F1アゼルバイジャンGP 予選Q1:赤旗連発の混乱 角田裕毅12番手通過
2025年F1アゼルバイジャンGPの予選は、オープニングセッションのQ1から波乱含みの展開となった。市街地特有のタイトなレイアウトと壁の近さがドライバーを翻弄し、赤旗が3度も提示される異例の混乱に。その結果、Q2進出を逃したのはフランコ・コラピント(16番手)、ニコ・ヒュルケンベルグ(17番手)、エステバン・オコン(18番手)、ピエール・ガスリー(19番手)、アレックス・アルボン(20番手)の5台となった。

一方で、角田裕毅(レッドブル)は混乱の中でも確実にタイムを重ね、安全圏でQ2進出を果たした。赤旗や黄旗が相次ぐ状況で走行リズムを保つのが難しいセッションだったが、冷静な対応で序盤を突破し、上位進出への足がかりを築いた。

アルボンは直前まで上位進出の手応えをつかんでいただけに、クラッシュによる脱落は大きな痛手だった。ターンのイン側ウォールに強く接触し、サスペンションを破損。ウィリアムズにとってはチーム全体の戦略が崩れる予選となった。元F1ドライバーのジョリオン・パーマーは「ここまで強く当てればサスペンションが壊れるのは当然」と指摘し、厳しい評価を下した。

コラピントもセッション終盤に大きなクラッシュを喫し、赤旗が再び振られる事態に。ドライバーは無事に車を降りたものの、直前にはガスリーがターン4でコースオフし、黄旗が出されていたタイミングでもあり、緊張感の高まる場面だった。アルピーヌ勢はオコンとガスリーが揃ってQ1で足止めとなり、厳しい週末の幕開けを余儀なくされた。

さらにヒュルケンベルグもターン4でロックアップから壁に接触し、フロントウイングを失うアクシデント。チームの懸命な修復で再走を果たしたが、タイム更新には届かなかった。オコンは僅差で16位圏外に押し出される形となり、コンマ数秒の差が明暗を分けた。

赤旗の多発は上位を争うドライバーたちの走行計画にも影響を及ぼした。オスカー・ピアストリやキミ・アントネッリは計測ラップを中断させられ、同じタイヤで走り切るか、新しいセットを投入するかの判断を迫られる場面もあった。特にアントネッリは一時12番手に入ったが、トラックリミット違反の警告やタイム抹消のリスクに直面して不安定な立場に立たされた。

最終的にランド・ノリスがトップ、マックス・フェルスタッペンが2番手と上位陣が順当にセッションを通過。角田裕毅も含め、多くのドライバーが厳しい状況をしのぎ切り、波乱のQ1を突破した。混乱の連続となったセッションは、予選全体の荒れ模様を示唆する幕開けとなった。

■ F1 アゼルバイジャンGP 予選Q1 結果・ラップタイム

1.ランド・ノリス(マクラーレン) - 1分41秒322
2.マックス・フェルスタッペン(レッドブル) - 1分41秒331
3.シャルル・ルクレール(フェラーリ) - 1分41秒458
4.ジョージ・ラッセル(メルセデス) - 1分41秒646
5.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ) - 1分41秒656
6.ルイス・ハミルトン(フェラーリ) - 1分41秒821
7.オスカー・ピアストリ(マクラーレン) - 1分41秒839
8.ランス・ストロール(アストンマーティン) - 1分42秒101
9.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン) - 1分42秒211
10.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス) - 1分42秒247
11.リアム・ローソン(レーシングブルズ) - 1分42秒257
12.角田裕毅(レッドブル) - 1分42秒347
13.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー) - 1分42秒511
14.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ) - 1分42秒635
15.オリバー・ベアマン(ハース) - 1分42秒666

16.フランコ・コラピント(アルピーヌ) - 1分42秒779
17.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー) - 1分42秒916
18.エステバン・オコン(ハース) - 1分43秒004
19.ピエール・ガスリー(アルピーヌ) - 1分43秒139
20.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ) - 1分43秒778

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カテゴリー: F1 / F1アゼルバイジャンGP / F1レース結果