キャデラックF1 ロードン代表が退任 ブコウスキーを新チーム代表に任命

2026年にF1参戦を開始したキャデラックにとって、シーズン途中での大きな首脳人事となる。ただし、チームは今回の交代を、組織が立ち上げ段階からレーシングパフォーマンスを追求する次のフェーズへ移行することに伴う「計画されたリーダーシップ移行」と位置づけている。
グレアム・ロードンがキャデラックF1代表を退任
ロードンは、キャデラックのF1参戦プロジェクトが本格始動する以前からチーム形成を主導してきた人物だ。かつてヴァージン/マルシャでチーム運営に携わった経験を持ち、キャデラックがF1グリッドに加わるための組織づくりで中心的な役割を担ってきた。
キャデラックの発表ではロードンの退任理由について具体的な説明はなかったものの、チームは今回の人事を計画されたリーダーシップ移行として説明している。一方、複数の報道では、ロードンがチームを離れる形になると伝えられている。
キャデラックF1のCEOを務めるダン・タウリスは、ロードンの功績に感謝を示した。
「グレアム・ロードンのリーダーシップ、そしてキャデラックF1チームをゼロから築き上げるうえで果たしてくれた役割に感謝している」
「彼の貢献は、我々の立ち上げ段階において強固な基盤を築く助けとなった。その献身に感謝するとともに、今後の成功を願っている」
後任は元ルノー/アルピーヌのマルチン・ブコウスキー
ロードンの後任に就くマルチン・ブコウスキーは、F1で20年以上にわたる経験を持つ。エンジニアリングだけでなく、レギュレーション策定やチーム経営にも携わってきた異色の経歴の持ち主だ。
これまでプロスト、フェラーリ、マクラーレンで技術職を歴任したほか、FIA(国際自動車連盟)でもF1の技術部門で要職を務めた。その後ルノーに加入し、エグゼクティブディレクターとしてチーム運営に携わり、アルピーヌへの移行後も経営陣の一員を務めた。
キャデラックは、ブコウスキーの加入について、F1参戦に向けた「立ち上げ」から、実際に競争力を高めていく次の段階へ組織を移行させるための人事だと説明している。
タウリスは新代表について次のように語った。
「マルチンの就任は、キャデラックF1チームが進化を続けていくうえで、もうひとつの重要なステップとなる」
「最初から我々の目標は、単にF1に参加することではなく、最前線で戦うことのできる次世代のチームを構築することだった」
「キャデラックF1チームが新たな時代に入るなか、マルチンは卓越したF1での経験、技術的専門知識、そして戦略的なリーダーシップをもたらしてくれる。それによって組織を強化し、長期的な成功に必要となる勝者のメンタリティ、ツール、プロセスを構築する助けとなるだろう」

「コストキャップの中でマシン開発を最大化する」
F1の最前線に復帰するブコウスキーは、キャデラックでの最優先課題として、コストキャップ下でマシン開発を最大化し、チーム全体を競争力のある組織へと成長させることを挙げた。
「キャデラックF1チームには、素晴らしい基盤と大きな野心がある」
「今はチームにとって非常に大きなチャンスのある段階だ。そして、明確な目標によって定義されることになる。それはコストキャップの中でマシン開発を最大化し、チームのあらゆる機能を競争するために機能させることだ」
「つまり、勝者のメンタリティを持つエリート組織を構築するということだ。強い意欲を持ち、挫折に直面しても決して諦めず、細部とプロセスに徹底的にこだわり、レース当日に正確に実行できる組織だ」
ブコウスキーは、単純な技術開発だけでなく、組織内部の意思決定プロセスにも重点を置く考えを示している。
「僕が重点を置くのは、人材、ツール、情報の流れをひとつにまとめ、正しい決断を迅速に下せるようにすることだ。そしてレースを重ねるたびに、マシンのパフォーマンスを向上させていく」
「キャデラックF1チームのサーキットでの活動を率いることができるのは光栄だ。来週末のザントフォールトから仕事を始める」
ブコウスキーはオランダGPからキャデラックの現場指揮を執ることになる。
「チームを作る」段階から「勝てる組織を作る」段階へ
今回の代表交代は、単なるシーズン途中の人事変更というより、キャデラックのF1プロジェクトが次のフェーズへ移ったことを示すものと言える。
ロードンの役割は、F1参戦に必要な人材や設備、運営体制をゼロから構築し、チームを実際にグリッドへ送り出すことにあった。一方、FIAでレギュレーションを熟知し、ルノー/アルピーヌで組織運営にも携わったブコウスキーには、限られたコストキャップの中で開発効率を高め、キャデラックを競争力のあるF1チームへ成長させる役割が求められる。
キャデラックはロードンによる「立ち上げ」のフェーズを終え、ブコウスキーの下で「勝てる組織」を構築するフェーズへと踏み出すことになる。
カテゴリー: F1 / キャデラックF1チーム
