しかった」
「本当に美しい映画だった。F1、そして制作に関わったすべての人に『よくやった』と言いたい。今まで観たレース映画の中で一番すばらしいと思う」

「僕の演技、最高だったよ!」ノリスが冗談
中にはスクリーンに映る自分の姿が最も気になるというドライバーもいた。
マクラーレンのランド・ノリスは冗談めかしてこう語る。
「僕の演技、最高だったよ。それが一番重要なことだったね!映画としてもすごく良かったし、ストーリーも素敵だった。あまりネタバレできないけど、いろんな意味が込められていて、若い世代にとってもインスピレーションになる内容だったと思う」
ガスリー「ドライバーの世界を体験できる映画」
アルピーヌのピエール・ガスリーも同様に鑑賞を楽しんだ。
「すごくきれいで、本当に面白かった。F1という世界に生きる僕たちドライバーだけじゃなく、その周囲の人々のことも描かれている。多くの人が楽しめる映画になると思うし、僕も出演できたことがちょっと面白かった!」

「私たちが一番厳しい観客だったかもしれない」ホーナーが評価
この試写会には、ドライバーだけでなくF1チームの代表たちも参加していた。彼らはその鋭い観察眼から、映画の細部にまで目を光らせたようだ。
レッドブルF1代表のクリスチャン・ホーナーは次のように語った。
「本当に素晴らしかった。私たちはおそらく、この映画を観るには一番厳しい観客だったと思う。シフトチェンジやピットストップのひとつひとつを細かくチェックしてしまうからね。でも、とてもリアルに描かれていて、ドライバーやチームとの関係性も上手く織り込まれていた。必見の映画だよ」
「F1がこういう形で世間と関わっていくのは素晴らしいことだし、よくできている。スポーツの構造をきちんと理解したうえで制作されているのが伝わってくるし、F1を初めて知る人たちにとっても、非常にわかりやすい導入になると思う」
「鳥肌が立った」ボウルズも絶賛
ウィリアムズ代表のジェームス・ボウルズも、映画のリアルな描写を称賛した。
「本当に素晴らしい作品だった。F1という世界を正確に、誠実に描こうという意図が感じられた。私は映画を“鳥肌が立った回数”で評価してるんだけど、今回は3~4回あったね。盛り上がって、最後に感動的に締めくくられるような場面がいくつもあった」
「F1の魅力を、世界中の人々に理解してもらえるような形で伝えようとしてくれた。それが見事に形になっていた。公開が待ちきれないよ」
映画内での自身の出演について尋ねられると、ボウルズは笑いながらこう答えた。
「世界中の人のために、出演時間が短くて良かったよ!」
「このスポーツが大好きで、人生をかけてやってきた。映画に関われたことは、自分にとって本当に大きな意味があった」

「信じられない挑戦だったが、実現できた」ドメニカリが振り返る
F1のCEOであるステファノ・ドメニカリも試写会に出席し、この作品が完成するまでの長い道のりを振り返った。
「とても誇りに思っているし、F1の世界全体に感謝している。今日まで完成品を見ずに理解を示してくれた皆に、本当に感謝している」
「ジェリー(・ブラッカイマー)、ジョー(・コシンスキー)、そしてAppleとワーナー・ブラザースにも感謝している。2021年2月にロンドンの私のオフィスに彼らが訪ねてきたときから始まったこの旅は、まるで昨日のように感じる。だが、本当に多くの苦労があった」
「F1の実際のアクションと映画を、ここまで見事に融合させたのは初めてだと思う。結果は本当に素晴らしい。ストーリーも音楽もリズムもすべて気に入っている。観客の反応を見るのが楽しみでならない」
「こんなことが可能だとは誰も思っていなかったけれど、実現できた。これは我々F1が次のレベルへ進むためのステップになるはずだ。そして、その変化にどう対応するかは我々次第だ。とにかく、ただただ驚くばかりで、この作品について、ブラッド・ピットや映画だけでなく、F1そのものについて多くの人が語ってくれるのが待ち遠しい」
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