スーパーGT レクサス/トヨタ
11月11日(金)から13日(日)にかけてツインリンクもてぎでSUPER GTのシーズン最終大会となる第3戦(オートポリスの代替戦)と第8戦が行われ、ヘイキ・コバライネン/平手晃平組 DENSO KOBELCO SARD RC F 39号車が第3戦で2位、第8戦はポールポジションからトップを独走し今季初勝利を飾り、チーム、そしてこのコンビにとって初となるシリーズチャンピオンを獲得した。

SUPER GTのGT500クラス参戦最後のレースとなったLEXUS RC Fは最終戦でトップ5を独占する速さで有終の美を飾った。GT300クラスでは、第3戦でトラブルに見舞われノーポイントに終わるも最終戦にタイトルの可能性を残した嵯峨 宏紀/中山 雄一組 TOYOTA PRIUS apr GT 31号車が、第8戦でポールポジションから前半首位を快走したが惜しくも後半かわされ、2位表彰台を獲得。タイトル争いでは惜しくも逆転ならず、シリーズランキング2位でシーズンを終えることとなった。

第8戦予選
13日(日)、好天ながら気温14度、路面温度17度とまだ肌寒いコンディションの下、午前9時5分よりGT500クラスの予選(15分間)が開始された。ほとんどの車両がセッション序盤はコースに出ず待機。まず開始から4分ほど経ったところで19号車の国本がコースへ向かい、他の車両も残り8分ほどになって次々とコースイン。

充分にタイヤを暖め、アタックに入ると、まず4周目に39号車の平手がトップタイムをマーク。これをカルダレッリの6号車が上回ったが、翌周に平手が更にタイムを縮め、前日の第3戦に続き、2戦連続となるポールポジションを獲得した。

ロシターの37号車が2番手、6号車が3番手、そして最後にタイムをマークした19号車が4番手とLEXUS RC F勢が予選トップ4,2列目までを独占する結果に。

伊藤がアタックした36号車が6番手、石浦の38号車が7番手につけ、逆転タイトルを争う決勝に臨むこととなった。

GT300クラスでは、中山雄一がアタックを担当した31号車が7周目にコースレコードを大きく上回るタイムをマーク。今季初めてのポールポジションを獲得した。31号車はポールポジションのボーナスポイントを加え、ドライバーズタイトル争いでは、首位との差を13ポイントに縮めた。

30号車は佐々木孝太のアタックで12番手。60号車は26番手グリッドとなった。

第8戦決勝
今シーズンの最終戦となる第8戦は快晴、気温20度、路面温度27度と11月としては暖かいコンディションの下、午後1時半に栃木県警の白バイ、パトカー先導によるパレードラン、フォーメーションラップを経て、決勝レース(53周)のスタートが切られた。

スタートは順当に切られ、1周目にカルダレッリの駆る6号車が平川の37号車をパスし2位に浮上。しかし、首位を行く平手の39号車は好ペースで首位を快走。

2位の6号車は大きく離されることなく追走。その後方でRC F勢とGT-R勢のバトルが繰り広げられる中、上位2台が後続を引き離していく展開となった。

20周目を終えたところで、首位を行く39号車がピットイン。給油、タイヤ交換と共に平手からコバライネンへとドライバーチェンジ。翌周以降、次々にLEXUS勢がピットインをしていく一方、タイトルを争う1号車を含むGT-R勢はピットを遅らせる作戦に。

規定周回近くなってピットへ向かった2台のGT-Rはどちらもタイヤ無交換作戦を採り、ピット時間を短縮。上位を占めるLEXUS勢の間に割って入るコース復帰となり、レース後半戦は新しいタイヤと速さで勝るRC F勢がGT-R勢を攻め立てるバトルが中団グループで繰り広げられた。

全車がピットを終えると、39号車は盤石の首位復帰を果たしたが、2位の6号車大嶋が猛追を開始。35周目の時点で5秒以上あった差をじりじりと詰めていき、残り10周を切る頃には、2台はテール・トゥ・ノーズ状態となった。

6号車の大嶋は再三にわたって前を行く39号車コバライネンを攻めるが、コバライネンもミスすることなく冷静な走りで首位を堅守。2台の息をもつかせぬバトルは最後まで続き、観客はシーズン最後の首位争いに酔いしれた。

ファイナルラップまで2台の接近戦は続いたが、逆転はならず、コバライネンの39号車がトップでチェッカー。39号車にとっては今季初、コバライネンにとってはSUPER GTに参戦を開始して2年目にして初めてとなる優勝を飾ると共に、念願のシリーズチャンピオンを獲得することとなった。

コンビを組む平手晃平にとっては2013年(セルモ)以来3年ぶりのタイトル。チーム・サードにとっては国内のGT選手権では初のタイトルを、ドライバーズ、チーム共に獲得。

最後まで39号車を追った6号車は2位に入り、ランキングでも2位でシーズンを終えることに。今季初勝利を挙げるなど躍進著しかった19号車が3位表彰台。36号車が4位、37号車が5位でチェッカーを受け、SUPER GTのGT500クラス参戦3年目で来季からはLC500へと車両の替わるLEXUS RC Fにとって念願のタイトル獲得を、最終戦トップ5独占という最高の形で締めくくった。

GT300クラスでは、嵯峨がスタートを担当したポールポジションの31号車が後続の追撃を凌ぎながら、トップを維持して周回を重ねた。

タイトルを争う直接のライバルであるVivaC 86 MC 25号車が早めのピットをタイヤ無交換で終え、追い上げてきたため、31号車も初の試みながらタイヤ無交換作戦を決行。何とか25号車の前でコース復帰を果たしたが、ペースで勝る25号車の猛追を受け、34周目にかわされて2位に後退。ハイブリッドのパワーを活かして何とか離されることなく中山雄一が粘り強い走りを見せたが、逆転の機会は訪れず、2位でフィニッシュ。ドライバーズランキングも2位でシーズンを終えることとなった。

30号車は首位と同一周回の17位でフィニッシュ。60号車はトラブルでリタイアに終わった。

ヘイキ・コバライネン (DENSO KOBELCO SARD RC F 39号車 )
初優勝を飾り、タイトルを獲得出来たという意味で、最高の一日、最高の週末となった。昨年までと比較しても、チーム全体で本当に大きな進歩を遂げた一年だった。チームを誇りに思う。最高のLEXUS RC Fを用意してくれたTRDとLEXUSにも感謝したい。今日のレースは(平手)晃平がポールポジションを獲得してくれたことが大きかった。最後は追撃も激しかったが、上手くタイヤをマネージメントし、逃げ切ることが出来た。初優勝を挙げてタイトルを獲得出来、最高の気分だ。

平手晃平 (DENSO KOBELCO SARD RC F 39号車)
やっとここ(表彰台の頂点)に上ることが出来た。最後は絶対に勝って終わりたかったというのもあるし、サードチーム始まって以来のタイトルを、優勝で勝ち取れて良かった。サポートしてくれたTRDやLEXUS、ブリヂストンのおかげだ。このチームに来て3年目で、色々と体制の変更などもあったが、エンジニアやメカニックの人たちが頑張ってくれたことがようやく実を結んだ。彼らのおかげで、シーズンが進んでハンデウェイトが重くなっても、ずっと良いパフォーマンスを発揮出来た。今日は初めて自身でのポールポジションも獲得出来たし、最高の形でシーズンを締めくくれて本当に嬉しい。

大嶋和也 (WAKO'S 4CR RC F 6号車)
今年はチーム体制が大きく変わった年だったが、皆で相談しながら色々試し、少しずつ良いチームにすべく努力を続けてきた。今思えば、ちょっとしたミスで逃したポイントもあり、悔しい気持ちもあるが、チームがチャンピオンを争えるまでになったということは一番の収穫だと思っている。来年に向けてやりたいことはまだたくさんあるが、これからどんどん強くなるチームだと思っているし、ランキング2位で終われたという意味で良いシーズンだった。

アンドレア・カルダレッリ (WAKO'S 4CR RC F 6号車)
タイトルを争っての最終戦ということでもちろんとてもエキサイティングなレースだった。とはいえレースは着実に、安定したペースで走ることを心掛けて、最後までサードを追い続けた。最終的には2位だったが、良い結果だ。シーズンを振り返ると、ほとんどのコースで速さを示すことが出来、我々は常に最速の一台だったと思う。チーム・ル・マンに加入して最初の年だったが、車両、チームメイト、チーム環境と、全てが新しい環境で、多くの発見もあったが、もちろん簡単ではなかった。しかし、ランキング2位で終えることが出来たことは励みになるし、来年が楽しみだ。

関口雄飛 (WedsSport ADVAN RC F 19号車)
昨日は難しいレースで5位だったが、今日は3位表彰台ということでまずまずの結果かなと思う。2014年にこのチームに加わって、その年の終盤から今大会まで18戦連続ポイント獲得の記録を更新出来たのも良かったが、今日を含め、多くのレースで予選よりも決勝で強さを見せられたことが嬉しい。僕自身GT500クラスに上がって4年目だが、今年は初優勝も挙げられたし、シリーズランキング4位というのはキャリアベストの結果なので、良い1年だったと思う。しかし、来年はやはりもっと上を目指して頑張るつもりだ。

国本雄資 (WedsSport ADVAN RC F 19号車)
今日は予選4番手、決勝でも3位表彰台を獲得することが出来たが、ウェイトゼロということを考えると、1年間チームとクルマの開発を頑張ってきたことが少し報われたようで嬉しい。今年このチームに移籍してきて色々と不安もあったが、本当にチームが支えてくれたしチャンスをくれて、少しずつ自分もパフォーマンスを発揮することが出来るようになったと思う。シリーズランキング4位は悪い結果ではないが、タイトルに近いところで争えるようになるとやはり悔しさもあるので、今年上手く行かなかった部分などを見直し、来年こそはシリーズタイトルを取れるように努力したいと思う。すごく手応えのあるシーズンだった。

嵯峨宏紀 (TOYOTA PRIUS apr GT 31号車)
昨日のレースでノーポイントだったというのが非常に痛かった。今日のレースに関して言えば、初めての無交換作戦だったが、我々に出来る中で最高のレースが出来たと思う。シリーズを通して考えると、ノーポイントのレースがあまりに多すぎたので、逆によく2位になれたなというところもある。新型1年目ということである程度トラブルも覚悟していた部分はあるが、それにしても多すぎたので、今後はその辺りをトライ&エラーで克服して行けばタイトルが見えてくるはずだ。

中山雄一 (TOYOTA PRIUS apr GT 31号車)
今日は優勝するにはタイヤ無交換作戦しかないと考えて挑戦した。データも何も無く、全く初めての試みだったが、2位を守れたという意味では良いレースが出来た。ただ、シーズンを通して振り返ってみると、ポイントを取れたレースが少なかった。それがチャンピオンに届かなかった原因だと思うが、最後までタイトルを争えたという意味では良いシーズンだった。

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カテゴリー: F1 / SUPER GT