F1ロシアGP ソチ・オートドローム
ピレリが、ソチ・オートドロームで開催されるF1ロシアGPについて語った。

今年のロシアグランプリには、P Zeroイエロー・ソフトとP Zeroレッド・スーパーソフトが選択され、ミディアムとソフトが選択された初開催の昨年よりも、一段階軟らかい組み合わせとなった。データが無かった昨年は保守的な選択が行われたが、今年は、実際のレースデータを基に、トラック特性にさらに正確に適応する組み合わせが選択された。

滑らかな新しいアスファルト路面、温暖な気候、大部分が中速のコーナーという特性から、タイヤの摩耗とデグラデーションレベルは、全体的に低くなる。

新しく舗装されたアスファルトは、特に厳しい冬の季節を経過後、急激に大きく変化することも珍しくない。しかし、ソチのアスファルトサンプルを見る限り、路面の滑らかさはそのままで粗さは無く、2014年から2015年にかけて大きなトラック特性の変化はない。このサーキットは、F1以外ではさほど使用されていないことから、特に金曜日は「グリーン」で滑りやすく、大幅な路面の改善が予想される。

ソチで最も重要なコーナーは、イスタンブール・パークの有名なターン8を連想させる、複数のエイペックスが存在する長い左コーナーのターン3。(ソチもイスタンブールもヘルマン・ティルケの設計によるサーキット。)このコーナーでは、特に右フロントタイヤに負荷がかかる。合計12の右コーナーと6つの左コーナーが存在し、ターン1とターン2の間には650mのストレートがある。

全長5.848kmのトラックは、スパとシルバーストンに次いでシーズン中で3番目に長いサーキット。トラック中の約1.7kmは公道で、決勝は53周で争われる。気温は15〜20°Cと予想されており、熱によるデグラデーションの影響は限定される。

昨年は、メルセデスのルイス・ハミルトンが、ソフトタイヤでスタートし、30周目にミディアムへ交換する戦略で優勝した。最も印象的な戦略は、チームメイトのニコ・ロズベルグによるものだった。ロズベルグは、重大なフラットスポットを生成したため、オープニングラップでソフトからミディアムへ交換した。20位まで後退したロズベルグは、300km以上の距離を1セットのタイヤで走り切り、ラスト2周時点で自己ベストタイムを記録し、2位でフィニッシュした。

ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
「我々だけではなく、全ての自動車メーカーにとって重要なマーケットであるロシアでの2回目のグランプリに臨めることを大変嬉しく思います。初めてのサーキットでは避けられないことですが、昨年、ソチ・サーキットでの初開催時には、多くの不確定要素がありました。しかし、その後のデータの蓄積により、今年の情報量は豊富です。したがって、今年は、全てのレースでの目標である2〜3回のピットストップを促す、昨年よりも一段階軟らかい組み合わせを選択しました。しかし、シミュレーション技術の進歩があるとはいえ、我々および各チームは、このサーキットについて今も学習の過程にあります。トラックには広範囲に渡るコーナーが存在しますので、タイヤのあらゆる側面が試されます。今年、ドライバーたちは、スーパーソフトの卓越したスピードのメリットを享受できるでしょう」

関連:2015年 F1ロシアGP テレビ放送時間&タイムスケジュール

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / ピレリ / F1ロシアGP