ピレリ 18インチ F1タイヤ
ピレリは、F1イギリスGP後にシルバーストンで実施されるインシーズンテストで18インチのF1タイヤをテストする。

18インチタイヤは、ピレリがF1の公式タイヤサプライヤーに復帰した2010年から提案しているアイデア。より大きなサイズのホイールとタイヤは、現代のマーケットのトレンドを反映している。現状よりも大きなサイズの採用によって、F1タイヤから乗用車用タイヤへの技術の転用が加速される。

各チーム、運営者および他のステークホルダーがタイヤサイズ拡大の方向へ向かう真の意向があれば、ピレリは18インチタイヤの開発を推進する。これは、F1全体としての見応えを提供するために、各チームおよびF1の技術パートナーとして、またスポンサーとして活動するピレリの一貫した哲学に基づく姿勢を示すもの。

ピレリのプレミアム戦略の一環として、ピレリのエンジニアが開発・製造した18インチタイヤは、あくまでも実現可能な例として示すためのもの。しかし、現行の13インチタイヤと同水準の性能および信頼性を持つ18インチタイヤを製造する技術は、既に現実のものとなっている。

実際、新型タイヤのコンセプトは、開発カーブの端緒に就いたばかりであり、その可能性は無限に近いもの。将来的には、より大きなタイヤサイズが登場する可能性もある。

新型18インチタイヤの開発には技術的な課題も伴うが、サイドウォールの柔軟性が減少することによってさらなる剛性が得られるというメリットがある。タイヤサイズ拡大の流れは、現行F1マシンのサスペンションとダンピングの重要な部分を形成することになる。

サイドウォールが狭くなることによって、ピレリのブランド表示用のスペースが減少することは避けられない。ピレリは、それにも関わらず、各チームが実現を希望すると思われる18インチタイヤの開発へ向かって前進する用意を整わせている。その積極的な証として、シルバーストンで新型タイヤによる走行を行う。

水曜日、シルバーストンにおいて、ロータスがE22にピレリのP Zero18インチ・コンセプトタイヤを装着して走行する予定となっている。

ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
「最近は標準的な乗用車でも18インチタイヤを装着していますので、13インチタイヤは、もはや乗用車のユーザーにとっては馴染みのないものになっています。F1にとって、18インチタイヤの採用は大きな一歩となるでしょうが、18インチタイヤを採用しているモータースポーツは、既に数多く存在しています。したがって、F1では、さらに大きなサイズを採用する日が来る可能性もあります。将来のモビリティ・ソリューションをテストする場としてのF1の役割を強調するために、乗用車用タイヤとレース用タイヤができるだけ密接な繋がりを持つことは、全ての人々にメリットのあることだと確信しています。この確信は、我々が1970年代にレース用タイヤから生まれた扁平タイヤを乗用車用タイヤに導入した時から持ち続けているものです。しかし、F1における我々の役割は変化を促進することではありませんので、我々は、タイヤサイズ拡大の動きを煽る意向ではないことを強調しておきたいと思います。F1の枠組みがどのようなものになろうと、我々の役割は、各チームおよびドライバーが、タイヤ、レギュレーション、その他のリソースを最大限に活用できるようにサポートすることです」

シルバーストンで画期的なプロトタイプタイヤのデモ走行を行うことは、ピレリの適応能力と技術的知見を示すために、ピレリの経営トップの判断によって決定された。

マウリツィオ・ボイオッキ (ピレリR&D統括責任者)
「我々のレースキャリアは、1907年、ボルゲーゼ侯爵がイターラを駆り北京パリレースで優勝した際、公道との直接的な関連性を伴ってスタートしました。100年以上を経て、我々は再度このコンセプトを取り入れようとしています。登場するタイヤは、主として性能面よりも美観をデモするために設計されたものです。しかし、もし必要となれば、数か月以内に製品レベルのサンプルを提供することが可能です。まずは、我々の最新のコンセプトについてのフィードバックを楽しみにしています。そして、人々がトラック上で少し目新しいものを見て楽しむことを期待しています」

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カテゴリー: F1 / ピレリ