ダニール・クビアト
レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、トロ・ロッソに降格はしたものの、2016年以降にダニール・クビアトがレッドブルでキャリアを継続する可能性はあると主張した。

ダニール・クビアトは、今週末のF1スペインGPで2014年にF1キャリアをスタートさせた古巣トロ・ロッソに戻る。代わってレッドブルのレースシートには18歳のマックス・フェルスタッペンが座る。

降格となったダニール・クビアトには実力を発揮できるレースが17戦残されているが、今季のトロ・ロッソは1年落ちのフェラーリエンジンを搭載していることもあり、シーズンが進むに連れて後退を強いられる可能性が高い。

F1中国GPでは表彰台に上ったにもかかわらず、ダニール・クビアトは今季4レースの予選をすべてダニエル・リカルドよりも下位で終えており、レッドブルは交代を発表した際、ダニール・クビアトをトロ・ロッソで走らせることで自信を取り戻させたいと述べていた。

クリスチャン・ホーナーは、ダニール・クビアトがF1シートを追い出されるのではなく、ジュニアチームに移籍となった事実が、レッドブルがドライバーとしてのクビアトの実力に信頼を寄せている証拠だと指摘する。

「非常につらい決定だったと思う。ダニー(クビアト)には申し訳ないと感じている。彼は“もうレッドブルマシンをドライブできないのか”と思うかもしれないが、彼はこれからもF1で競争力を持つマシンに乗る。トロ・ロッソやレッドブルで成功を果たせなかったドライバーが契約解除になっていることを考えれば、彼はきっと安堵したはずだ」

「F1で2チームを運営するレッドブルは、年間数百万ポンドの資金を投じている。彼の才能を信じていなければ、彼が続投することはなかった。彼をトロ・ロッソに乗せることで自信や調子を取り戻してもらえると思う。もちろん、その上で評価もする」

レッドブルはダニール・クビアトの復帰の道を閉ざしていないのかと質問されたクリスチャン・ホーナーは「我々がこれまでもそうしてきたように何だって可能性はある。契約上、チームはドライバーのシートを移動させることが認められている」

F1スペインGP開幕に先立って行われたFIA公式記者会見に出席したダニール・クビアトは、中央の席に座り、メディアと対面した。

ヘルムート・マルコからの電話では降格に関する詳細な説明がなかったと打ち明けたダニール・クビアトはテレビシリーズ『Game of Thrones(ゲーム・オブ・スローンズ)』を見ている最中に知らせがあったとも明かした。

説明を求められたクリスチャン・ホーナーは「今回のことで我々が下した判断が、手厳しい決定だとか、不公平だと見なす人も多いだろう。レッドブルはF1にレッドブルとトロ・ロッソという4つのシートを有する特殊な立場にある。現時点で、そのシートはどれも相対的に競争力の高いコックピットだと思っている」とコメント。

「ドライバーに関する情報を大量に持っており、ジュニアカテゴリーからのデータやシミュレーターでの成長ぶり、マシンでのパフォーマンス評価など、ドライバーと取り組んできたテストも含めて、本当に多くのデータと知識、情報がある。そして、我々はダニールがチームメイトに比べて若干苦戦しており、それが一貫して続いていると結論づけた」

「マックスに関する議論が持ち上がり、我々が4人のドライバーと交わしている契約状況では、オーダーをシャッフルできる特殊な機会が設けられている。シーズン後半まで待つよりも、むしろヨーロッパラウンドが始まるタイミングで実行に移そうと決めた。フェルスタッペンをレッドブル・レーシングのマシンに、クビアトをトロ・ロッソに乗せるという、2人のドライバー交代が効果的になるようにね」

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ダニール・クビアト