キミ・アントネッリ躍進を支える「ボノ」 元F1エンジニアが重要性を強調
キミ・アントネッリはF1参戦2年目となる2026年に目覚ましいシーズンを送り、メルセデスのチームメイトであるジョージ・ラッセルに81ポイント差をつけてドライバーズ選手権首位に立っている。
もちろん、コース上で結果を残している最大の功労者はアントネッリ自身だ。しかし、元F1レースエンジニアのロブ・スメドレーは、ピーター“ボノ”ボニントンも2026年の成功に極めて重要な役割を果たしていると指摘する。
一方で、チーム全体の仕事を日曜日の結果につなげるのは最終的にはドライバーだとも強調した。
20歳でF1選手権首位 アントネッリが続ける成長
アントネッリは中国GPと日本GPで連勝し、F1史上最年少でドライバーズ選手権首位に立った。当時19歳だった若手ドライバーにプレッシャーがのしかかるのではないかとの見方もあったが、その後もレースを重ねるごとに成長を続けている。
20歳になったアントネッリは、F1スペインGPで自身8勝目を挙げた。現在はランキング2位でメルセデスのチームメイトでもあるラッセルに81ポイント差をつけている。
ポッドキャスト『High Performance Racing』で、アントネッリの好調なシーズンにおいて“ボノ”ことボニントンがどれほど貢献しているのかを尋ねられたスメドレーは、英国人エンジニアの仕事を高く評価した。
ボニントンは長年にわたってルイス・ハミルトンのレースエンジニアを務め、キャリアの中ではミハエル・シューマッハとも仕事をしてきた。
「ボノ、それがすべてだ。すべてだよ。功績という意味ではエンジニアが全部もらうべきだ」とスメドレーは冗談交じりに語った。
「エンジニアがいなければ、あいつらは何もできない」
ただし、フェラーリなどでF1のレースエンジニアを務めたスメドレーは、すぐにその言葉を補足した。ボニントンがアントネッリの準備やレース運営で重要な役割を果たしていることは確かだが、最終的にマシンを走らせるのはドライバー自身だという。
「彼にも少しは功績を認めるべきだろう? キミを正しい方向に導いているし、必要な情報をすべて与えているからね。でも、ペダルを踏んでいるのはキミだろう? 日曜日の午後に仕事をしなければならないのは彼なんだ」

「アントネッリもフィードバックの一部」相互関係を強調
元アルピーヌF1チーム代表で、スメドレーとともにポッドキャストの司会を務めるオトマー・サフナウアーも、ドライバーとレースエンジニアの関係は一方通行ではないと強調した。
「アントネッリ自身もフィードバックのループに入っている。彼がボノに自分の望んでいることを伝え、ボノがそれを実現するんだ」
またサフナウアーは、アントネッリとボニントンのコンビだけに功績を帰すべきではないと考えている。メルセデスF1チーム代表のトト・ヴォルフも、ハミルトン後のドライバー選びで大きな決断を下した人物だからだ。
7度のF1ワールドチャンピオンであるハミルトンが2025年にメルセデスを離れてフェラーリへ移籍することを決めたことで、ブラックリーのチームは後任として経験豊富なドライバーを獲得するのか、それとも若手にチャンスを与えるのかという選択を迫られた。
ヴォルフは最終的に、アントネッリのF1昇格を前倒しする道を選んだ。当時わずか18歳だったイタリア人を最高峰カテゴリーに送り込む決断には、多くの批判も寄せられた。
ヴォルフの決断とグウェン・ラグルーの発掘にも功績
それから2シーズンが経過し、アントネッリはドライバーズ選手権首位に立ち、すでにF1通算8勝を記録している。
サフナウアーは、ボニントンだけでなく、アントネッリを起用するリスクを取ったヴォルフ、そして若き才能を見いだしたメルセデスのドライバー育成責任者グウェン・ラグルーにも功績があると語った。
「ボノにも功績を認めるべきだ。でも、その前にまずトトだ。キミを起用するリスクを取ったのだからね」
「そしてグウェン・ラグルーもだ。彼こそがキミを発掘した人物だからね」
アントネッリの2026年の躍進は、本人のドライビングだけで生み出されたものではない。ボニントンとの緊密な連携に加え、若手起用を決断したヴォルフ、そして才能を見いだしたラグルーを含めたメルセデスの長期的な育成とチームワークが、現在のF1選手権首位という結果につながっている。











