フェルスタッペンとハミルトン 2021年アブダビ以来のF1フロントロー対決
マックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンが、2021年F1アブダビGP以来となる形でフロントローに並ぶ。2026年F1バーレーンGP in マレーシアでは、フェルスタッペンがポールポジションを獲得し、ハミルトンが2番手につけた。
2人がこの並びでグランプリをスタートするのは、タイトル争いが劇的な結末を迎えた2021年アブダビGP以来、約5年ぶりとなる。セパンではレッドブルが週末を通して速さを見せている一方、フェラーリも決勝ペースには自信を持っており、両者とも日曜日の勝利を狙えると考えている。
2021年のアブダビでは、2番グリッドのハミルトンがスタート直後にフェルスタッペンをかわしてトップに立ち、その後レースを支配。しかし、終盤のセーフティカーとレース再開をめぐる一連の出来事によって状況が一変し、最終ラップでフェルスタッペンが逆転して初のF1ワールドチャンピオンに輝いた。
それから5年。F1を代表する2人のワールドチャンピオンが、再び勝利を懸けてフロントローからスタートする。
フェルスタッペンは決勝を見据えたマシンセットアップについて自信を示している。
「個人的には、決勝に向けて自分たちがやったことには自信がある。他がもっと大きな妥協をしているなら、それはそれで頑張ってくれればいい。でも僕は準備できている」
一方のハミルトンも、ライバルの状況を気にするより、自分たちのレースに集中することが重要だと語った。
「僕たちは自分たち自身に集中するだけだ。他が何をやっているのかは分からない。マックスのロングランはかなり良かったと思う。僕たちも悪くなかったけど、バランスが少しずれていた。今は決勝に向けてマシンが良くなっていることを願っている」
「だから、みんな似たような範囲にいると思う。ここはオーバーテイクもそれほど簡単ではない。長いストレートはあるけど、みんなストレートモードを使っているし、後ろについて走ると常にオーバーヒートするから難しい。明日は面白くなると思う」
レッドブルはシーズン序盤から大きく進歩
このフロントロー対決が実現するまでには、レッドブルとフェラーリの双方がマシンを改善する必要があった。フェラーリの改善は比較的短期間で表れた一方、レッドブルはシーズンを通して段階的に競争力を高めてきた。
ローラン・メキース率いるレッドブルは、シーズン序盤には上位ミッドフィールド勢との戦いを強いられていたが、その後トップ4の一角として定着。表彰台を獲得できるレベルまでパフォーマンスを向上させた。
前戦アゼルバイジャンGPでは2年以上ぶりとなるダブル表彰台を達成。そしてセパンでは、チームにとって今季初、レッドブル・フォード・パワートレインズにとっても初となるポールポジションをフェルスタッペンが獲得した。
「僕たちにとって信じられない結果だ。シーズンがどう始まったか、そしてそこからどれだけ進歩してきたかを考えればなおさらだ」
「いくつかのサーキットではかなり近づいていたけど、今週末は僕たちにとって本当にポジティブだったと思う」
「FP1からかなりいいスタートを切ることができて、そこからさらにマシンを改善しようとしてきた。本当に素晴らしいよ。ここでポールに立ててすごくうれしい」
ハミルトン「フロントローは予想していなかった」
ハミルトンは予選後、フェルスタッペンのポールポジションを祝福するとともに、自身がフロントローを獲得できたことへの驚きを隠さなかった。
フリー走行ではフェラーリがポールポジションを争えるほどの速さを持っているようには見えなかった。しかし、予選直前に施したセットアップ変更によってマシンがスイートスポットに入り、ハミルトンは2番手まで順位を上げた。
「本当に、本当にうれしい。ものすごくうれしいよ。今年は間違いなく厳しいシーズンだった。ポジティブなこともたくさんあったし、いい日もたくさんあったけど、レース週末という意味では悪い日の方が多かった。ものすごく大きなチャレンジだった」
「毎週末、本当に競争が激しい。どのチームも素晴らしい仕事をしているし、コンマ数秒の中にみんなが入っているレースもあった。このマシンとパワーユニットから最大限を引き出すことは、本当に僕たち全員を苦しめてきた」
「フロントローに並べるとは思っていなかった。だからこそ、こんなにうれしいんだ。いつものように4番手か5番手くらいだと思っていたから、2番手というのはかなり素晴らしい。明日のレースに対する見方がまったく変わってくる」
フェラーリはストレートでコンマ3~4秒失う
ハミルトンによれば、フェラーリとレッドブルの最大の違いはストレートスピードにある。
セパンでは長いストレートが存在するため、フェルスタッペンがトップを守ればレッドブルの最高速が大きな武器となる。一方、ハミルトンがスタートで前に出ることができれば、クリーンエアの中でタイヤを管理しながらコーナーでフェラーリの強みを生かせる可能性がある。
「メルセデスが大きなアップデートを持ち込んだのを見た。彼らはレースに勝ってきているから、そのアップデートでもっと前に行くと思っていた。でも、僕たちがここにいるというのは興味深い」
「マシンの感触は素晴らしかった。たくさん変更を加えた。レッドブルは素晴らしいパッケージを持っているし、明らかに大きく進歩してきた。でも、僕たちが彼らに負けているのはストレートだけだ」
「ストレートだけでコンマ3~4秒くらい失っていると思う。それは僕たちも分かっている。だからコーナーで最大限取り戻せるように全力を尽くしている。今日はそれができたと思う」
「これはメカニックとエンジニアたちのおかげだ。みんなで本当に素晴らしい仕事ができたし、実行面も完璧だった。これを続けることができれば、これからもっといい結果を残せると思う」
5年ぶりに実現した因縁のフロントロー
もちろん、決勝がフェルスタッペンとハミルトンだけの戦いになるとは限らない。3番グリッドにはメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリが並び、その後方にもシャルル・ルクレール、ランド・ノリス、オスカー・ピアストリ、ジョージ・ラッセルと強力なライバルが続く。
それでも、フェルスタッペンとハミルトンがフロントローに並ぶという構図は特別な意味を持つ。
2023年F1ハンガリーGPではハミルトンがポールポジションを獲得し、フェルスタッペンとフロントローを形成した。ただし、その際はハミルトンが1番手、フェルスタッペンが2番手という今回とは逆の並びだった。決勝ではフェルスタッペンがスタートでトップを奪い、そのまま圧勝している。
今回のようにフェルスタッペンがポールポジション、ハミルトンが2番手という順番でフロントローを形成するのは、2021年アブダビGP以来となる。
当時とは異なり、2026年はどちらも圧倒的なマシンを手にしているわけではない。シーズンを通して苦戦を経験しながら、それぞれレッドブルとフェラーリの競争力を引き上げた末に実現したフロントローだ。
5年前にF1史に残るタイトル決戦を繰り広げたフェルスタッペンとハミルトン。セパンを舞台とするF1バーレーンGP in マレーシアで、2人のライバルが再び勝利を懸けて真正面からぶつかる。











