F1バーレーンGP戦略ガイド:フェルスタッペンは最速戦略使えず タイヤ配分が制約
マックス・フェルスタッペンは、2026年F1第16戦バーレーンGP in マレーシアの決勝をポールポジションからスタートするが、タイヤ配分によってピレリが予測する最速戦略を採用できないという興味深い状況に置かれている。
セパン・インターナショナル・サーキットでは激しいタイヤデグラデーションが予想され、2ストップだけでなく3ストップも現実的な選択肢となっている。ピレリのシミュレーションではミディアムからハード、さらにハードへつなぐ2ストップが最速とされているものの、フェルスタッペンには決勝用のハードが1セットしか残されていない。
最速はミディアム→ハード→ハード
ピレリが決勝に向けて最速と予測しているのは、ミディアムでスタートし、ハード、ハードとつなぐ2ストップ戦略だ。
最初のピットストップの最適なタイミングは12~18周目、2回目は32~38周目と予測されている。
また、フリー走行でソフトが予想以上の耐久性を示したことから、ソフト→ハード→ハードという戦略も有力候補となる。この場合、最初のピットストップは10~16周目に早まるものの、2回目は同じ32~38周目が目安となる。
しかし、この2つの戦略には共通してハードを2セット使用する必要がある。
フェルスタッペンと4番グリッドのシャルル・ルクレールは、決勝に向けてハードを1セットしか残していない。そのため、ピレリが想定するこれらの戦略を選択することができない。
両者が残しているのはハード1セットとミディアム1セットであり、決勝では少なくとも1セットのソフトを使用することになる可能性が高い。

フェルスタッペンにはソフト→ハード→ミディアム
フェルスタッペンとルクレールが選択可能な2ストップのなかで、ピレリが最も速いとみているのがソフト→ハード→ミディアムだ。
この場合、ソフトで11~17周を走り、その後ハードで長い第2スティントをこなし、34~40周目を目安にミディアムへ交換してフィニッシュを目指す。
また、ソフト→ミディアム→ソフトというハードを使わない2ストップも可能性として残されている。ただし、この戦略ではソフトを履いた直後にプッシュしすぎず、タイヤを慎重に導入する必要がある。
ピレリのモータースポーツディレクターを務めるダリオ・マラフスキは、セパンではC4のソフトが非常に良好に機能していると説明した。
「C4は非常にうまく機能している。それは路面が本当にかなり粗いことによるものだ」
「バクーは路面が滑らかで、そこでミディアムだったC4は適切に作動しなかった。ここでは本来の仕事をしているコンパウンドになっている。安定性があり、レース距離でも競争力を発揮できる」
さらにマラフスキは、ソフトとミディアムだけを使う戦略についても可能性を認めている。
「ミディアムとソフトだけで2ストップを試みる者がいるかもしれない。ソフトを穏やかに使い始めれば可能だ」
「最初のラップからプッシュして高いデグラデーションを引き起こす場合よりも、はるかに安定させることができる。実際、デグラデーションという点ではソフトとミディアムにそれほど大きな違いはない」

3ストップも現実的な選択肢
セパンでは3ストップも十分に現実的だ。ピレリの計算上、最速の3ストップはソフト→ハード→ハード→ミディアムで、最適なピットウインドウは7~13周目、24~30周目、41~47周目とされている。
フェルスタッペンはハードを2セット持っていないため、この組み合わせをそのまま採用することはできないものの、より柔らかいコンパウンドを組み合わせた3ストップは選択肢となる。
通常のF1では、天候の変化やセーフティカーなどがない限り3ストップが主流になることは少ない。しかし、セパンでは路面の粗さと高温によってタイヤへの負荷が大きく、今回は純粋なペースだけでも3ストップが成立する可能性がある。
ただし、セパンでのピットストップによるタイムロスは約24秒と大きい。3ストップを選択する場合は、追加のピットストップによる損失をコース上での速さによって取り戻す必要がある。

全3コンパウンドが決勝で登場か
今回のセパンでは、ハード、ミディアム、ソフトの全3コンパウンドが決勝で使用される可能性が高い。
「3種類すべてのコンパウンドが使われると考えている」とマラフスキは語った。
「グリッドの一部はミディアムからハードを2セット使うだろう。一部は2ストップで3種類すべてのコンパウンドを使い、また一部は3種類すべてを使った3ストップに向かうだろう」
特に注目されるのは、ポールポジションのフェルスタッペンと4番手スタートのルクレールが、他の上位勢とは異なるタイヤ配分で決勝を迎えることだ。
フェルスタッペンがハード2セットを残さなかったのは、より柔らかいタイヤを使った2ストップに競争力があると判断しているのか、それとも最初から積極的な3ストップを視野に入れているのか。決勝でその意図が明らかになる。
さらに、決勝時間帯の降雨確率は40%と予報されている。セパンではサーキット上空で突然雷雨が発生することも珍しくなく、雨が降ればドライタイヤを前提とした戦略は一変する。
2026年シーズンは第16戦まで本格的なウエットセッションが行われておらず、新世代F1マシンにとって未知の条件となる可能性もある。ポールからスタートするフェルスタッペンだが、タイヤ配分による戦略上の制約、高いデグラデーション、そして予測困難なセパンの天候と、決勝では予選順位以上に戦略判断が勝敗を左右することになりそうだ。





